フリーミアムとは?
フリーミアムとは、「フリー」と「プレミアム」という二つの言葉を組み合わせた造語です。アメリカのベンチャー投資家によって発案され、2009年ごろから話題になりました。
フリーミアムは、基本料金を無料として、追加料金を支払うことで、機能を追加できたりサービスを継続して利用できたりするようなサービスによく用いられています。ウェブ上で提供されるソフトウェアやコンテンツなど、提供するためのコストが無料に近いサービスで採用されるビジネスモデルです。現在、流通しているスマホアプリの9割以上がフリーミアムだと言われています。
フリーミアムを導入することで、リードナーチャリング(見込み客の育成)を自然な形で進められます。サービスを利用し続けるうちに、無料で利用できるサービスに限界を感じたユーザーは、そのサービスの恩恵をフルに享受するために、有料プランに移行することを検討します。ユーザーが自分でサービスの情報を集められるようになるため、営業担当者がやり取りする必要がありません。
サービスの利用範囲を適切に設定することで、ユーザーに過度なストレスを感じさせずに有料プランへの移行を促すことが可能です。ここで大切なのが、無料では利用できない機能やサービスが多すぎると、ユーザーが価値を感じる前に離脱してしまうリスクです。
そうならないように、利用できるサービスの制限を適切なバランスで設定し、ユーザーがお金を払ってでもサービスを利用し続けたいと自然と思わせる必要があります。それには、ユーザーニーズを熟知して、自社のサービスにどんな価値が求められているかを正しく認識しておくことが重要です。
フリーミアムとコンテンツマーケティングの考え方
フリーミアムはコンテンツマーケティングの考え方が軸になっています。コンテンツマーケティングとは「コンテンツを一部無償で提供・発信し見込み客を獲得する」というマーケティング手法です。このコンテンツマーケティングの考え方はSEOにも取り入れられています。重要なのはどういったコンテンツなのかを顧客に知ってもらうことです。例えばU-Next やHulu等映像サブスクは無料トライアルを実施しています。一見企業側にとって何の利益をもたらなさそうな無料トライアルですが、「ユーザーにこのサービスがどういったコンテンツであるのかを認識させ継続的な利用ユーザーに育ていく」というコンテンツマーケティングを行っているのです。
フリーミアムの活用事例
ビジネス用のチャットツールには、フリーミアムモデルを採用したサービスが多く存在します。無料でも基本的な機能は利用できるものの、たとえば、利用できるグループチャットの数に上限があるなど、いくつかの制限を設けているのが特徴です。
それでいて、無料では使いづらいと感じさせるほどではなく、無料のままでも十分実用に耐えるだけの機能を提供しています。そうやってユーザーに無料のまま長期間利用してもらい、活用範囲が広がった頃に自然と有料プランに移行してもらうという狙いです。
まとめ
フリーミアムは、知名度の低いサービスでも多くのユーザーに触れてもらえるビジネスモデルです。ただ、有料プランに移行してもらうには、無料で利用できる範囲でしっかり価値を提供できなければなりません。どのように有料プランのメリットをアピールできるかも鍵となるでしょう。