無形資産とは?

無形資産とは、土地や建物、工場の機械設備などの有形資産と違って、人的資産や経営プロセスなど、文字通り、形を持たない資産のことを指します。また、その企業だけが持つ情報、手法などの知的財産やブランド価値などもそうです。

昨今の経営では、これまで以上に無形資産が重視されつつあります。

実際、欧米では無形資産に対する投資が急増しており、それに比して、日本は出遅れている状況です。欧米の先進国では、知的財産やデータなどの無形資産の経済に占める比重が高まっており、国内総生産の10%以上を占める国もあります。すでに機械設備等の有形資産への投資額を無形資産への投資額が上回る国もあります。

物が溢れつつある現在、有形資産のみでは商品やサービスの差別化が難しくなってきています。今後は、その企業だけが持つブランドやサービス、文化などの目に見えない価値がますます重視されるようになるでしょう。有形資産に比べると、無形資産の管理にはコストを必要としません。それでいて大きな価値を生む可能性を持っています。

これからの情報化社会全盛の時代、無形資産を経営の中心に据えることが大切です。

無形資産の重要性

科学技術の進歩が進む現代社会において無形資産の重要性は日に日に増しています。大手ITのGAFAのように有形資産ではなく、豊富なデータや洗練されたソフトウェア等の無形資産を基盤とした活動を行う企業が増えてきているからです。マイクロソフトの有形資産の価値は無形資産の価値の1%弱だと言われています。

有形資産はエンティティを伴うため物理的距離を越えることが難しく、また数も制限されるため拡張や組み合わせに限りがあります。ですが無形資産はスケラービリティや相乗効果が期待されるメリットを持っています。

無形資産の活用事例

無形資産をきわめて上手に活用している事例に、デジタル製品やウェアラブル製品の多国籍企業として有名なA社があります。かつてはハードウェアを提供する企業として、クリエイターなどに熱い支持を受けています。

デザイナーのようなクリエイティブな仕事をする人にはA社の製品でないと仕事ができないという熱烈なファンもいます。しかし、一時のような機能性優位という時代でなくなったこともあり、同社では売上の比率をハードウェアからソフトウェアに移行しつつあります。

これまで築いたハードウェア生産の有形資産をベースに、音楽やデジタルブックなどの無形サービスを展開することで売上を向上させています。ブランド力という無形資産も大きく、経営戦略と合わせて、他にない付加価値を提供し続けている存在と言えるでしょう。

まとめ

グローバル社会の時代において、これまでのように有形資産への投資ばかりに目を向けていては、海外のライバルに遅れを取ってしまいます。無形資産を上手に活用している企業の事例を参考に、自社ならではのできることを探っていきましょう。