この記事では、LINE公式アカウントを活用する際に気になる「従量課金」の仕組みについて詳しく解説します。「メッセージを何通配信すると、いくらの費用がかかるのか?」といった疑問にわかりやすくお答えします。
従量課金の計算方法は一見複雑に思えるかもしれませんが、この記事を読めば基本から応用までスムーズに理解できます。また、配信コストを抑える裏技もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!
1. LINE公式アカウントの従量課金の仕組みとは?
世の中には、様々な従量課金の仕組みがありますが、LINE公式アカウントではどういった仕組みなのでしょうか?
ここでは、LINE公式アカウントの従量課金の仕組みを解説したいと思います。
1-1. 従量課金はスタンダードプランのみ
LINE公式アカウントにおける従量課金は、スタンダードプランでのみ適用される仕組みです。このプランでは、月間の配信数が30,000通を超えた場合に、追加料金が発生します。一方で、コミュニケーションプランやライトプランでは配信数の上限が設定されており、超過分の課金が発生しないため、固定費を重視した運用を行いたい方に向いています。
スタンダードプランを利用する最大のメリットは、30,000通を超えるような大規模な配信が可能な点です。例えば、顧客リストが多い場合、このプランを選択することで、柔軟に配信数を増やすことができます。
1-2. 従量課金の料金は配信数によって変化する
追加メッセージ配信数 | 単価(税別) |
---|---|
~50,000 | ¥3.00 |
50,001~100,000 | ¥2.80 |
100,001~200,000 | ¥2.60 |
200,001~300,000 | ¥2.40 |
300,001~400,000 | ¥2.20 |
400,001~500,000 | ¥2.00 |
500,001~600,000 | ¥1.90 |
600,001~700,000 | ¥1.80 |
700,001~800,000 | ¥1.70 |
800,001~900,000 | ¥1.60 |
900,001~1,000,000 | ¥1.50 |
LINE公式アカウントの従量課金では、月間の配信数に応じて追加料金が発生します。上記の表のようにスタンダードプランでは月間30,000通までが基本料金に含まれ、それを超えると、1通あたり3円(税別)未満が加算されます。この料金体系は、大規模なキャンペーンを行う企業に柔軟な対応を可能にする一方、コスト管理が重要になります。
1-3. 従量課金の対象となるメッセージ2つ
LINE公式アカウントでは、送付するすべてのメッセージが従量課金の対象となるわけではありません。対象となるメッセージと、カウントされないメッセージには明確な区別があります。以下にその内容を詳しく解説します。
カウントされるメッセージ:
- メッセージ配信(絞り込み配信)
- ステップ配信
カウントされないメッセージ・投稿:
- チャットのメッセージ
- あいさつメッセージ
- 応答メッセージ(自動応答)
- VOOM投稿
1-4. 【補足】プランを変更する場合の注意点
皆様の中に、「メッセージの配信量を増やしたい・減らしたい」などで、料金プランを変更したいという方はいませんか?LINE公式アカウントの料金プランを変更する際には、反映タイミングに注意が必要です。変更の種類(アップグレードまたはダウングレード)によって反映される時期が異なるため、事前に把握しておくことが重要です。
プランをアップグレードする場合
プランのアップグレードは、申し込みを完了した時点で即時反映されます。たとえば、ライトプランからスタンダードプランに変更する場合、申し込みが完了するとすぐにスタンダードプランの上限や従量課金が適用されます。そのため、月間の配信数が既に上限に近づいている場合や、すぐにより多くのメッセージを配信したい場合に便利です。
プランをダウングレードする場合
一方で、プランのダウングレードは次の請求月から反映されます。例えば、スタンダードプランからライトプランに変更する場合、その変更が適用されるのは翌月からとなります。現在の請求月内は、引き続きスタンダードプランの料金体系と上限が適用されます。
2. LINE公式アカウントの従量課金のよくある悩みと解決方法
ここでは、LINE公式アカウントの従量課金のよくある悩みと解決方法をご紹介したいと思います。
2-1.【悩み1】 配信コストの予測が難しい
LINE公式アカウントの従量課金では、月間の配信数に応じてコストが変動するため、事前に正確なコストを予測するのが難しい場合があります。特に、キャンペーンやセールの時期に突然配信数が増加するケースでは、予想外の追加料金が発生し、予算をオーバーするリスクが高まります。
この問題を解決するためには、まず過去の配信データを基に月間配信数を見積もることが重要です。LINE公式アカウントの管理画面では、配信履歴や友だち数の推移を確認できるため、これらの情報を活用して配信計画を立てましょう。さらに、配信予定の内容やターゲットを絞り込むことで、配信数をコントロールすることが可能です。
2-2.【悩み2】 配信内容の優先順位付けに悩む
限られた配信数の中で、どのようなメッセージを優先的に配信すべきか悩むケースが多くあります。特に従量課金では、配信通数がコストに直結するため、効果の薄いメッセージを送ることで、無駄な出費が発生する可能性があります。
この問題を解決するためには、まずターゲット層の明確化が重要です。LINE公式アカウントでは、友だちの属性や行動履歴を元にセグメント配信が可能です。たとえば、特定の商品に興味を持っているユーザーや、過去のキャンペーンで購入実績があるユーザーに絞ってメッセージを配信することで、配信数を抑えながら高い効果を得られます。
また、配信する内容を事前に分類して優先順位を付けることも効果的です。以下は優先順位の例です。
最優先:キャンペーンやセールの告知、新商品の案内など、売上に直結するメッセージ
次点:ブランドロイヤルティ向上を目的としたニュースや情報提供
低優先度:一般的な挨拶やリマインダーなど、緊急性の低いメッセージ
2-3.【悩み3】 配信コストがかさむ
LINE公式アカウントを運用する際、従量課金による配信コストが予想以上に増えてしまうことがあります。特に、配信数が多いキャンペーンやセグメント配信を実施する場合には、コスト管理が重要です。しかし、配信数を完全に抑えようとすると、情報の届け方に制限がかかり、成果を最大化できない可能性もあります。
このような課題を解決するためには、無料で利用できる機能や運用方法を効果的に取り入れることが鍵です。また、ターゲットを絞り込んだ配信やVOOM投稿など、コストを抑える工夫を加えることで、必要なメッセージを適切に届けながらコストを最小限に抑えることが可能です。
次のセクションでは、実際に配信コストを抑えつつ、効果的にLINE公式アカウントを運用するための「裏技」を7つご紹介します。具体的な方法を取り入れて、配信コストを効率的に管理しましょう。
3. 配信コストを抑える裏技7選
ここでは、配信コストを抑える裏技を7つご紹介したいと思います。
従量課金を利用していて、配信コストにお悩みの方はぜひ最後までご覧ください!
3-1. 複数の吹き出しを利用して配信する
LINE公式アカウントでは、1配信で最大3つの吹き出しまでを1配信としてカウントできる仕組みがあります。この機能を活用することで、1回の配信で複数の情報を効率的に届けることが可能です。
例えば、キャンペーン情報、クーポン、営業時間の案内などをそれぞれの吹き出しにまとめて送信することで、配信通数を抑えつつ、ユーザーに必要な情報を整理して提供できます。
3-2.応答メッセージを活用する
応答メッセージは、友だちから送信されたメッセージに自動返信する機能です。この機能には「キーワード応答」と「一律応答」の2種類があり、どちらも従量課金の対象外であるため、配信コストが発生しません。
「キーワード応答」は、特定のキーワードに基づいて自動で適切なメッセージを返信します。例えば、「営業時間」や「定休日」といった問い合わせに対し、あらかじめ設定した内容を送信することが可能です。
一方、「一律応答」は、友だちからのメッセージに関係なく、統一されたメッセージを送信する場合に利用されます。応答メッセージを活用することで、配信コストを抑えるだけでなく、返信作業にかかる人的コストも削減できます。
3-3. LINEチャットを活用する
LINEチャットは、友だちと1対1でやり取りできる機能で、こちらも従量課金の対象外です。この機能を活用することで、個別対応が求められる顧客の要望や質問に無料で対応することができます。
LINEチャットはリアルタイムでのやり取りが可能なため、スピーディな対応が求められる状況にも適しています。特に、クレーム対応や予約確認など、即時性が重要なシーンでは、顧客満足度の向上に大きく貢献します。
また、LINEチャットでは、スタンプや画像、ファイルを送ることもできるため、単なるテキストでは伝わりにくい情報も分かりやすく伝えることができます。
3-4. あいさつメッセージを活用する
あいさつメッセージは、新しく友だち追加された際に自動で送信されるメッセージで、従量課金の対象外です。そのため、配信コストをかけずに初回のコミュニケーションを行うことができます。
あいさつメッセージの大きな特徴は、最大5つの吹き出しを1配信としてカウントできる点です。これにより、1つのメッセージで多くの情報を伝えることが可能です。例えば、以下のように吹き出しを分けることで、視覚的にわかりやすいメッセージを作成できます。
吹き出し1:お礼メッセージ(「友だち追加ありがとうございます!」)
吹き出し2:営業日や営業時間の案内
吹き出し3:最新のキャンペーン情報
吹き出し4:LINE VOOMや公式サイトへのリンク
吹き出し5:クーポンや特典の案内
吹き出しの追加は、あいさつメッセージの編集画面内にある「+追加」ボタンをクリックするだけで簡単に行えます。この機能を活用することで、初回のメッセージで顧客に必要な情報を過不足なく提供できます。
3-5. LINEVOOMを活用する
LINE VOOMは、LINE公式アカウントを活用する上で非常に効果的な情報発信の手段であり、配信通数にカウントされない特徴を持っています。このため、配信コストを削減しながら幅広いユーザーに情報を届けることが可能です。
LINE VOOMでは、テキスト、画像、動画などさまざまな形式のコンテンツを投稿することができます。たとえば、セールやキャンペーン情報、商品紹介、季節ごとの特集などを投稿することで、ユーザーとの接触頻度を高めることができます。また、VOOM投稿はタイムライン形式でユーザーに表示されるため、プッシュ配信と異なり受け手の負担が少なく、自然な形で情報を閲覧してもらえるのが特徴です。
3-6.絞り込み配信を実施する
絞り込み配信は、LINE公式アカウントのメッセージ配信数を最適化し、配信コストを効果的に抑えるための有力な方法です。この手法では、友だち全員に一斉配信するのではなく、特定の条件に基づいてターゲットを絞り込んだグループに対してメッセージを送信します。
絞り込み配信で活用できる条件の例:
・性別や年齢
男性・女性、または特定の年代のユーザーに絞り込むことで、より的確なメッセージを配信できます。
・地域
特定の地域に住むユーザーを対象に、店舗のセール情報やイベント案内を配信することが可能です。
・購入履歴や行動履歴
過去の購入履歴やキャンペーン参加履歴を元にセグメントを作成し、関連する商品やサービスを提案します。
3-7. リッチメニューと応答メッセージを組み合わせる
リッチメニューと応答メッセージを組み合わせることで、配信通数を抑えつつ効率的にユーザーに情報を届けられます。
ユーザーがリッチメニューをタップすると、カードタイプの初回メッセージが送信され、その後、応答メッセージでさらなる案内を自動的に提供できます。
特に、Lステップなどの拡張ツール利用時には、配信が二重カウントされるリスクを回避するためにも、LINE公式アカウントの標準機能を活用することが重要です。
この仕組みを使えば、余計な配信を抑えつつ、ユーザーが必要な情報を自発的に取得できるため、コスト削減と顧客満足度向上が同時に実現可能です。
4.従量課金を利用する場合は最適な戦略設計が重要
これまでご紹介してきた配信コストを抑える「裏技」は、LINE公式アカウントを効率的に運用するための有力な手段です。しかし、最も重要なのは、これらの方法を単独で活用するのではなく、全体の戦略設計の中に組み込むことです。適切な戦略を設計することで、配信コストを抑えるだけでなく、顧客との効果的なコミュニケーションを実現できます。
最適な戦略設計のポイント
1.ターゲットを明確にする
配信内容やタイミングを決定する前に、誰にメッセージを届けるべきかを明確にします。例えば、性別や年齢、購入履歴などに基づいてターゲットを絞り込み、それぞれに適したメッセージを作成することが重要です。
2.配信計画を立てる
過去の配信データを分析し、月ごとの配信数を予測することで、従量課金の追加料金を最小限に抑えられます。また、キャンペーンやセール時期には、どのタイミングでメッセージを配信するのが効果的かを事前に計画しておきましょう。
3.定期的な効果測定と改善
配信後のデータを分析し、どの方法が最も効果的であったかを評価します。たとえば、セグメント配信やリッチメニューの活用による成果を比較し、次回の戦略に反映させましょう。
最適な戦略設計を行うことで、配信コストを大幅に削減しながら、効率的な配信を通じて顧客満足度を向上させることができます。
5.最適な運用設計ならデジマール株式会社
LINE公式アカウントの従量課金において、「どのようにコストを管理すればよいか分からない」・「効率的な運用方法が見つからない」と感じたことはありませんか?特に、従量課金の仕組みを初めて利用する場合、その費用対効果を最大化する方法を見つけるのは簡単ではありません。このような課題に直面している企業様には、デジマール株式会社が提供する専門的なサポートが最適です。
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