データベースマーケティングとは?

データベースマーケティングとは、マーケティング手法の一種です。

データベースに収集した顧客に関するさまざまな情報を、年齢や性別、家族構成、過去の購入履歴や興味・関心などに区分して分析し、さらに顧客に合わせて最適なアプローチを取ることで、販売促進効果を高めることを目指します。販売促進活動においては、年齢や性別など、さまざまな要素が異なる顧客に一様な売り方をしても高い効果は期待できません。

 

たとえば、ベビー用品を独身の若い男性にアピールしても、興味を持たれないのは明らかでしょう。同じように、すでにリタイアしている人にビジネス用品を売り込んでも、効果は期待できません。

そこで、顧客情報を分析して、売りたい商品に本当に興味を持っている人をあぶり出し、ピンポイントで売り込むことが重要になります。その方法がデータベースマーケティングであり、広告費などに余計なコストをかけずとも、効率よく販売促進活動ができるということで注目されています。

データベースマーケティングでは、顧客のさまざまな情報をデータベース化して、顧客ごとの特性を詳細に把握します。そして、顧客が求めているものを正確に分析し、販売促進活動に活用するという具合です。

顧客の事情を顧みないやみくもな売り込みでは自社へのマイナスイメージが募るだけですが、このように本当に興味を抱いてもらいそうな商品のみを売り込むことで、売上を高めるだけでなく、自社への信頼まで高めることができるのです。

それには、顧客が何について悩んでいるのか、それを解消するにはどんな商品が適切かを分析し、的確におすすめすることが大切です。これも、データ分析を使ったターゲティングで可能になります。

 

CRMとの違い

CRM(Customer Relationship Management)は顧客との会社の関係を整理しマネジメントするマーケティング手法であり、顧客一人一人の満足度を上げていくアプローチです。CRMは前述した通り、顧客一人一人の情報をもとにそれぞれの顧客にアプローチを考える一方で、取得したデータを総合的に分析し傾向を割りだすのがデータベースマーケティングです。

例えば、年始になると毎年家電を購入しているAさんに対して年始に64インチの大型TVを提案することはCRMの手法でしょう。反対にそういうデータが蓄積され、「年始になると家電の売り上げが伸びる傾向にある」という傾向が分析され、マーケティング活動に組み込むことをデータベースマーケティングと言います。

データベースマーケティングの活用事例

データベースマーケティングを上手に活用している企業に、DVDレンタルなどで全国的に知られるT社があります。同社は独自のポイントシステムで有名ですが、そのシステムを活用した、顧客に関する膨大なデータベースを有しています。

また、同社では顧客向けにアプリを提供しており、顧客は利用店舗の登録や在庫検索などができるようになっています。顧客の行動によって販売促進活動の効果を詳細に分析し、マーケティングの精度をさらに高めているのです。

まとめ

情報解析の技術の進歩は非常に急速で、今では少し前には不可能だったほどの膨大な情報を簡単に分析できるようになりました。

顧客に満足をもたらすとともに、企業も利益を効率的に上げることのできるデータベースマーケティングは、さらに進化しつつ、今後もさまざまな効果をもたらすでしょう。