PPM分析とは?

PPM分析(Product Portfolio Management)とは、複数の事業を展開する企業が、どの分野にどのぐらいの資金を分配するかを検討し分析する手法です。

マーケットシェアの高低と、市場成長率の高低の組み合わせにより、「負け犬」「金のなる木」「花形」「問題児」という4タイプに手掛ける事業、商品やサービスを分類します。PPM分析のSNS画像

PPM分析を行い、事業を4タイプに分けることで経営判断がしやすくなります。

PPM分析の4つのフェーズ

「負け犬」

市場成長率が低くマーケットシェアも低いものが該当します。

シェアが低く市場の成長も期待できないため、売却や撤退など、手放すことを検討するのが賢明な事業です。

「金のなる木」

マーケットシェアが大きく安定した利益を得てはいるものの、将来的な市場成長が期待できない事業が分類されます。

現在出している利益を、市場成長率が高い別の事業へ再投資することが、事業の今後の成長につながります。

「問題児」

市場成長率が高い分野なのにマーケットシェアが取れていない事業です。

利益が出にくいですが、マーケットシェアを高めることで成長が期待できるため、他の事業から資金調達することが望まれます。

マーケットシェアを高めて花形へと変化させることが問題児にとって重要になります。

「花形」

市場成長率もマーケットシェアも共に高く、まさにスター的な位置づけとなる事業です。

競争率が激しいうえ、多額の投資が必要となる点がデメリットですが、成長を維持することでより多くの利益につながります。

花形を成長させて金のなる木にすることが大切です。

PPM分析の活用事例

PPM分析は、多くの企業で行われています。

ソニーの事例

例えばソニーを事例に上げると、20世紀に大きな利益を出して高いブランド力を持ったソニーのAV事業は、2000年以降は業績が低迷しました。

これは、事業が「花形」から「負け犬」に転落したことを示します。

PPM分析の結果、ソニーはAV事業を縮小したり商品ブランドを売却することにより、業績の回復を遂げました。

サントリーの事例

またサントリーでは、ウィスキー部門とビール部門、そして清涼飲料水の3本柱が企業を支えています。

このうちウィスキー部門は「金のなる木」として安定した利益を出しています。しかしビール部門は「問題児」だったため、他の事業からの再投資によってマーケットシェアを高めました。

清涼飲料水部門は市場の成長率が高い「花形」で、今後も大きな販売数と利益が期待できます。

サントリーホームページより引用

 

まとめ

企業の資金分配の割合や、今後の事業展開を検討する上で、欠かすことができないのが、PPM分析です。

それぞれの事業を4つのタイプに分類することにより、今後はどんな対応が理想的かが分かります。

中小企業から大企業まで、多くの企業における事業で実際に活用されている事例が多い点からも、経営者にとってはぜひ理解しておきたい分析方法と言えるでしょう。