皆さんは、「LINEミニアプリ」というWebアプリケーションをご存知ですか?
本記事では「LINEミニアプリとはどういったものか」や「LINE公式アカウントとの違い」・「実際の活用事例」・「導入メリット・デメリット」について詳しく解説します。
また、LINE公式アカウントを最大限活用したい企業様に向けたサポート内容もご紹介します。顧客とのつながりを強化し、業務効率化を図るためのヒントが満載です!
1.そもそもLINEミニアプリとは?
1-2.LINEミニアプリの特徴
※画像はLINEヤフー for businessより引用
LINEミニアプリとは、LINEアプリを通じて企業や店舗のサービスを提供するWebアプリケーションです。
ユーザーが新たにアプリをダウンロードする必要がなく、既に普及しているLINEアプリ内で手軽に利用できる点が特徴です。この仕組みにより、企業は顧客に対して効率的にサービスを提供することが可能となり、業務効率化やコスト削減、顧客体験の向上が期待されます。
現在、LINEミニアプリは飲食店、美容室、小売店をはじめとしたさまざまな業種で導入されています。
例えば、デジタル会員証の発行、モバイルオーダー(店内注文・店外注文)システム、順番待ちシステムなどを向上させるサービスが多数提供されています。
ちなみに似たものとしてネイティブアプリがありますが、これはiOSやAndroidの各プラットフォームにインストールして使用するアプリケーションのことです。
1-3.LINEミニアプリの開発料金
LINEミニアプリの開発は誰でも可能ですが、一般的にはLINEのパートナー企業による開発や提供が行われています。
ネイティブアプリの場合、iOSとAndroidそれぞれで開発が必要なため、多額の開発費用がかかります。
一方、LINEミニアプリはLINEのプラットフォーム上で開発できるため、比較的低コストで運用が可能です。
開発費用は内容の複雑さによって異なり、シンプルな場合は300〜500万円、複雑なものでは500万〜1,500万円が相場とされています。
2.LINELINEミニアプリとLINE公式アカウントの違い
ここでは、「LINE公式アカウントとLINEミニアプリの違い」を解説したいと思います。
2-1. 利用目的
LINEミニアプリとLINE公式アカウントは、それぞれ異なる利用目的を持っています。
LINEミニアプリは、主にユーザーが便利にサービスを利用できる仕組みを提供するためのツールです。例えば、予約受付、デジタル会員証、ポイントカード、キャッシュレス決済、順番待ちシステムなど、実際の店舗やサービスの利便性を高める機能が豊富に備わっています。これにより、ユーザー体験をより快適で効率的なものにすることが可能です。
一方、LINE公式アカウントは、ユーザーとのコミュニケーションに重点を置いたツールです。メッセージ画面を活用して情報発信を行い、キャンペーンの告知やクーポン配布、問い合わせ対応などに適しています。カスタマーサポートを充実させる手段としても効果的であり、企業が顧客とのつながりを深めるための重要な役割を果たします。
また、一部のLINEミニアプリでもメッセージを送ることができますが、メッセージ配信の方法や条件に制約がかかってしまうため、ユーザーとのコミュニケーションを取る場合はLINE公式アカウントの利用がおすすめです。
2-2. ユーザー体験
LINEミニアプリとLINE公式アカウントは、ユーザーが得られる体験にも大きな違いがあります。
LINEミニアプリは、ユーザーが専用のアプリをダウンロードすることなく、ポイントカードの提示や事前予約、順番待ちなど、特定のアクションを手軽に行える仕組みを提供します。
特に、実店舗でのサービス利用時にその利便性が発揮され、スマホ一つで簡単に操作が完結する点がユーザー体験を大幅に向上させます。
一方、LINE公式アカウントでは、ユーザーが友だち登録をすることで、お店やブランドからの情報を受け取ったり、問い合わせをしたりと、双方向のコミュニケーションを楽しむことができます。また、友だち限定のクーポンや特典を配布することで、顧客満足度を高めながらリピーターを増やす効果も期待できます。
2-3. コストパフォーマンス
LINEミニアプリとLINE公式アカウントは、コストパフォーマンスの面でも違いがあります。
LINE公式アカウントは、無料で利用できる0円プランが用意されており、初期費用や運用コストを抑えたい企業にとって非常に魅力的な選択肢です。
一方で、LINEミニアプリはLINE公式アカウントに比べて導入コストが高い傾向にあります。開発費用や初期投資が必要なため、中長期的な視点でROI(投資対効果)を考慮した導入判断が求められます。
2-4. 分析が可能なデータ
LINE公式アカウントとLINEミニアプリは、分析できるデータの種類や深さに大きな違いがあります。
LINE公式アカウントでは、友だち追加数、ブロック数、メッセージの開封率やクリック率といった、全体的なユーザー動向を把握するためのデータが確認できます。これらの指標を活用することで、キャンペーンの効果測定やメッセージ配信の改善ポイントを分析することが可能です。
一方で、LINEミニアプリでは、より具体的なアクションに基づくデータを収集できます。「会員証の提示」「予約」「決済」「クーポンの発券・使用」など、ユーザーが実際にどのようなサービスを利用しているのかを詳細に把握できるため、サービスそのものの改善点を見つけやすいのが特徴です。
また、LINEミニアプリはリアルタイムでデータを取得できるため、得られた情報を基に即座に戦略や施策の調整を行うことも可能です。
2-5.戦略上の役割
LINEミニアプリとLINE公式アカウントは、それぞれ異なる戦略上の役割を持っています。
LINEミニアプリは、来店したユーザーに提供するサービスそのものに直結するツールとして機能します。例えば、店頭での予約管理や順番待ちシステム、キャッシュレス決済などをスムーズに実行することで、ユーザーの利便性を向上させ、顧客満足度を高めます。特に、実店舗における顧客体験を最適化したい企業にとって、LINEミニアプリは欠かせないツールといえます。
一方で、LINE公式アカウントは、情報発信や顧客との定期的な接点の確保を目的としたツールとして活用されます。例えば、ブランド認知度を向上させるためのメッセージ配信や、定期的なクーポンの配布、問い合わせ対応、リッチメニューの設置など、ユーザーとのコミュニケーションを強化する施策が可能です。
また、オンライン予約や購入へのスムーズな誘導を実現する点でも、LINE公式アカウントは効果的に機能します。
2-6. 導入方法の違い
LINE公式アカウントは、専用の管理ツール「LINE Official Account Manager」を通じて簡単に利用を開始することができます。
一方、LINEミニアプリは、システム開発会社が利用できる専用のプラットフォームを用いて開発されるため、一般の方が手軽に作成・導入することは難しい仕組みとなっています。
このプラットフォームを活用することで、作成したWebアプリをLINEアプリ内のブラウザで起動し、LINEユーザーのIDを取得することが可能です。このIDを利用して、各システム開発会社が完全オリジナルのアプリやパッケージ型アプリを提供しています。
そのため、提供される機能やデザインは開発会社ごとに異なり、独自性のあるサービスを実現できるのが特徴です。
3. LINEミニアプリを活用するメリット
LINEミニアプリには以下のようなメリットがあります。
- 自然に友だちが増えるかつ、ブロック率も低い
- ユーザーIDを活用できる
- 登録のハードルが低い
- コストを抑えられる
ここでは、LINEミニアプリを活用するメリットをご紹介します。
3-1.自然に友だちが増えるかつ、ブロック率も低い
LINEミニアプリは、LINE公式アカウントと連携して使用することで、自然に友だちを増やしやすい仕組みを持っています。ミニアプリの利用時、認証画面の上部に「友だち追加ボタン」が自動的にチェック済みで表示されるため、アプリを許可するだけで友だちに追加される流れになります。この手順がユーザーにとってシンプルで違和感がないため、友だちを増やす大きな助けとなります。
例えば、「LINEアプリで表示できる会員カードを作りました」といった案内を通じて、店舗のお客様にミニアプリを利用してもらうと、利用の過程で自然と友だちになってもらえる仕組みです。さらに、ユーザーは「会員登録をする」という目的を持って利用を開始しているため、不要な情報と感じにくく、結果的にブロック率が低く抑えられる傾向があります。
実際、一般的なLINE公式アカウントではブロック率が30〜50%に達することもありますが、LINEミニアプリと連携した場合は、数%程度という低いブロック率を実現した事例も報告されています
3-2.ユーザーIDを活用できる
LINEミニアプリの特徴の一つは、ユーザーIDを活用して、より精度の高い分析やマーケティング施策が可能になる点です。LINEミニアプリでは、デジタル会員証やポイントカードの作成を通じて、ユーザーの属性情報やミニアプリ内での行動データを収集できます。
さらに、POSシステムと連携することで、購買履歴やユーザー属性を紐づけることが可能です。この連携により、来店頻度や購入傾向といった具体的なデータを一元管理できるようになります。これらのデータは、ユーザーごとに個別に確認できるため、ターゲット層に対する理解を深めるのに役立ちます。
例えば、購買意欲が高いユーザーをセグメント化し、LINE公式アカウントを通じて特定のクーポンやプロモーションを配信するといった、きめ細かなマーケティング戦略が可能です。このように、LINEミニアプリは、単なるサービス提供ツールにとどまらず、データを活用した効率的なマーケティング施策を実現するための強力な基盤を提供します。
3-3.登録のハードルが低い
LINEミニアプリは、新たなアプリのダウンロードや煩雑な会員登録が不要なため、ユーザーが気軽に利用を始められる点が大きな魅力です。LINEユーザーであれば、店頭やウェブ上で提示されたQRコードを読み取った後、簡単な初回認証を行うだけでスムーズにサービスを受けられます。この仕組みにより、登録のハードルが大幅に下がり、企業は効率的にユーザーへリーチできるようになります。
例えば、店舗にQRコードを記載したPOPを設置し、「こちらで会員登録ができます」と案内するだけで、ユーザーに簡単に登録してもらえます。これにより、店舗スタッフの負担を軽減しながら、効率的に会員を増やすことが可能です。
3-4.コストを抑えられる
LINEミニアプリは、各社が提供するパッケージ化されたサービスを活用することで、開発費用や運用の手間を大幅に抑えられるのが特徴です。自社開発も可能ですが、既存のパッケージを利用することで、短期間かつ低コストで導入できる点が大きなメリットです。
パッケージ型のサービスは、基本的な機能があらかじめ構築されているため、自社名やメニューなど必要な情報を入力するだけで、特別なプログラミングスキルがなくても利用可能です。このため、システム開発に慣れていない企業でも簡単に導入でき、運用までの負担を軽減します。
さらに、LINEの既存プラットフォームを活用するため、ネイティブアプリ開発のように複数のOS(iOSやAndroid)に対応する開発が不要です。
4. LINEミニアプリを活用するデメリット
LINEミニアプリには多くのメリットがある一方で、導入前に考慮すべき以下のデメリットもいくつか存在します。
- LINE上で利用しなければならない
- オリジナル開発が難しい
- LINE公式アカウントの従量課金が必要な場合がある
ここでは、LINEミニアプリを活用するデメリットをご紹介します。
4-1.LINE上で利用しなければならない
LINEミニアプリは、LINEアプリ内で動作することを前提としているため、利用できるプラットフォームがLINEに限定されます。そのため、LINEを使用していないユーザーにはアプローチできず、ターゲットとなるユーザー層がLINEの利用者に限られる点がデメリットです。
また、利用にはLINEアプリのダウンロードが必須であり、LINEを普段使用していないユーザーにとっては新たにアプリをインストールする手間が生じる場合もあります。
4-2.オリジナル開発が難しい
LINEミニアプリは、LINEのプラットフォーム上で動作する仕様が決まっているため、完全に自由なオリジナル開発を行うことが難しい場合があります。特に、他のアプリや外部システムとの高度な連携や、独自のデザイン・機能を持たせたい場合には、LINEミニアプリでは対応できないことがあります。
また、プラットフォームの制約により、カスタマイズには専門的な技術やノウハウが必要です。そのため、企業のニーズに合わせて完全に独自仕様で開発したい場合には、LINEミニアプリが適さないケースも考えられます。
4-3.LINE公式アカウントの従量課金が必要な場合がある
LINEミニアプリを運用する場合、基本的にはLINE公式アカウントと連携する必要がありますが、公式アカウントの運用に従量課金が発生する場合があります。特に、メッセージ配信数が多い場合には、その分コストが増加するため、運用コストが想定以上に膨らむ可能性があります。
例えば、ミニアプリを利用したユーザーにリマインダーやプロモーションメッセージを配信すると、配信数に応じて料金が発生します。そのため、大量のメッセージを配信する施策を実施する際には、運用予算を十分に考慮する必要があります。
5.LINE公式アカウントとの併用も重要!
LINEミニアプリは、便利で多機能なサービスを提供できる一方で、基本的にメッセージ配信機能を備えていません。そのため、顧客とのやり取りや継続的なコミュニケーションを図るには、LINE公式アカウントとの併用が不可欠です。
例えば、LINEミニアプリを利用して新規顧客にデジタル会員証や予約サービスを提供し、その後、LINE公式アカウントを通じてキャンペーンの案内やリマインダーを送信することで、顧客とのつながりを維持することができます。この仕組みにより、LINEミニアプリが主に顧客体験の利便性を向上させる役割を担い、LINE公式アカウントが顧客との継続的なコミュニケーションを支える役割を果たします。
また、LINE公式アカウントでは、友だち追加者全体に対する一斉配信だけでなく、個別のセグメントに応じたメッセージ配信も可能です。これにより、顧客の嗜好や購買履歴に基づいたパーソナライズされた情報提供ができ、マーケティング施策の精度が向上します。
このように、LINEミニアプリとLINE公式アカウントを連携させることで、それぞれの特性を活かし、効果的に顧客との関係を築くことができます。両者の併用は、企業や店舗が顧客基盤を強化し、長期的な利益を確保するための重要な戦略といえるでしょう。
6.LINEミニアプリの活用事例4選
ここでは、LINEミニアプリを活用した事例を4つご紹介したいと思いますので、同業者の方はぜひ参考にしてください。
6-1.①ディスカウントストアでの事例
ディスカウントストアAでは、LINEミニアプリを活用し、会員証のデジタル化を実現する取り組みを行っています。
この施策では、LINE公式アカウントとLINEミニアプリを連携させ、リッチメニュー内に「会員証を表示する」ボタンを設置。顧客がワンクリックでLINEミニアプリに遷移し、デジタル会員証を簡単に利用できる仕組みを構築しました。
また、デジタル会員証を通じて、「いつ、どこで、何を購入したか」といった消費行動データを収集し、顧客分析やマーケティング施策に活用しています。これにより、リピーターの育成や顧客満足度の向上を実現し、店舗の運営効率を高めています。
この導入により、LINE公式アカウントの既存機能が拡張され、ユーザーに便利でスムーズな体験を提供できるようになりました。店頭での利用が簡単なため、消費者にとっても負担が少なく、再来店の促進につながる点が大きなメリットです。
6-2.②飲食店での事例
飲食店Aでは、LINEミニアプリを活用して、値下げ以外の新しいキャンペーンを定期的に実施しています。
具体的には、LINEミニアプリを利用したデジタル会員証を導入し、顧客に特典を提供しながら会員登録を促進する取り組みを行っています。この施策では、LINE公式アカウントと連携し、リッチメッセージを活用してキャンペーン情報を配信。顧客が簡単にLINEミニアプリへアクセスできる仕組みを構築しました。
キャンペーンの仕組みとしては、顧客が会員証を会計時に提示することで、累計2,000円の購入ごとに抽選の権利が付与される形式を採用しています。抽選に当選すると、デジタル食事券が提供され、次回の来店を促進する効果が期待されています。
6-3.③ドラッグストアでの事例
ドラッグストアAでは、LINEミニアプリを活用して、来店前に処方箋を送信できるシステムを導入しています。リッチメニュー内に「処方箋送信」ボタンを設置し、ユーザーがクリックするだけでLINEミニアプリに遷移。調剤済みの薬の登録や処方箋の送信が簡単に行える仕組みを構築しました。この施策により、来店時の対応がスピーディかつ効率的になり、顧客にとって利便性の高いサービスを提供しています。
さらに、この仕組みは薬局での待ち時間を削減するだけでなく、セルフメディケーションの促進にもつながっています。処方箋送信の利便性を高めることで、顧客満足度を向上させるだけでなく、医薬品の購入率や店舗利用率の向上にも寄与しています。
また、LINEミニアプリとLINE公式アカウントを連携することで、処方箋送信だけでなく、薬のリマインダーや健康情報の配信といった付加価値を提供。顧客との接点を増やし、長期的な信頼関係の構築にも成功しています。
6-4.④食品メーカーでの事例
食品メーカーAでは、LINEミニアプリを活用して、公式アカウントでは伝えきれない情報や特別なコンテンツを提供する施策を行っています。
LINEミニアプリを通じて、キャンペーン情報やおたよりの配信を行うだけでなく、アンケート回答者にオリジナル壁紙をプレゼントする企画を毎月実施。ユーザーが楽しみながら参加できる工夫を取り入れることで、エンゲージメントを高めています。
LINEミニアプリは、新たにアプリをダウンロードする必要がないため、利用ハードルが低く、多くのユーザーに利用されています。この利便性を活かし、食品メーカーAはミニアプリ内でアンケートやマイページ機能を活用し、ユーザーとの接点を強化。ブランド独自の情報や特典を提供することで、ファンの満足度向上とリピート利用の促進につなげています。
7. LINE公式ミニアプリのサポートならデジマール株式会社
LINEミニアプリは、顧客基盤を強化し、効率的なサービス提供を可能にする強力なツールですが、その導入や運用に関して課題を感じる企業も少なくありません。例えば、専門的な知識が必要なため自社での開発が難しい、運用に手間がかかる、成果を出すための具体的な施策がわからないといった悩みが挙げられます。
デジマール株式会社では、こうした課題を解決し、LINEミニアプリやLINE公式アカウントを最大限に活用するためのトータルサポートを提供しています。
1.導入サポート:
LINEミニアプリやLINE公式アカウントの初期設定から運用開始までをスムーズに進められるよう支援。専門知識がなくても導入できる環境を整えます。
2.運用改善:
LINE公式アカウントやミニアプリで収集したデータを基に、クリック率やコンバージョン率向上を目指した改善提案を実施。配信内容やタイミングの最適化を図り、成果を最大化します。
3.効率化の支援:
レポート作成やデータエクスポート、新機能の導入支援を行い、運用の負担を軽減します。
LINEミニアプリの導入が難しい、運用方法に悩んでいる企業様は、ぜひデジマール株式会社にご相談ください。専門的なサポートを通じて、LINEを活用した効果的な顧客基盤の強化と長期的な利益の確保をお手伝いします。