ザイオンス効果とは
概要
ザイオンス効果とは、繰り返し接すると印象や好感度が高まり関心の度合いが高まるという効果です。”ザイアンス効果”や、”単純接触効果”とも知られています。
ポーランド出身の心理学者、ロバート・ザイオンス氏の論文によって発表された効果であり彼の名前から「ザイオンス効果」と呼ばれています。
近所のコンビニエンスストアの店員さんになんとなく親しみを覚えてしまう経験はありませんか?
これは、人間が同じ人やモノに接する回数が増えるほど好印象を持つからなのです。
広告におけるザイオンス効果
接触回数が増えればよい印象が獲得できるこの効果を広告配信にも用いることが出来ます。
ザイオンス効果を利用して、自社の製品を全く知らない層に対し繰り返しアプローチをかけることで、次第に関心を高めて購買まで結びつけるという戦略を取ることができます。従来のターゲティングでは対象に含んでいなかった全く新しい層や、偏見を持っているかもしれない人たちに対してさえアプローチをすることができます。
これは、文字通りの対人による接触だけではありません。ネット上やチラシなどによる間接的な接触であっても効果を見ることができます。
ザイオンス効果において接触の時間や内容ではそれほど効果に大きな違いは出ず、接触回数が重要であり、短期間でいかにして多くの接触を持つかということの方が重要とされています。そのため、宣伝枠の頻繁な出現を重視してマーケティングを行っていくのが、この手法における特徴と言えます。
ザイオンス効果の注意
ザイオンス効果を使う上で2点注意する必要があります。
1つ目は「接触回数は10回がピーク、それ以上は印象に影響を与えない」という点です。
先ほどの広告においては10回を数えることが難しくなっていますが、営業では10回アプローチしてみてダメであれば次に移った方が良いとされています。
2つ目は「マイナスのイメージを与える場合、接触回数が増えるごとに嫌われてしまう」という点です。
ザイオンス効果では基本的に±0か+のイメージがあるときのみに働き、マイナスのイメージを与える場合逆効果が働くことに注意する必要があります。
ザイオンス効果の活用事例
ザイオンス効果の活用事例としては、キャンペーンを行う際に見ることができます。
期間限定で”売り出しキャンペーン”を実施する前、3か月程度前からネット広告やSNSでの表示回数を増やしていきます。
この際、広告の目的を表示回数の最大化として設定します。
そして、時間帯と曜日についてもできるだけまんべんなく表示されるように設定を組んでいきます。
さらに、一つのメディアだけでなく、複数のメディアで同じ内容の広告を出すようにします。これにより、ユーザーが目にするルートが増えることになり、それだけ認識度が高まったという成果が生まれています。
そして、キャンペーンが始まる日が近づくにつれて、その出現頻度を高めるようにして、キャンペーンへのアクセスが上昇したという結果を得られます。
これが、単純接触回数を増やすことによる関心の高まりの結果になります。
まとめ
このように、ザイオンス効果は同じ人やモノに接する回数が増えるほど、好印象を持つという心理学の1種です。
マーケティング、営業だけでなく日常の人間関係にも用いることができます。