1.ブルーオーシャン戦略とは?
W・チャン・キムとレネ・モボルニュによる、ブルーオーシャン戦略について語られた書籍はマーケティングの世界では有名です。この書籍で初めて、ブルーオーシャンというビジネス用語が生まれました。
ブルーオーシャンとはライバルのいない、あるいは少ない市場のことを指します。当然ながら、同じ市場に競争相手が多い場合はライバルと戦いつつ存在感を示さなければいけませんが、ライバルがいなければ自動的にナンバーワンの座に立てるのです。
しかし、現実的に全くライバルがいない市場を探し出すのは不可能に近く、日本以外を探しても見つかるとは限りません。そこで必要なのがブルーオーシャン戦略であり、ブルーオーシャンを自らの手で作り出す戦略のことです。隙間産業という言葉がありますが、隙間産業とブルーオーシャン戦略は似ているようでやや異なります。
ブルーオーシャン戦略は新たな市場の開拓ですが、隙間産業はすでに認知されているけれども技術面や収益性の問題点からあまり手を付けられていない市場のことです。何らかの難点を抱えているのが隙間産業であり、ブルーオーシャン戦略はより魅力的な市場を作り出すことと考えてください。
2.バリューイノベーションの創造とは?
ブルーオーシャン戦略に欠かせない重要な要素が、バリューイノベーションの創造です。バリューとは価値、イノベーションとは革新のことであり、この2つを併せ持つことが何より重要なポイントです。イノベーションのみだと、その市場でトップを取ることはできますが、市場自体がまるで見向きされないという恐れがあります。
一方で、バリューのみを追求すると、新たな市場の開拓というブルーオーシャン戦略の基本からは大きく外れてしまうのです。バリューとイノベーションの両方を意識することこそ、ブルーオーシャン戦略を成功に導くためには欠かせません。
3.レッドオーシャン戦略とは?
ブルーオーシャンは青く広がる海をライバルのいない状態として例えた言葉ですが、セットでレッドオーシャンという言葉もよく用いられます。
レッドオーシャンとは、赤い血のような海を競争の激しい状態としてたとえた言葉であり、もう飽和している市場のことです。大企業が複数参入しているなど戦いが熾烈で、後発の知名度が低い企業が参入しても勝ち目がないか極めて薄い、そのような市場がレッドオーシャンと呼ばれます。
レッドオーシャン戦略とは、企業同士の争いが激しいレッドオーシャンの世界でパイを奪うための戦略のことです。飽和したレッドオーシャン市場の代表例は家電業界で、日本では各種家電が多くの家庭に行き渡っており、また出生率も低下している以上、これから需要がどんどん増していくとは考えにくい状態です。
そのため、既存の家電業界では機能面で優れている、もしくはお手頃な新製品を作ることで、パイの奪い合いをしています。レッドオーシャン戦略とは、この新しい家電を生み出す部分を指しており、自社の製品やサービスに乗り換えてもらうために必要な戦略のことです。
ただし、レッドオーシャン戦略ではどうしても体力的に余裕のある大企業の方が有利になりやすく、上手な戦略を立てても成功するとは限らない厳しい世界です。
4.ブルーオーシャン戦略の注意点
ブルーオーシャン戦略はマーケティングで意識しておきたいものの、扱いを間違うと企業に多大なダメージを与えかねません。特に、体力面で不利なところがある中小企業の場合は余計にダメージが大きくなりやすいため、注意が必要です。
先に書いたように新たな市場を開拓するのがブルーオーシャン戦略ですが、一方で新しいことを意識し過ぎるとビジネス的に失敗する恐れがあります。全く新しいことを思いついたが、実現するためには画期的な新技術が必要なため、頓挫するというのはよくある失敗パターンです。
企業の体力の範囲内で新しい市場を開拓することが重要であり、夢を追いかけ過ぎないようにしなくてはなりません。
もう1つ、意識したいのは真似されにくいということです。仮に斬新でも真似しやすいものは、後発の企業が群がる可能性が極めて高いのです。体力勝負で後発の大企業には勝てなかったため、低コスト路線に切り替えたものの業績が悪化するという事例は数多く存在します。
ブルーオーシャンがレッドオーシャンと化す例は多いので、ブルーオーシャン戦略では差別化を意識することも非常に大事です。後発企業の真似を完全に防ぐのは現実的ではないため、独自性を意識しないと後発との勝負で不利になります。
5.ブルーオーシャン戦略の成功事例
某アパレルブランドの成功事例を紹介します。そのアパレルブランドは、商品に付加価値を付ける戦略を採用しました。保温性の面で優れている下着が有名ですが、付加価値を付けてブルーオーシャンを開拓しただけでなく、さらにコマーシャルを上手く使い、ブランドの知名度を高めました。
ブランド力の向上に、自社生産によるコストカットの魅力も加わり、一層の差別化が図られているため、その下着は現在でも主力商品として活躍しています。
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