アンゾフの成長マトリックスとは?

「アンゾフの成長マトリックス」というのは、フレームワークのひとつです。経営学者のイゴール・アンゾフによって提唱されました。イゴール・アンゾフは経営戦力の父とも呼ばれていて、彼の言葉で有名なのは「戦略は組織に従う」があります。アンゾフが提唱した「アンゾフの成長マトリックス」は、事業を拡大するための戦略を模索するため有効なフレームワークです。「製品」と「市場」、そして「既存」と「新規」という4象限の分類で考えます。「アンゾフの成長マトリックス」を使うことによって、4つの戦略の潜在的なリスクを考えつつ、企業や製品の成長につながる戦略を練ることができるのです。

「アンゾフの成長マトリックス」における4つの戦略の中で、低リスクでビジネス展開しやすいことが特徴の戦略に「市場浸透戦略」があります。この戦略では、顧客一人当たりの購入単価や購入品数を増やすことや購入する頻度やリピート率を高めるための施策を描いていきます。

別の戦略に「新商品開発戦略」があります。これは既にある市場や顧客に向けて、新商品を開発する戦略になります。新しい商品を開発するためには投資が必要です。製造する機械設備、人的リソースがそれにあたります。そのため、市場浸透戦略よりは事業者にとってのリスクは高まります。

「アンゾフの成長マトリックス」における、3番目の戦略は「新市場開拓戦略」です。読んで字のごとくイメージしやすいですね。すでにある製品を新たな市場、顧客に売り込んでいく戦略です。事業拡大を成功させるための市場調査や分析が必要になります。それ故に、「市場浸透戦略」よりはリスクがあるでしょう。

4番目の戦略は「多角化戦略」です。これは、新たな市場へ向けて新たな製品を開発し売り込むことです。全く新たな取り組みを始めることになる戦略のため「アンゾフの成長間トリックス」において最もリスクの高い戦略という位置づけです。

 

アンゾフの成長マトリックスの活用事例

市場開拓戦略において成功している企業の事例として、ユニ・チャームがあります。おむつや生理用品で知られる企業で、主な市場はアジア圏が主でした。ユニ・チャームは自社製品を海外の新市場に売り込む面でアジア以外の地域へ積極的に展開しています。海外市場を積極的に開拓していったことにより、世界的な経済危機によって同業他社が苦境を強いられている状況でも良い業績を維持しています。

 

まとめ

「アンゾフの成長マトリックス」は、さらなる事業の拡大を目指している企業にとってリスクヘッジをしながら取り組みやすい戦略です。自社の将来へのビジョンに対応する戦略を実施すると良いでしょう。