バリュープロポジションとは

顧客が望み自社だけが提供できる価値

バリュープロポジションは、「顧客が望み自社だけが提供できる価値」のことを指します。

下の図の赤い部分がバリュープロポジションに当たります。

モノやサービスが売買される時、そこには価値があるため取引が成立します。その際、価値を評価するのは、販売元である企業、社会全体を含めたマーケット、そして顧客です。

バリュープロポジションでは顧客が望む価値が出発点になっていますが、その中でも「競合他社が提供できず、自社だけが提供できる価値」に絞ります。

バリュープロポジションの必要性

競争の激しい業界で多くの企業ではより自分たちにとってこだわりのある商品開発、他とは違う特殊なものを作りたいという思いを持つようになっています。

もちろん、他社との差別化を図ることは重要です。しかし、自社のこだわりという価値に重きを置き過ぎると、あまりにニッチな商品となり、顧客のニーズを無視してしまう結果になりがちです。

そこで、顧客にとって価値のある商品とは何かと考えることがマーケティングにおいて重要になっています。

バリュープロポジションを用いて顧客の視点と提供する側の視点のズレを解消することで、他社と差別化し自社のサービス/製品の優位性を高めることにつながります。

バリュープロポジションの作成手順

以下の3つの手順によってバリュープロポジションを作成することが出来ます。

3C分析を行い、自社の提供できる価値(Company)、競合他社が提供できる価値(Competitor)と顧客が望む価値(Customer)を書き出す。

自社の提供できる価値と顧客が望む価値の共通部分を見つける。

その共通部分から、競合他社が提供できる価値を除く。

 

環境分析である3C分析ではマーケティング環境を漏れなく分析することが出来ます。

3C分析に関してはこちらの記事で解説しています。ご確認ください。

2020.09.04

2023.05.12

シラバス 編集部

 

バリュープロポジションの活用事例(ZOOM)

知名度が近年急上昇したサービスとして、Web会議システムを提供する「ZOOM」があります。

写真引用:Zoom|Zoomミーティング

 

2020年に行われたアンケート調査によるとWeb会議ツールの国内のシェアではZoomが最も多いと発表されました。

現在「利用中」および「利用検討中」の「Web会議システム」を確認したところ、「Zoom」が最も多く、35 %を占めた(データ3)。
次いで、Microsoft の「Skype」が18 %、「Microsoft Teams」が18 %と続いた。

日本国内でも海外でも、リモート化の波に伴いWeb会議が急速に普及しています。ZoomがWeb会議のシェアを勝ち取ったのにはバリュープロポジションで説明が出来ます。

ZOOMのバリュープロポジション

ZOOMはシンプルで簡単な操作でコントロールができるインターフェース、会議に的を絞った機能、最大人数の多さという点に価値を置きサービスを提供しています。

企業としては、もっと機能を付けたいなどの思惑があったかもしれませんが、「顧客が望み自社だけが提供できる価値」として、本当に顧客が必要としているものだけで絞って開発することで成功を収めているのです。

さらに、価格設定においても明朗で、顧客が本当に必要な機能を選択して選べる料金プランを作っています。

こうして、バリュープロポジションに用いたサービスの価値を提供することで、ビジネスだけでなく個人での私的利用においても選びやすいサービスとして、世界中で普及するようになったのです。

まとめ

このようにバリュープロポジションは、競合他社が提供せず、自社が提供可能な顧客が求める価値を分析する手法です。

顧客の本音である、顧客の望む価値を中心に自社の価値を差別化することで、自社の強みを見つけることが出来ます。