1.ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)とは?
ABMとは、企業が顧客や取引先のランク付けを行って優先度を決定し、より優先度の高い顧客に合わせてアプローチ方法を構築することで、売り上げの向上及び安定を目指すというものです。ABMは主に企業間取引、つまりBtoB(Business To Business)における主要なマーケティング手法として採用されています。
大切なのは、顧客や取引先を「パーソン」ではなく「アカウント」としてみることです。これにより、1つの取引先企業に対して複数の担当者がいる場合には、担当者同士で情報を共有してアカウントから最大の売り上げを目指すということができるようになります。
AMBはアウトバウンドのビジネスモデルを採用している企業に適しており、その実現には社内における円滑な情報共有が欠かせません。とはいえ、これまでのアナログな意思伝達方法では各担当者の工数が多すぎたため、ABMを実践することは困難でした。
とはいえ、近年、企業向けとして多数のデジタルフォーマットが登場したことにより、スムーズな情報共有とアカウントへのアプローチに関する迅速な意志決定が可能となってきました。その結果、ABMが現実的なマーケティング手法として世界的な注目を浴びているわけです。
2.ABMの目的
ABMの目的は「営業の効率化」にあります。取引のポテンシャルがあり優先度が高いと判断された取引先や顧客に関しては人員を惜しむことなく営業を行います。一方、優先度が低いと判断された取引先に関しては、メールや電話での繋がりを維持しつつ、優先度の上昇を待ちます。
こうしたインサイドセールスを行うことで、限りある人員と資金、および時間を有効に用いることができ、最大限の売り上げを期待できるというわけです。すべての顧客に対して同じようにアプローチをするというスタイルと比較すると、営業の効率は圧倒的に良いと言えるでしょう。
3.ABMのメリット
ABMのメリットは「売り上げを伸ばしやすい」という点にあります。企業内の営業に向けることができるリソースは有限です。
ABMによってアプローチを積極的に行うべきアカウントが常に明確となっているので、営業に関わる全ての人が同じ意識を持ってプロモーションを行うことができるようになり、それが売り上げに大きく貢献するというわけです。
4.ABMの注意点
ABMを導入する際の注意点は「マーケティング担当者と営業担当者の意識共有」です。マーケティング担当者はデータを基にアカウントの分析と判断を行います。
一方、営業担当者は個人として積み上げてきたやり方やスタイルがあり、それがマーケティング担当者から提示される方針とすぐに合致するとは限りません。そうした時には、時間を取り分けてアイデアの共有を実施する必要があるでしょう。このステップにおいて、かなりの時間を要する可能性があるのです。
5.ABMのやり方
ABMのやり方は「ポテンシャルとステータスでランク付けを取引先をランク分けすること」から始まります。ポテンシャルとは、どれほどの売り上げを見込めるかを示す指標です。一方、ステータスとは、成約をゴールとして取引がどれほどの段階まで進んでいるかを示す指標となります。
2つの指標を掛け合わせた数字が大きければ大きいほど優先度は高いということになるわけです。「知名度のある企業で契約までいけば莫大な売り上げ(ポテンシャル)が見込めるものの、未だに担当者との挨拶もできていない(ステータス)」という場合、優先度はかなり低くなります。
6.ABMツール
ABMを支える主なツールとして「SFA(Sales Force Automation)」と「CRM(Customer Relationship Management)」の2つがあります。SFAは営業の状況を把握するためのツールであり、顧客の情報に加えて、営業の進捗状況や売り上げ予測、営業担当者の予定と成果などを一括管理することが可能です。
一方、CRMは顧客の状況を管理するツールであり、これまで顧客から寄せられた意見や要望・クレームなどの履歴に加えて、どのようなプロモーションを行い、どれほどの売り上げが上がったのかといった点が視覚的に表示されます。これらを社内で一元管理することで、ABMを実現することができるわけです。
7.ABMの成功事例
国内屈指の電機メーカーに関する事例を考えます。この会社では「デジタルマーケティング」と「営業担当」、「インサイドセールス」がそれぞれ異なる部署になっており、情報の共有もほとんど行われていませんでした。
そこで、CRMとSFAを導入して、社内で顧客アカウントの可視化を徹底したところ、情報共有がスムーズになっただけでなく、3つの担当部署がより緊密にコミュニケーションを図ってプロモーションを行うようになります。
結果として、顧客満足度が向上したことに加えて、これまでまったく取引がなかった企業とも繋がりができるようになりました。
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