「As is」と「To be」とは
概要
As isとは現状のこと、To beとは理想の状態を示し、現状と理想とのギャップを作り出している問題点を分析する際に使われる基本的な理論概念です。
この概念を使うことで、
現状を客観的に理解するとともに、理想とのギャップを作り出している問題点や課題を洗い出し、課題に向けてどのようなアクションを取ればよいのか
という解決策を見つけることができます。
「As is」と「To be」の考え方の手順
「As is」と「To be」の考え方を活用する際には、まず最初にTo be(理想)を描きましょう。
例えば、会社のTo beについて考えるならば、
従業員が100人ぐらいいるとか、売り上げがどのぐらいあるとか、土日しっかり休めてオンとオフのメリハリをつけられるなど、理想形は複数ある事でしょう。
それぞれの理想形に対してAs is(現実)を掘り下げる必要はありません。そのため、まずは複数の理想をリストアップした上で、複数の現状を書き出していきましょう。
理想と現実をどちらもリストアップしたら、ギャップを作り出している原因や理由をかき出します。
その際には、他の分析方法を活用しながら、できるだけMECEな抽出をするのがポイントです。
MECEについてはこちらからご確認ください。
「As is」と「To be」の活用事例(高速道路)
「As is」と「To be」の活用事例の一つに、道路の制限速度変更があります。
例えば、現状は100km/hが制限速度と設定されている高速道路を、輸送力アップを目的として制限速度を120km/hにするべきだという提案があったとしましょう。
As isは制限速度100km/hで、To beは120km/hとなります。
このギャップには、ただの数字の違いだけではなく、複数の要素や背景があります。
まず、As isの理由としては、
「交通事故を防止する」
という安全面の理由が挙げられます。
そして、To beの理由には、
「自動車の安全性能や品質が高まったというものや、制限速度を上げることで輸送力が高まる」
などが考えられます。
突き詰めると、現状が限界なのか、それとも向上の余地があるのか、という論点になるでしょう。
「As is」と「To be」の考え方で分析をする事で、自動車の性能や道路事情なども踏まえた論議を行いやすくなります。
まとめ
「As is」と「To be」とは、理想と現状のギャップを作り出す原因や背景を洗い出し、解決に向けてのアクションを決めたり対策方法を決める際に役立ちます。
要素を書き出す際には、できるだけ理想と現状を比較しながら、簡潔に分かりやすく書き出すことで、問題点や解決法が見えやすくなるでしょう。