LPO(ランディングページ最適化)とは
LPOとは、「Landing Page Optimization」の略です。その内容は多岐にわたりますが、LP内のコンテンツとデザインの改善によって、CVRの改善を目指す一連の取り組みと考えることができます。
また、LPからコンバージョンまでをつなぐエントリーフォームの改善のことは「Entry Form Optimization」(EFO)といい、LPOと合わせて押さえておきたい概念です。
効果的にLPOを進めるための手順
LPOの主な手順は、仮説、検証、実行の3つです。これらを詳細に見てみましょう。
仮説:LPOで改善したい課題を明確にする
ここでいう仮説とは、現状のLPに関する課題が抱える課題について、様々なデータや情報から、その要因と解決方法を筋道立てて構築する法ことを言います。
例えば直帰率が高いのであれば、直帰率を改善するようなアイデアを考えたり、調べたりしながら施策を練ります。このとき取り上げる課題は、数値で測定可能で、シンプルなものが望まれます。
「なんとなくデザインが悪い」という課題は数値で改善が見えませんし、「直帰率が高くてCTAのクリック率が低い」という課題だと、施策をいくつも実行しなければならず、施策ごとの検証が難しくなってしまいます。
検証:A/Bテストを行う
課題を見つけ施策を考えたら、検証を行います。既存のLP(A)と、仮説をもとにコンテンツやデザインを変更したLP(B)を、訪問者ごとに振り分けて見せる「A/Bテスト」という手法を使うことが一般的です。
A/BテストにはGoogle Optimizeなどテストツールを使います。
A/Bテストは、十分なサンプル数を必要とします。例えば分母が100人の場合では、1人の行動が1%を占めるので、その1人が特異な動きをするだけでテスト結果に大きな影響を与えてしまうためです。
また、テストページは読み込みに時間がかかるといわれており、LPとしての成果が平均的に低くなる傾向があります。そのため既存LPとテストLPの成果が同じ場合、テストLPの方が実際のパフォーマンスは高い可能性があります。
既存LP同士をテストするA/Aテストを行えば、テストを実施するだけでパフォーマンスがどれくらい低下するのかを測ることができます。
実行:LPに施策を反映する
A/Bテストでテストページが仮説における課題の解決に貢献していると判断できた場合には、LPに施策を反映します。この判断は早ければ早いほどいいというわけではありません。長期的に成果を出せると判断できた場合のみ実行する決断をし、もし成果が曖昧な場合は次なる仮説を立てて検証していくことが得策です。
LPOを進める時に役に立つテクニック
競合のLPを参考にする
LPOの仮説を立てる際に、競合がどのようなコンテンツやデザインをLPに採用しているのか研究をすることは有効です。広告の掲載順位を決定する際の指標の一つに、LPの利便性があるため、特に検索で上位を占める企業のLPは必ず確認して、自社LPとの差分を見極めることが効果的です。
ユーザーの検索語句を参考にする
こちらも仮説を立てる際に参考にできるデータです。Google広告のヘルプでは、「ランディングページの利便性」について、「広告をクリックしてサイトを訪れたユーザーが目的の情報をどの程度簡単に見つけられるかを示す Google 広告の指標」と紹介されています。
ユーザーの求める情報は検索語句に表れるので、検索語句の傾向を調べてLPに反映させることで、滞在時間を長くし、CVRを改善することが期待できます。
効果がすぐ出るポイント4選
ファーストビューの変更
ファーストビューとは、ページの最上部、遷移して最初に表示される部分のことです。ファーストビューは自社商品に関する情報と購入画面やエントリーフォームにつながるCTA(Call To Action)で構成されています。
この自社商品の情報は、前述したように流入してくるユーザーの検索語句に寄り添った内容が求められます。また、ファーストビューのCTAに関しては、資料請求や電話相談など、ユーザーがそのページに流入して最初にしたい行動を考えてその文言を考える必要があります。
CTAの最適化
CTAはユーザーを特定の行動に導くための遷移ボタンと言えます。CTAのデザインやエフェクト、CTA内の文言(マイクロコピー)をABテストすることで、ユーザーの目を惹くCTAを見つけ出すことができます。
この施策により、CTAのクリック率向上が見込めます。他にも固定バナーの設置やCTAの数など様々な変数が考えられます。CTAの最適化は、内容の大幅な変更が必要ないため、始めやすい施策といえます。
エントリーフォームの見直し
エントリーフォームの改善のことは「Entry Form Optimization」(EFO)といいます。フォームは入力しやすいか、必須項目が多すぎないか、入力エラーが分かりやすいか、何ページ入力すればいいのかは明確かなど、使用感を実際に試しながら仮説を立てるといいでしょう。
最近では、LPにエントリーフォームを表示することでページ遷移のストレスを減らすようなLPも見受けられます。
ページスピードの改善
Google広告のヘルプでは、「ランディングページの利便性」の改善手順として「ランディング ページの読み込み時間を短縮する」ことを挙げています。
Googleのレポートでは、「読み込み時間を0.1秒短縮すると、コンバージョン率の8%アップが期待できる。」との報告も挙がっています。ページの読み込み速度は無料ツールのPageSpeed Insights等で確認ができます。