MECE(ミーシー)とは
「モレなく、ダブりなし」の考え方
MECE(ミーシー)とは、”Mutually Exclusive but Collectively Exhaustive”(モレなく、ダブりなし)の頭文字をとった言葉です。
ロジカルシンキングにおいて重複することなく、漏れもなく要素をリストアップするための考え方です。
MECEはロジカルシンキングの基本であり、ある部分が抜けていないか、重複していないかを考えることで
ロジカルシンキングに矛盾が起きることを防ぐことが出来ます。
MECEの重要性
問題点や要素を漏れることなく重複することもなく、つまりMECEに抽出することは、ロジカルシンキングやビジネスでの分析だけでなく日常の考え方においても大切な作業となります。
上述したように、MECEはロジカルシンキングの基本です。
ロジカルシンキングにおいては、物事を筋道立てて「XXだからXXとなる」のように考えた上で、結論を導き出します。
その過程において、さまざまな問題点や課題をピックアップし、それに対して一つずつ整理しながら把握し、分析した上で評価する作業が必要です。
つまり、ピックアップする要素や項目がMECEでなければ、正しい結論を導き出せなくなってしまいます。
そのため、それぞれの要素を分解して、要素がMECEかどうかを考える必要があるのです。
MECEではない3つの状態
MECEではない状態は3つあります。それぞれ確認していきましょう.
はじめに、「モレなし、ダブりあり」の状態です。
四角系形の中を全て覆っているのでモレはありませんが、緑の部分が青と赤の部分と被ってしまっています。
そのため、MECEではないということが分かります。
次に、「モレあり、ダブりなし」の状態です。
赤、青、緑のそれぞれが被っていないためダブりはありませんが、四角形内の全ての領域が覆われておらずモレがあります。
そのため、こちらもMECEではないということが分かります。
最後に、「モレあり、ダブりあり」の状態です。
四角形内の領域がすべて覆われず、緑は青と赤と被ってしまっています。
そこで、こちらもMECEではないと分かります。
MECEの活用事例から切り口を確認
MECEではない事例
初めに、漏れも重複もあるパターンには、どのようなものがあるのでしょうか?
例として「学生向けの教材」を考えてみましょう。
学生を分類する方法として「小学生」「中学生」「高校生」「受験生」と分類した場合、MECEな分類ができていないと言えます。
なぜなら、学生という点では、大学生が漏れています。また、予備校生、大学院生、専門学生も、分類に加えたほうが良いかもしれません。
さらに、受験生という要素は、幅広い年齢の学生が対象となるため、重複している要素となります。
小学生 | 中学生 | 高校生 | 予備校生 | 大学生 | 専門学生 | 大学院生 |
受験生 | 受験生 |
(赤:ダブり 青:モレ)
MECEの事例
次にMECEに分類出来ている事例を見ましょう。
例えば「休憩スペースで提供するための飲みもの」とします。
飲み物を分類するというと、切り口は様々です。
お茶とかコーヒー、水といった飲み物の種類で分類することもあるでしょう。しかしそれでは、数えきれないほど種類があるため漏れが生じやすくなります。
そこで、飲み物のパッケージごとに缶やビン、そしてペットボトルで分類してはいかがでしょうか?
こうすることで、漏れが生じにくくなります。そしてそれぞれのパッケージごとに、メーカー別に分類したり、容量ごとに分類することで、最終的に適切な飲料水の品目にたどり着くことができます。
缶 | ビン | ペットボトル | 紙パック |
このように切り口を変えるだけで、MECEな分類が可能になります。
ロジックツリーへの応用
さらに、このMECEの考え方は問題解決手法のロジックツリーでも用いられています。
ロジックツリーとは、問題をツリーの枝のように階層に掘り下げていき原因や解決法の発見につなげるフレームワークのことです。ここで、階層に掘り下げる際に、「モレなく、ダブりなく」の考え方が用いられているのです。
ロジックツリーについて詳しく知りたい方はこちらからご確認ください。
まとめ
このようにMECEはロジカルシンキングにおいて「モレなく、ダブりなく」要素をピックアップする手法だと分かりました。
マーケティング分析評価をする上では、課題や要素、項目をできるだけ漏れることも重複することもなく抽出するMECEな作業が必要です。