AIDMA(アイドマ)とは?

Attention(注意)Interest(関心Desire(欲求)Memory(記憶)Action(行動)のそれぞれの頭文字をとった、消費者の購買プロセスをモデル化したフレームワーク※です。

マーケティング担当者は、これを理解することで各プロセスにおけるアプローチ方法を検討しやすくなります。

※フレームワーク(framework)とは、物事を考えるための「枠組み」という意味で使われます。

それでは、各段階ごとに見ていきましょう。

AIDMA

認知段階

Attention(注意)

このフェーズでは、消費者はその商品・サービスの存在を知りません。もっぱらその認知向上に注力すべきです。

認知向上のためには、効果的な広告戦略が必要です。広告は、消費者にサービスの存在を印象付けるだけでなく、興味や関心を引き出すべきです。そのためには、ターゲット市場のニーズや欲求に合わせたメッセージやデザインを工夫することが重要です。

例えば、新しいコンタクトレンズを発売する場合、それがどんな特徴やメリットを持つかを明確に伝えることはもちろんのこと、視力に悩む人やファッションに敏感な人など、様々な層にアピールする方法を考える必要があります。また、広告媒体の選択も重要です。テレビや雑誌、ネットなど、ターゲット市場がよく利用する媒体を探して、効率的に露出することが望ましいです。

Attention(注意)段階は、消費者との最初の接点です。ここで印象的な広告を展開することで、消費者の記憶に残り、次の段階に進む可能性を高めることができます。

感情段階

感情段階とは、AIDMAのモデルの中で、消費者が商品やサービスに対して感じる感情の変化を表す段階です。感情段階には、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)の3つのフェーズがあります。それぞれのフェーズで消費者の心理や行動がどのように変化するか、そしてマーケティングのアプローチはどのようにすべきかを見ていきましょう。

Interest(関心)

Interest(関心)の段階では、消費者は商品やサービスの存在は知っているものの、まだ魅力を感じていません。この段階での消費者の心理は、「知ってるけど魅力を感じない」というものです。この段階でのマーケティングの目的は、消費者に商品やサービスの価値や利点を伝えて、評価を高めることです。そのためには、自社の商品やサービスを見直して、消費者のニーズに合わせた差別化や改善を行う必要があります。また、消費者にとって魅力的なメッセージやコンテンツを提供して、興味を引くことも重要です。

Desire(欲求)

Desire(欲求)の段階では、消費者は商品やサービスに対して魅力を感じるようになりますが、まだ購入に至るまでの意思は強くありません。この段階での消費者の心理は、「魅力は感じるが、買おうとまでは思わない」というものです。この段階でのマーケティングの目的は、消費者に商品やサービスのニーズを喚起させて、購入意欲を高めることです。そのためには、消費者が商品やサービスの全てを把握できていない部分をアピールして、欲しいと思わせることが必要です。例えば、商品やサービスの性能や機能、品質や安全性、口コミや評判、特典やキャンペーンなどを効果的に伝えることができます。

Memory(記憶)

Memory(記憶)の段階では、消費者は商品やサービスに対して購入意欲を持つようになりますが、他の商品やサービスとの比較や時間の経過などによって、その意欲が薄れてしまうことがあります。この段階での消費者の心理は、「買おうと思ったけど、忘れてた」というものです。この段階でのマーケティングの目的は、消費者に商品やサービスの存在を思い出させて、購入に導くことです。そのためには、消費者に対して定期的にリマインドやフォローアップを行うことが必要です。例えば、メールやSNSなどのオンラインツールを使って、商品やサービスの魅力やメリット、購入のきっかけやベネフィットなどを伝えることができます。

行動段階

行動段階では、消費者は商品やサービスに対して購入する決意を持つようになります。この段階では、消費者が実際に購入するまでの機会や方法が不十分なことがあります。マーケティングの目的は、消費者に購入する場を設けてあげることです。

Action(行動)

Action(行動)の段階では、消費者のライフスタイルや行動パターンに合わせて、多様なチャネルやタッチポイントを提供することが必要です。例えば、ECサイトやアプリ、SNSなどのオンラインツールや、店舗や電話、カタログなどのオフラインの手段を使って、商品やサービスの購入を促すことができます。また、消費者の購入行動を妨げる要因を取り除くことも重要です。例えば、送料や手数料、在庫状況や納期、返品や交換、保証やサポートなどの情報を明確に伝えることで、消費者の不安や疑問を解消することができます。

AIDMAの事例:ハズキルーペ

ハズキルーペのマーケティング戦略は、AIDMAモデルを見事に体現しています。消費者の心理を巧みに捉え、製品への興味を段階的に深めていく手法は、マーケターにとって参考になるものでしょう。AIDMAモデルの各フェーズで、以下のように展開したと思われます。

Attention(注目)

ハズキルーペ のキャンペーンでは、目を引くテレビCMや鮮やかな広告を通じて消費者の注目を集めます。特に、独特のスタイリッシュなデザインや耐久性を強調することで、顧客の視線を惹きつけています。

Interest(関心)

製品の特徴やメリットを明確に伝えることで消費者の関心を喚起します。例えば、ハズキルーペは「上に座っても壊れないくらい丈夫」「ブルーライトがカットされる」「長時間掛けていても目が疲れない」といった特性を強調し、消費者が関心を持つように設計されています。

Desire(欲望)

ハズキルーペのCMでは、使用前と使用後の視界の違いを効果的に示し、視聴者が製品を使用したいという欲望を持つように仕向けています。出演者の感情豊かな演技も、この段階での欲望を刺激します。

Memory(記憶)

ハズキルーペは、長期にわたるテレビCMや電車内広告、街頭ポスターなどを通じて、消費者の記憶に製品を刻み込みます。これにより、消費者が「欲しい」と思った時点から実際に購入するまでの間、製品を忘れずにいられるようにします。

Action(行動)

購入の際の最後の障壁を取り除くために、ハズキルーペでは返品・返金保証などの安心策を提示します。これにより、消費者が製品購入という具体的な行動に移しやすくなります。
このように、ハズキルーペのマーケティングキャンペーンは、AIDMAモデルの各段階を効果的に活用して、消費者の購入プロセスを効率的に進めています。この戦略は、消費者が製品に対して関心を持ち、欲求を感じ、記憶に残り、最終的に行動に移すというプロセスを見事に描いています

まとめ

AIDMAモデルの適用により、消費者の心理状態に合わせた的確なマーケティング戦略を策定できます。特に新商品の発売前にこのモデルを利用すると、顕著な効果が期待できますが、知名度が低い商品やサービス、既に販売が開始されているものに対しても効果を発揮します。検討中のマーケティング活動において、どの段階の消費者をターゲットにしているかを意識することが重要です。さらに、デジタルマーケティングエージェンシーのデジマールでは、このようなフレームワークを活用したマーケティング戦略の策定もサポートしています。ご興味のある方は、ぜひこちらからお問い合わせください。