ベネフィットとは
ベネフィットは「benefit」と書き、「利益」や「恩恵」という意味を持ちます。
ベネフィットはマーケティングにおいて、顧客目線の戦略を立てるために重要視する要素となります。
メリットとの違い
ベネフィットと似ている言葉に「メリット」がありますが、マーケティングにおいてはニュアンスが若干異なります。
メリット | 他社製品や従来商品と比べた際にその商品の優れている特徴を指す |
ベネフィット | 購入者がそれらを購入して得られる変化や体験のことを指す |
ベネフィットは、いわば顧客の潜在的ニーズとなります。したがって、顧客の購買意欲を強めるには、メリットを利用してベネフィットを訴求することが重要となります。
具体例
例えば、新商品の掃除機Aが売られています。
掃除機Aのメリットは、「他社製品と比べてゴミの吸引力が従来の2倍」です。
この時のベネフィットは「部屋が今までよりも綺麗になる、ゴミを吸い取りやすく掃除時間の短縮になる」といったものになります。
マーケティングにおいてはメリットを強調するよりも、顧客がそれによってどれだけ便利になるかというベネフィットを強調した方が訴求効果が高くなります。なぜなら、ユーザーは得られる変化や体験をイメージしやすくなるからです。
2種類のベネフィット
ベネフィットは機能的な面と感情的な面で訴求することができます。
機能的ベネフィット
機能的ベネフィットは「functional benefit 」と書きます。
購入者がそれらを購入して得る機能的な変化や体験のことを指します。
エモーショナルベネフィット
エモーショナルベネフィットは「emotional benefit」と書きます。
購入者がそれらを購入して得る感情的な変化や体験のことを指します。
具体例
高級車が訴求するベネフィット
機能的ベネフィット | エンジンの良さ、乗り心地の良さ、運転のしやすさ |
エモーショナルベネフィット | 所有する満足感、運転する楽しさ |
ベネフィットの活用事例
BtoBで人事管理システムを開発、販売している企業の例です。要素を分解して、訴求ポイントを分析します。
マーケティング方針 | 中小企業など、従来の販売網よりも小規模の会社にシステムを売りたい |
課題設定 | ボーナス前になると人事社員の残業が増えて大きな負荷がかかっている |
導入メリット | 賞与額の計算と配分が自動で処理される |
導入ベネフィット | クラウド人事システムを導入すれば、残業時間がゼロになり、ボーナス計算のミスも無くなる。トータルのコストカットに繋がる。 |
まとめ
ベネフィットとは、顧客にとってどんな変化や体験を提供してくれるのかということです。
マーケティングにおいて、潜在的ニーズであるベネフィットをユーザーに想起させる施策は非常に重要です。
そのためには、ユーザーに刺さる訴求ポイントと売りたい商品のメリットを分析することが大切です。