概念スキーマとは?

概念スキーマ(Conceptual Schema)は、情報システムやデータベースの設計において、そのシステムやデータベースが取り扱う情報のタイプや、それらの間の関係を抽象的かつ総合的に表したものです。これにより、システム全体の理解や、要件定義、設計などを助けます。具体的な技術的詳細(例えば、どのようにデータが格納されるかなど)は含まれていません。

概念スキーマは、データベース設計の初期段階で用いられ、ビジネス要件や規則を理解し、それをどのようにデータとして表現するかを定義します。このスキーマは通常、エンティティ-リレーションシップ図(ER図)などの視覚的な表現を通じて作成されます。

例えば、ビジネスの現場で新しいCRM(顧客関係管理)システムを設計する際には、顧客(Customer)、製品(Product)、注文(Order)などのエンティティと、それらのエンティティ間のリレーションシップを定義するために概念スキーマが用いられます。それにより、CRMシステムがどのようなデータを扱い、それらがどのように関連しているかを明確にし、全体の設計を進める基盤となります。

また、概念スキーマは、組織内の様々なステークホルダー間で共通の理解を形成するのにも役立ちます。テクニカルな背景を持たないビジネスのステークホルダーも、このスキーマを通じてシステムの全体像を理解することができます。