サイコグラフィックとは?

サイコグラフィックはデモグラフィックと対比して語られることも多く、購買者の分類に役立つ概念です。顧客データを扱う場合には必ず分類が必要になります。分類を通して自社サービスはどの年齢層から評価を得ているのか、どの層をメインにターケディングを行っていくのかを分析していくわけです。

デモグラフィックの場合、非常にわかりやすい事実関係のデータをもとに分類が行われます。それこそ性別、年齢、住んでいる地域など。サービスの内容によっては既婚/未婚、収入なども分類の対象になるでしょう。

こうしたデータはターケディングのふるいわけにおいて非常に役立つわけですが、あくまで表面的な分類にとどまってしまう面もあります。そこでより消費者の内面に迫った上で分類を行うのがサイコグラフィックです。

価値観が多様化し、デモグラフィックの分類だけでは十分な顧客層の分類が難しくなっている面もあります。わかりやすい例で言えば、マンガやアニメ、ゲームはもはや性別・年代を超えてファンを獲得しているジャンルです。少女マンガに分類されている作品がティーンの女性だけから評価されているわけでもなく、少年マンガが男の子たちの間だけで評価されているわけでもない。さらには子供向けのアニメを大人が見て感動するケースも珍しくなくなっています。このようにジャンルによってはデモグラフィックがターゲティングやマーケティングの動向を把握する役に立ちにくくなっているケースもあるのです。

そこでユーザーが「どんなことに興味を持っているのか」「日頃どんな生活を送っているのか」といった内面に関わる部分で分類する概念が持ち込まれるようになっています。これこそサイコグラフィックなのです。

サイコグラフィックの活用事例

先程のマンガやアニメの例でいれば「アクションの場面が豊富なジャンルが好き」「ほのぼのした作品が好き」といった嗜好で分類する方法があります。さらに「ゲームは一日○時間程度」「日常生活の中でゲームに時間を費やす時間を十分に確保できるか」といった分類も使われます。

美容・健康業界では「健康に不安を抱えている」「最近老化が気になっている」「コストパフォーマンスよりも高品質を重視する」といった項目で分類が行われています。こうした分類の中に幅広い世代が混ざっていても、それらは同じターゲティング層として扱われるわけです。

まとめ

ネットビジネスの場合はとりわけ性別・世代といったデモグラフィックに基づくターゲティングが役立ちにくくなると言われています。中年男性が若い女性向けの製品に興味を持っていても店舗で若い女性向けの販売フロアに足を踏み入れるのをためらう…といったことがなく、ネットなら気兼ねなく商品を購入できるからです。こうしたデモグラフィックではとらえきれないリーダーをいかに顧客として取り込むことができるかも、サイコグラフィックの重要な目的となっています。