コホート分析とは
コホート分析の意味
コーホート分析とは、ある集団ごとのデータを分析する手法です。
「コホート」という言葉は人口学上の言葉であり、ある時代で共通の属性を持つ集団という意味を持っています。
コーホートと呼ばれる場合もありますが、しばしばコホートと呼ばれています。
例えば、団塊の世代という言葉を聞いたことがあると思います。こういった属性ごとの分類がコホートにあたります。
基本的に「コホート」自体の意味は同じですが、人口学上のコホート分析とWebマーケテイングで用いられるコホート分析の言葉は指していることが少し異なっており注意が必要です。
人口学でのコホート分析での3つの視点
人口学におけるコーホート分析では、人は同世代で似たような経験をするため行動や価値観が似ていると捉えられています。
- 時代の変化による「時代効果」
- 年齢を重ねることによる「年齢効果」
- 生まれてから成長する際の環境による「コホート効果」
という3つの視点から分析を行います。
時代効果は、生まれてきた時代背景や社会環境による影響を考慮したものです。例えば、スマートフォンの発達に伴ってほとんどの人がスマートフォンを持つようになったという点が挙げられます。
年齢効果は、ライフステージの変化によって変わるものです。例えば、年齢と共にニーズが高くなる医療費や医療機関系のサービスが該当します。
コーホート効果は、時代の変化とその時の年齢が複合したものになっています。
例えば、デジタルネイティブとして生まれた頃からインターネットが発達していた世代や、団塊ジュニアといった、同じ時期に生まれ近い社会要因を経験した集団のことを指しています。
Webマーケティングでのコホート分析の活用
そして、Webマーケティングにおけるコホート分析について説明します。
Webマーケティングでは「時代効果」などでコホートを分類するのではなく、Webサイトの「訪問日時、時間」などのコーホートから分類します。
つまり、Webマーケティングでは、
【ユーザーをグループごとに分類し、その行動や定着率を分析する】というものがコホート分析です。
ECサイトや、ホームページへの集客においてユーザーの属性や行動に合わせた施策は非常に重要になっています。
例えば、下の図では2021年1月28日にセッションしたユーザーをコホート化し、ウェブサイトに何%が再訪したかについて分析しています。
最初のセッション日から1日目、2日目、3日目と続くごとに再訪したユーザーの割合は下がっています。
コホート分析で最も重要すべきはユーザーの維持率です。
ユーザーの維持率が高いということは、ユーザーがウェブサイトのコンテンツに満足しているということであり、
ユーザーのコンバージョン率が必然的に高まります。
このようなコホート分析はGoogleアナリティクスといったアクセス解析ツールで確認することが出来ます。
Googleアナリティクスでのコホート分析の使い方についてはこちらのページからご確認ください。
Google Support|アナリティクスヘルプ – コホート分析
ECサイトでの事例
アパレルECサイトのコホート分析を例にしてみましょう。
日付 | ユーザー数 | 0日目 | 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 |
2021/5/1 | 2,503 | 100% | 37.5% | 23.5% | 14.2% | 2.1% |
2021/5/2 | 2,309 | 100% | 39.2% | 18.6% | 12.2% | |
2021/5/5 | 3,001 | 100% | 29.7% | 19.6% | ||
2021/5/4 | 2,889 | 100% | 25.8% |
最初のセッション日から1日目で、およそ60%以上の人が離脱していることが分かります。
つまり、新規ユーザーが固定できていないということが分かります。
新規ユーザーのリピート率を上げるには、
サービスの充実や接触チャネルを増やすことが考えられます。
サービスの充実では送料無料にするなどであり、接触チャネルを増やすことはDMを送るなどです。
このように、コホート分析ではユーザーが離脱するタイミングを知り、離脱するタイミングに合わせて施策を行うことで、新規ユーザーのウェブサイト再訪率を増やすことができます。
まとめ
コホートは、ある集団の行動のデータを分析する手法です。
人口学においては世代別などのコホートに分けることですが、Webマーケティングではグループごとに分類したユーザーの行動や定着率を知ることです。
ユーザーの行動に合わせて施策を行うことで、新規ユーザーのウェブサイト再訪率を増やし、より多くのコンバージョンを獲得することにつながります。