LINE公式アカウントを運用中のマーケティング担当者の中には、「LINE公式アカウントの友だちを効率よく増やしたい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。結論から言うと、LINE広告を活用することでターゲットに最適な方法で友だち追加を促進できます。当記事では、LINE友だち追加広告の基本情報や課金方式から、成功事例、質の高いユーザーを獲得する方法などまで網羅的に解説します。執筆は、豊富な広告運用実績を持つデジマールの社員が担当。この記事を読めば、LINE広告で友だち追加を増加させるためのノウハウが手に入ります。
LINE友だち追加広告(CPF)とは
LINE友だち追加広告(CPF:Cost Per Friend)は、ユーザーが広告を通じてLINE公式アカウントを友だち追加した際に課金が発生する広告形式です。この広告を活用することで、効率的に友だち数を増やし、顧客とのコミュニケーションを強化できます。
(引用:※1)
LINE友だち追加広告のメリット
- 成果報酬型の課金
ユーザーが実際に友だち追加した場合にのみ課金されるため、広告費用を効果的に使用できます。
- 詳細なターゲティング
年齢、性別、興味関心などからターゲティングするオーディエンスセグメント配信に加え、オーディエンス配信を活用でき、詳細なターゲティング設定ができます。それにより、関心度の高い友だちに効率よくアプローチをすることができます。
*LINE広告のターゲティングの詳細については、「LINE広告のターゲティングを解説!セグメントやオーディエンスの種類も紹介」をご覧下さい。
配信設定場所の違い
LINE友だち追加広告は、LINE広告の管理画面からではなく、LINE公式アカウントの管理画面からでも配信設定を行えます。設定場所によって配信する広告に大きな違いは生じません。
しかし、LINE公式アカウントの管理画面からの設定だと、ターゲティング機能が制限されます。ユーザーの年齢・性別、地域、興味・関心などからのターゲティングのみ利用でき、「オーディエンス配信」などにより精緻なターゲティングを行うことができません。その一方で、LINE広告の管理画面で設定するよりも、簡単な設定で手軽に広告が出稿できるというメリットがあります。
(参考:※1)
その他のLINEの友だち追加促進施策との違い
LINEには友だち追加広告以外にも、LINE公式アカウントの友だち追加を促進できる施策があります。例えば、「LINEポイントAD」です。これは、動画視聴などの条件をクリアしたユーザーに、LINEポイントを付与するキャンペーンです。条件として、LINE公式アカウントの友だち追加を設定することができます。
このような施策と友だち追加広告の違いは費用です。LINEポイントADは200万円以上の費用が必要ですが、友だち追加広告は1万円からでも始められます。そのため、友だち追加広告は、予算が少なくても友だち追加を促進することができます。
LINE友だち追加広告の課金方式
友だち追加には2種類の課金方式があり、最低設定価格は自動入札と手動入札で異なります。詳しくは以下で説明します。
LINE友だち追加広告の課金方式
LINE友だち追加広告は、ユーザーが広告を通じて友だち追加した際に課金が発生する「友だち追加ごとに課金(CPF)」と、広告の表示回数によって金額が決まる「インプレッション課金(CPM)」を採用しています。入札方法を「自動入札」にした場合は友だち追加ごとに課金、「手動入札」にした場合は任意でどちらかの課金方式を選択できます。
*LINE広告の自動入札と手動入札の違いについては、「LINE広告最適化|自動入札の入札戦略や仕組み、ポイントを徹底解説」をご覧ください。
LINE友だち追加広告の最低設定価格
LINE友だち追加広告は1万円から出稿が可能です。また、入札単価の最低設定価格は、自動入札の場合75円、手動入札は友だち追加ごとに課金の場合50円、インプレッションごとに課金の場合200円です。
(参考:※1)
LINE友だち追加広告の単価目安と予算
友だち追加の単価は広告クリエイティブの質、入札額、競合状況などにより変動しますが、相場は、150円〜250円程度です。予算は、何人の友だちを獲得したいかによって異なります。「友だち追加ごとに課金」であれば、「獲得したい友だち数×CPA(友だち1人あたり単価)」が予算となります。
また、配信期間については、機械学習の効果も踏まえて、3カ月以上続けることで安定した成果が得られる傾向にあるとされています。
LINE友だち追加広告の配信面と入稿規定
LINE友だち追加広告は、「トークリスト」「LINE NEWS」「LINE VOOM」「ホーム」に表示されます。広告を出稿する際に配信面を選ぶことはできませんが、それぞれの配信面に掲載できるフォーマットにあったクリエイティブを入稿することで、各配信面から自動で広告が配信されます。
また、LINE友だち追加広告では、静止画、動画ともに利用可能です。以下では、それぞれのクリエイティブで利用できるフォーマットや入稿規定を説明します。
静止画 |
利用できるフォーマット |
・Card(静止画) ・Square(静止画) ・画像(小) ・画像アニメーション |
ファイル形式 |
PNGまたはJPEG (画像(アニメーション)のファイル形式はPNGのみ) |
|
ファイルサイズ |
最大5MB |
|
動画 |
利用できるフォーマット |
・Card(動画) ・Square(動画) ・Vertical(動画) ・動画(小)友だち追加用(1:1) |
ファイル形式 |
MOVまたはMP4(H.264を推奨) |
|
ファイルサイズ |
最大1GB |
|
タイトル |
20文字以内(半角全角問わず) |
|
ディスクリプション |
75文字以内(半角全角問わず) |
(参考:※1)
LINE友だち追加広告の配信設定
LINE友だち追加広告の配信設定は以下の手順で行います。
- STEP1:LINE公式アカウントでの事前設定(詳しくは後述)
- STEP2:LINEビジネスIDの発行
- STEP3:広告アカウントの開設
- STEP4:クレジットカードの登録
(LINE友だち追加広告はWebサイトに遷移させる広告ではないため、LINE Tagの設置が不要です。)
- STEP5:キャンペーンの作成
[キャンペーンの目的]で[友だち追加]を選択することで、友だち追加キャンペーンを作成することができます。
- STEP6:広告グループの作成
- STEP7:広告の作成
*STEP2以降の設定の詳細については、「【画像付き】LINE広告の配信方法|始め方・出し方を徹底ガイド」をご覧下さい。
配信前にLINE公式アカウントで設定しておきたいこと
LINE友だち追加広告を配信する前に、LINE公式アカウントで設定を確認しておきたい機能が2つあります。
1.プロフィール情報の設定
1つ目が、プロフィール情報です。LINE友だち追加広告から友だち追加を行う際、ユーザーにプロフィール画面が表示されます。プロフィールはWebサイトのTOPページのような役割を持っており、アカウントへの第一印象を左右する重要な機能です。営業時間や住所などの基本情報、WebサイトのURLや問い合わせ先など、可能な限り情報を更新しましょう。
2.あいさつメッセージの設定
2つ目が、ユーザーが友だち追加した時、自動的に送られるメッセージである「あいさつメッセージ」です。設定前は、デフォルトの定型文が設定されているため、適切な文言に見直しましょう。
*LINE公式アカウントのあいさつメッセージの詳細については、「【LINE公式アカウント】あいさつメッセージの設定方法や例文・活用事例を解説」をご覧ください。
(参考:※2)
配信後の注意点:友だち追加数はクリック数として表示される
LINE友だち追加広告のCV(獲得したい成果)である「友だち追加」は、「クリック数」として表示されます。したがって、広告マネージャーのダッシュボードやレポートのCVの欄は、0となっています。友だち追加数は[クリック数]、友だち追加率は[CTR(クリック率)]、友だち獲得単価は[CPC(クリック単価)]を確認しましょう。
LINE友だち追加広告の効果を高めるポイント
友だち追加広告の効果を最大限に引き出すためのポイントを、クリエイティブ、ターゲティング、入札方法に分けて説明します。
1. クリエイティブ制作でのポイント
◯配信面ごとに適したサイズのクリエイティブを用意する
LINE友だち追加広告は、トークリスト、LINE NEWS、LINE VOOM、ホームの配信面に出稿できますが、特定の配信面を選んで配信することはできません。それぞれの配信面に掲載できるフォーマットのサイズにあわせて、複数のクリエイティブを用意しましょう。
以下の表は、それぞれの配信面に掲載できるフォーマットを「◯」で示しています。
トークリスト |
LINE NEWS |
LINE VOOM |
ホーム |
|
Card(画像) |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
Square(画像) |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
画像(小) |
◯ |
◯ |
✕ |
◯ |
画像アニメーション |
◯ |
✕ |
✕ |
✕ |
Card(動画) |
◯(1) |
◯ |
◯ |
◯ |
Square(動画) |
◯(1) |
◯ |
◯ |
◯ |
Vertical(動画) |
✕ |
◯ |
◯ |
◯ |
動画(小)友だち追加用(1:1) |
◯ |
✕ |
✕ |
✕ |
(1)「小さい広告枠への動画配信を有効にする」をオンにしている場合のみ
(2024年12月時点)
(参考:※3)
◯シンプルで魅力的なデザイン
盛り込む要素が多いと内容が理解しづらいため、伝えたいことや強調したいことを絞り、それらが最初に目に入るデザインにしましょう。友だち追加広告は、LINEのトークリストで表示されることが多いため、文字が小さくならないように注意が必要です。
また、 友だち追加したユーザーのメリットを明記したり、ビジュアルで想起させることも効果的です。
2. ターゲティングでのポイント
◯始めは広めにターゲティングを設定
ターゲティングは最初から詳細に設定しすぎると、広告が配信されるユーザー数が少なくなってしまいます。そうなると、CVを獲得できたかもしれないユーザーに広告を配信することができません。したがって、年代や地域は商品・サービスに合わせてある程度絞る一方で、興味関心等のターゲティングは最低限にする方がよいでしょう。
◯オーディエンス配信を活用する
オーディエンス配信は、ユーザーのデータを直接使って対象のユーザーに広告を配信するターゲティング方法です。自社Webサイトに訪問履歴のあるユーザー、自社Webサイトで購入したことのあるユーザーなどに広告配信することができます。
また、効率よく友だちを増やしたい場合は、LINE公式アカウントの友だちをオーディエンスにして「類似配信」機能を活用することも有効です。
3. 入札方法でのポイント
◯自動入札の活用
自動入札機能の活用が推奨されています。最適な入札額が自動的に設定され、効果的な広告運用が可能です。広告グループ作成時に選択する[入札単価の設定方法]にて、「友だち追加の最大化を目的に自動で設定」を選択することで、友だち追加単価が高額になりすぎるのを防ぎつつ、効率よく広告配信ができます。
LINE友だち追加広告の成功事例
ここでは、LINE友だち追加広告を活用して成功を収めた事例を2つ紹介します。
成功事例① バンダイナムコアミューズメント:開業前に友だち数7,000人
「VS PARK」や「トンデミ」、「屋内冒険の島 ドコドコ」など、多彩な屋内アクティビティ施設を運営しているバンダイナムコアミューズメントは、施設の認知度・来場者数向上のため店舗ごとにLINE公式アカウントを開設しています。LINE公式アカウントの友だちを増やす施策として店内でのLINE公式アカウントの告知などは行っていたが、それでは限界があるため、店舗以外で友だちを増やす施策として、LINE友だち追加広告を活用し始めました。
店舗ごとにLINE公式アカウントを持っているため、広告配信のターゲティングは、それぞれの施設のメインターゲット層の特性を踏まえて設定しました。また、広告クリエイティブは、訴求内容やデザインを変えて、訴求効果を検証しています。
そのような施策の結果、広島県に新しくオープンしたVS PARKの店舗公式アカウントの「友だち追加」の広告では、店舗開業前に7,000人もの友だちを獲得しました。
成功事例② ファッション通販サイト「BELLUNA(ベルーナ)」:ROAS約5倍
ファッション通販サイト「BELLUNA」を運用するベルーナは、サービスに興味がある方に絞って、友だちを獲得したいと考えていました。そのため、インセンティブの付与なしに友だち追加を促すことができるLINE友だち追加広告を活用し始めました。
具体的な施策では、ターゲティングにおいて、LINE公式アカウントで配信したメッセージをクリックしたことがある友だちなどでオーディエンスを作成し、そのオーディエンスに似ているユーザーにターゲティングする「類似配信」機能を活用しました。
その結果、他の友だち追加施策と比較して、ROASが約5倍という数値が出ました。この結果の要因としては、LINE友だち追加広告では精度の高いターゲティングで「BELLUNA」に興味のあるユーザーにアプローチできたため、友だち追加後のクリックや購買といった反応率が高い傾向にあったことが考えられます。
(参考:※5)
質の高い友だちを獲得する方法
LINE公式アカウントを活用する多くの企業が直面する課題が、友だちの定着率です。友だち追加広告などで友だちを増加させることに成功したものの、その後ブロックするユーザーが増えるなど、獲得した友だちの定着率に悩まされることがあります。そのような状況を回避するには、長期的に残ってくれる質の高いユーザーを、友だちとして獲得していく必要があります。そのための方法を2つ紹介します。
LINE DATA SOLUTION
1つ目に、LINE DATA SOLUTIONの活用です。LINE DATA SOLUTIONは、LINE User IDを軸としたデータ分析環境です。LINE DATA SOLUTIONを活用すると、広告マネージャー上では把握できないデータを確認することができます。具体的には、広告施策で獲得したユーザーの残存率や、残っている友だちがどんな興味・嗜好を持っているかなどを可視化することができます。
そのようなデータからわかった質の高いユーザー層にターゲットを絞り、広告配信を行うことで、質の高い友だちを獲得することができます。
LINE公式アカウントの拡張ツール
2つ目に、LINE公式アカウントの配信・運用・管理をサポートするマーケティングツールの活用です。代表的なものには、「Liny」や「Lステップ」などがあります。このような拡張ツールでは、LINE公式アカウントでは行えない、詳細な友だち情報の管理・分析や流入経路分析が行えます。分析結果をターゲティングなどに利用することで、質の高いユーザー層に広告配信を行うことができます。
(参考:※6)
LINE友だち追加広告の削除方法
LINE友だち追加広告は広告マネージャー上で、以下の手順で削除できます。
1.広告マネージャー上で、削除したい広告を配信している広告アカウントを選択する
2.削除したい広告の一番左端にあるチェックボックをクリックしてチェックを入れる(キャンペーン単位、広告グループ単位でも選択できる)
3.[編集]ボタンの横の逆三角形(▼)をクリックした後、[削除]を選択すれば、削除完了
LINE友だち追加広告活用のコスト
LINE友だち追加広告は、適切なターゲティングやクリエイティブ制作、入札戦略が成果を左右します。しかし、これらの作業を自社で対応する場合、多くの時間と労力が必要です。また、知識や経験が不足していると、効果的な配信ができず予算を無駄にしてしまう可能性もあります。広告代理店に依頼することで、専門家による的確なアプローチを実現し、運用効率を向上させることができます。これにより、時間的な負担を軽減しながら、効果的な成果を追求できます。
LINE広告運用はデジマールにお任せください
デジマールは、LINE広告の戦略設計から運用、効果測定、目標達成までをワンストップでサポートいたします。
デジマールの強みの1つは、広告運用コンサルチームとデザイナーチームの連携です。デジマールには、広告運用コンサルタントに加えてデザイナーも所属しています。
両者の強固な連携により、スピード感をもって高品質のクリエイティブを制作いたします。また、デザイナーもお打ち合わせに参加することができ、クリエイティブの微調整を効率的に実施することができます。
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※6:LINE DATA SOLUTION 「量」よりも「質」へ。いかにして親和性の高い友だちを獲得するか? ——フォルクスワーゲン×電通デジタルの取り組み