1.O2Oマーケティングとは?
O2Oとは「Online To Offline」の頭文字から作られた表現で、インターネット上(Online)で消費者の行動意欲を高めて、実際にあるショップ(Offline)で訪問してもらうというビジネスモデルのことです。ですから、O2Oマーケティングとは、オンラインで集客を行い、オフラインに該当する実店舗で売り上げを目指すというデジタルマーケティング手法のことを指しています。
ただし、街頭で消費者へ向けた広告を掲出し、インターネットサイトへの訪問や購買意欲を高める「Offline To Online」という手法にも同じ表現を用いることがあるので注意しておきましょう。
O2Oマーケティングと比較されることが多いのが「オムニチャネル」という表現です。オムニチャネルとは、オンライン・オフラインの別を問わず、さまざまなプロモーションツールを活用して消費者を購買行動へと促す手法すべてを指しています。そのため、オムニチャネルでは、消費者の購入場所がインタネットサイトであるか、それとも実店舗であるかに関して注目することはありません。
一方、O2Oマーケティングでは基本的に「購入やサービスの利用は実店舗になるよう誘導する」というスタイルですから、オムニチャネルと比べてより限定的な意味合いがあるということが分かるでしょう。
2.O2Oマーケティングの目的
O2Oマーケティングの目的は「インターネットサイトと実店舗を定期的に利用してくれる顧客の獲得」です。これを実現するためには、「インターネットサイトでのみ獲得できる実店舗向けのメリットを生み出すこと」が必要です。
例えば、企業の公式サイトやSNSの公式アカウントで提供されるクーポン券は、O2Oマーケティングの分かりやすい実例ということができるでしょう。クーポンはインターネットを介してのみ受け取ることができるものの、クーポン適用を受けるためには実店舗へ足を運ばなければなりません。
実際に利用した人がそのサービスを高評価してSNSなどを介して他の人に情報を拡散してくれることで、さらに顧客の獲得につながるというわけです。
3.O2Oマーケティングのメリット
O2Oマーケティングのメリットは「より多くの消費者へアプローチができる」という点が挙げられます。現在では、ほとんどの人がインターネットへのアクセス手段を持っています。ですから、公式サイトやSNSアカウントを利用することで、実店舗で広告をするよりもスピーディーに、より多くの人へキャンペーンの情報を届けることができるというわけです。
これは、O2Oマーケティングを始めとするデジタルマーケティングに共通するメリットということができるでしょう。
「プロモーションの効果性を判定しやすい」というのも大きなメリットと言えます。実店舗のみで広告と販売を行うビジネスモデルとは異なり、O2Oマーケティングではクーポンの配布数や配布対象となった人の年齢層などを具体的に把握することができます。
ですから、事前の予想と結果と比較して、情報を分析およびブラッシュアップし、さらに効果の高いプロモーション方法を探っていくことが可能となるわけです。
4.O2Oマーケティングの注意点
O2Oマーケティングの注意点は「適切なプロモーション手法を選択しないとよい結果につながらない」という点でしょう。
O2Oマーケティングの手法には、SNSや公式サイトで直接クーポンを配布する方法もあれば、Eコマースサイトや有名なインフルエンサーを通してアンケートの回答者にクーポンを配るという方法もあります。また、飲食店では来店するたびにポイントがたまり、そのポイントに応じてサイト内のアバターがもらえるなど、ゲームの要素を取り入れたマーケティング手法を採用するケースも珍しくありません。
大切なのは、企業の商品やサービス、ブランディングにより合致したアプローチ方法を選択することです。この点を適切に見極めるためには、事前の分析と十分な調査が欠かせません。1つの業種で成功している手法が他の業種で成功するわけではないという点を覚えておきましょう。
5.O2Oマーケティングの成功事例
大手外食チェーンでは、SNSの公式アカウントをフォローした人に電子マネーと実店舗で利用できる割引クーポンを提供するというキャンペーンを行いました。
このキャンペーンに対する反応が非常に良く、公式アカウントへのフォロー増加と来店数のアップにつながったため、第2弾として「公式アカウントに掲載されているキャンペーン情報の拡散をしてくれた人の中から、抽選で1日食べ放題券をプレゼントする」というキャンペーンを実施しました。
すると、第1弾よりも多くの人がキャンペーンへと参加し、実店舗の売り上げが短期間で大幅に伸びる結果となったのです。この実例から、SNSを利用する場合には継続的に消費者へのアプローチを行っていくことがO2Oマーケティングのカギとなることが分かります。
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