リテンションとは?

リテンションとは「維持・保持」といった意味を持つ言葉で、マーケティング・人事の分野でよく使われています。簡単に言えば状況を維持・保持するための対策のことです。

とくに人事の分野で活用される機会が多く、従業員の離職や人材の流出を防ぐための対策に対してリテンションの言葉が使われています。離職率が高く人手・人材不足の問題を慢性的にかかえている企業も少なくありません。人材の確保だけでなく維持も重要なテーマとなっているのです。

マーケティングの分野では顧客を維持するための対策に対してよく使われます。顧客をリピーターとすることができるか、メルマガやWeb会員などに登録して継続的に情報を入手してもらえる環境に持っていくことができるか。Webビジネスが活況化した現在のビジネスシーンではこのリテンションが非常に重要な意味を持ってきます。膨大な情報があって複数の選択肢に目移りするような状況では、せっかく一度購入してくれた顧客をあっという間によそに奪われてしまう恐れがあるからです。

リテンションの活用事例

ですからリテンションの活用も会社の環境や手掛けているジャンルなどによって異なります。マーケティングの観点からすれば、いかに顧客の興味と購買欲を惹きつけ続けることができるかを最大のテーマとしたうえでさまざまな対策を行っていくことになります。

例えば、販売業ならメルマガでお得なセール情報を提供する、あるいはクーポン券を発行するなど、「この会社・お店を使い続けているとお得だ」という意識を植え付けることで顧客の維持に役立てることができます。

また新製品の情報、製品に関わる情報をこまめに配信するのもリテンションの典型的な活用事例でしょう。単にその人が購入した製品に関連した情報だけでなく、その人の好奇心を刺激し、視野を広めるような情報を提供できるかがポイントとなってくるでしょう。

さらに顧客を維持するだけでなくより会社にとってプライオリティの高い顧客になってもらうための対策もリテンションの一環として数えることができるでしょう。一般顧客をロイヤルな顧客にする、一度だけ購入したことがある顧客を一般顧客に「引き上げる」。オトクな情報の発信だけでなくブランディングも含めた多様なアプローチが求められます。

まとめ

激しい競争が繰り広げられているビジネスシーンにおいて、現状を維持するためにも積極的な取り組みが必要になります。リテンションはそんな時代で生き残るための対策と言えるでしょう。自社にあったやり方ができるか、そしてそのリテンションそのものを維持していけるかが経営を安定化させるうえでの重要なポイントとなりそうです。