USPとは?

USPは「Unique Selling Proposition」の略で、マーケティングや商品開発をする際の基本的な指針となる考え方です。ライバル企業との違いを見せることができる、自社ならではのユニークでオリジナリティーのある強みを持っているかを考えるために使われます。

具体的には、マーケティングを行う際に、競合社とのサービスや商品にどんな違いがあり、なぜそれがメリットとなるのかをはっきりとさせていく手法を採ります。単に「優れた製品を売っています」というのではなく、「今までにないこんな特徴を持つ」とか「業界初」といったポイントを強調して、自社の強みを前面に出すことができます。

これはほとんどの業界において激しくなる競争に打ち勝つために必要な観点と言えます。独自性を打ち出すことができなければ、否応なく価格競争に走るしかなくなるからです。価格面で改善を図るのは当然のことですが、それ以上に他にはないユニークさを作り、それを付加価値としてマーケティングしていくというのが、このUSPという考え方の特徴でありメリットなのです。

なぜUSPは必要なのか

USPは差別化を図るフレームワークとなっています。現代社会において差別化は非常に重要な生存戦略の一つになっています。その理由としては、現代社会において、類似商品が飽和しているからです。例えば家電屋さんに足を運べば、同じ電子レンジ、冷蔵庫・炊飯器でも非常に様々な種類のものがあります。つまり購買者にとって、今まで以上に選択肢が飽和してしまっている状態なのです。

しかも我々購買者は、その業界に精通しているわけではありません。電子レンジ一つとっても、何が他社の電子レンジと決定的に違うのかがわからないのです。選択肢がありふれている中で、自社の決定的な優位性が目立たなければ、購買者を惹きつけることができません。

USPはこの決定的なという要素に焦点を当てているのです。

USPの活用事例

USPでは、単に独自性を打ち出すだけでなく、それを具体的な形にしてユーザーがすぐに理解できるようにすること、そしてそこから来るメリットを伝えます。ここまでがセットでUSPを活用したマーケティングができるのです。

その活用事例として分かりやすいのが、宅配ピザサービスです。現在行っているところはあまりないですが、「ピザを自宅まで30分以内に届けます。時間内に届けられなければ無料とします」という施策を打ち出していたことがあります。この施策では、まず短時間で届けるという強みが前面に出されています。その上で、同じことをできるライバル社と差を付けるために、達成できなければ無料というユニークな特徴を打ち出しています。

この施策によって、すぐに食べられる、熱いうちにピザを食べられるというメリットが成し遂げられるわけです。

まとめ

USPは、ライバル社にはない特徴と強みを見出して、それを前面に出す形でマーケティングをしていくという手法です。

サービスの開発の段階から考慮すべき点でもあります。この手法を活用することによって、体力を削られる不毛な価格競争に巻き込まれたり、ライバルとの激しい競争に負けてしまったりすることを防げます。

自社としてのブランド力を高めることにもつながりますので、ユニークな特徴を打ち出していくというのはとても効果的なのです。