LINEは「データを最大限活用し、顧客との最適なコミュニケーションを」と掲げています。
今回ご紹介するLINEのビジネスマネージャーは、LINEでのデータマーケティングに必要なデータの収集・統合・配信・分析が一気通貫で可能なプロダクトです。
この記事では、LINEビジネスマネージャーで出来ることや設定の流れまでを詳しく解説していきます。
LINEのビジネスマネージャーとは?
ビジネスマネージャーの概要
LINEのビジネスマネージャーとはLINE公式アカウント・LINE広告などのマーケティングデータやパートナー企業・クライアント企業のデータを統合して活用するためのデータ活用基盤です。
LINEや関連サービス・外部データ等のあらゆるデータを集約・統合し、サービスを横断したオーディエンス活用・レポートの抽出などを行うことが出来ます(※2023年2月17日時点でレポート機能は構想中)。
こちらが現在のビジネスマネージャーの実際の管理画面です。
アカウントタブ内ではLINE公式アカウントとLINE広告を選択することができ、データタブ内ではLINE Tagとカスタムオーディエンスの2つを選択することが出来ます。
ビジネスマネージャーは発展途上であり、今後は分析やサービスを跨いだレポート機能が追加されると発表されています。
ビジネスマネージャーで出来ること
現時点では、LINE内データ
- LINE広告
- LINE公式アカウント
- Talk Head View/ Talk Head View Custom
- LINE NEWS TOP AD
とLINE外データ
- ウェブトラフィック
- 電話番号
- メールアドレス
- IDFA/AAID
の2種類のデータを管理し、LINE公式アカウント・LINE広告で活用できることが主な機能です。
LINE内のデータはLINE Tag経由で取得、LINE外のデータはデータをアップロードすることで反映されます。
ビジネスマネージャーの全体像は
「データ蓄積」「データ統合」「オーディエンスでのデータ活用」「分析/レポート」の4つです。
LINEビジネスマネージャーの今後の展望
LINEビジネスマネージャーでは、さらなるアップデートが予定されています。
LINEデータ・クライアントデータ・Zホールディンググループのサービスデータ・外部データからデータを蓄積する予定となっています。
- LINE広告・LINE公式アカウントなどから蓄積された「LINEデータ」
- 電話番号やメールアドレス・IFDA/AAIDなどの「クライアントデータ」
- ZホールディングスグループデータはYahoo!JAPAN等から得られるデータ
と蓄積し、データを統合することで、LINE広告やLINE公式アカウント・LINEチラシなど様々なプロダクトにデータを活用することが構想されています。
このように、LINE社は「Zホールディング内外のデータをを簡単かつ安全に利用できるようにすることでユーザーフレンドリーなマーケティング効果の可視化と最大化を実現」することをビジネスマネージャーの理想とし、順次機能を拡大しています。
ビジネスマネージャーの活用例
ビジネスマネージャーの活用例としては以下のようなものがあります。
・LINE公式アカウントのクリックオーディエンスの類似を活用してLINE広告で配信する。
・LINE広告でコンバージョンしたユーザーのオーディエンスを活用してLINE公式アカウントでメッセージ配信を行いリピート購入を狙う。
・LINE広告やLINE公式アカウントをまたいだクロス分析機能による効果改善を行う(未実装)。
このように、他プロダクトのデータを活用しプロモーションを行うだけではなく、LINEや関連サービスのデータとかけ合わせた分析を行うことも可能です。
LINEのビジネスマネージャーの利用までの流れ
組織を作成する
はじめに、ビジネスマネージャーで組織を作る必要があります。
組織とはLINE広告アカウントやLINE公式アカウントを束ねる単位となっています。
組織を作成するには、こちらのページから「管理画面にログイン」を選択し、「組織を作成」を選択します。
その後、「地域(例:日本)」と「名前(法人名が推奨)」を入力し、「ビジネスタイプ」法人・個人事業主のいずれかを選択します。
ユーザーを追加する
組織を作成すると、ビジネスマネージャーの管理画面に入ることが出来ます。
組織は複数のユーザーで管理することができ、下記の手順でユーザーを追加します。
- 管理画面の権限タブ内にある「ユーザー」を選択
- 「ユーザーを招待」を選択し、与えたい権限を「管理者・運用者・運用者(データのみ)・利用者(閲覧者のみ)」から選択し、招待URLを生成します。
- 生成されたURLを招待したいユーザーに送付し、招待URLを開きLINEビジネスIDを入力すると完了します。
組織のビジネス情報の登録
先ほどの組織を作成するタイミングで「ビジネスタイプ」を選択しなかった場合は、このタイミングで設定する必要があります。
ビジネスマネージャーの管理画面から「ビジネス認証」から法人・個人事業主のいずれかを選び、画面内に表示される詳細な情報(住所・法人名)を入力します。
そして、登録が完了すると審査が開始され、「審査中」というステータスが表示されます。その後、審査を通過すると「認証済み」審査に落ちると「認証エラー」のいずれかが表示されます。
「認証エラー」の場合は登録内容を修正すれば再審査を申請することが出来ます。
アカウント情報の登録(LINE公式アカウント・LINE広告)
はじめに、LINE公式アカウントをビジネスマネージャーに接続する方法を説明します。
LINE公式アカウントの管理画面内で右上にある「設定」を選択し、「アカウント情報」内にある「組織(ビジネスマネージャー)」欄の「連携する」を選択します。
そうすると、「ビジネスマネージャーの組織との連携リクエスト」という画面が表示されるので、組織IDを入力してURLを発行します。
生成されたURLをビジネスマネージャーの管理人が開き、承認することでLINE公式アカウントの接続が完了します。
次に、LINE広告ををビジネスマネージャーに接続する方法を説明します。
LINE広告の管理画面を開き、タブ内にある「設定」から「広告アカウントの設定」を開きます。
そして、「ビジネスマネージャー(任意)」という欄が下部に表示されるので、組織IDを入力しURLを発行します。
生成されたURLをビジネスマネージャーの管理人が開き、承認することでLINE公式アカウントの接続が完了します。
クロスターゲティングの終了とビジネスマネージャーでの代替策
2023年春以降に終了するクロスターゲティングとは?
クロスターゲティングとはLINE公式アカウント・LINE広告・LINEで応募から取得したデータやオーディエンスをプロダクトを横断して配信することが出来る機能です。
例えば、LINE公式アカウントで作成したメッセージ開封オーディエンスをLINE広告に活用することが出来ます。
クロスターゲティングの詳細についてはこちらの記事で解説していますのでご参照ください。
そして、LINEは2023年の春以降、「クロスターゲティング」
これにより、終了後はLINE公式アカウントのオーディエンスをLINE広告に利用す
今後はビジネスマネージャーで代替する
そこで、クロスターゲティングの終了後は今回ご紹介したビジネスマネージャーにて代替することが出来ます。
ビジネスマネージャーでLINE広告とLINE公式アカウントを接続することで、クロスターゲティングと同じ機能を用いてターゲティングを行うことが出来ます。
まとめ
LINEのビジネスマネージャーとはLINE公式アカウント・LINE広告などのマーケティングデータやパートナー企業・クライアント企業のデータを統合して活用するためのデータ活用基盤であり、2023年に終了するクロスターゲティングを代替することが出来ます。
ビジネスマネージャーの設定に時間はかからず、組織を作成し、ビジネス情報を入力し、ユーザーを招待し、LINE公式アカウント・LINE広告を接続するだけで設定が完了します。
LINEは人口の7割をユーザーとしてカバーしており、ビジネスマネージャーによって今後のデータ活用の幅が期待されています。