1.確率思考の戦略論とは?

ビジネスパーソンの間で注目されている本の中のひとつに、確率思考の戦略論があります。書籍のランキングで1位をしばしば獲得しているようなビジネス本です。しかも2位以下を大きく引き離していて、倍以上の売り上げの差が見られるほどです。

こちらの作品は日本の有名テーマパークをV字回復させたマーケティング本部長が記した書籍です。このような部分で各方面から注目を集めている書籍と言えます。

2.森岡毅

確率思考の戦略論の著者は森岡毅さんと今西聖貴さんです。両者の共著という形で販売されています。

森岡さんはもともと世界最大の一般消費財メーカーに在籍していました。そののち2010年に日本で有名なテーマパークの方に転職しました。転職するにあたっての肩書ですが、チーフ・マーケティング・オフィサーです。

3.今西聖貴

今西さんも森岡さんと同じ会社に在籍していました。そして彼から遅れること2年後、テーマパークの方に転職しています。この時森岡さんから請われるような形で移籍したようです。

森岡さんとともに活躍したことで、そのテーマパークは5年間で著しくV字回復を果たしました。その結果、毎年100万人というペースで集客を増やしていきました。しかも2015年度には年間来場者数を1390万人にまで伸ばしました。

その5年前が730万人ですから、5年間でほぼ倍増した計算です。これはアミューズメント業界ではなかなか見られない伸びなので、注目を集めたのです。

4.マーケティングはアートではなくサイエンス

この作品の中で彼らが伝えようとしているのが、マーケティングとはアートではなくサイエンスであるというものです。

従来のマーケティングはアート的と言えました。つまりマーケティングに携わる人の勘や経験則に頼って展開していました。一方彼らの主張するサイエンスとは、データに基づくマーケティングです。

市場調査を行うことで相対的好意度とその仕組みを解明していきます。その分析を進めることで、どの戦略が成功確率が高いのかを取捨選択していく方式です。より確実性の高い戦略を選択することで、成功に導いていくスタイルです。

5.プレファレンスを制する

先ほど紹介した相対的好意度をこの著書では、プレファレンスと言います。マーケティングを制する者はプレファレンスを制する者と言えます。

自社のサービスに対するプレファレンスを現在から将来にかけて、消費者の視点からより多角的に分析する必要があるそうです。そうすることで、ブランドを取り巻く環境や現状も正確に把握できます。

6.プレファランスの3つの要素

自社ブランドへのプレファレンスを高めることが大事で、その部分に経営資源を投下すべきであると、この書籍の中に書かれています。プレファランスは、主に3つの要素によって構成されています。

ブランドエクイティ

まずはブランドエクイティです。ブランドに対して顧客が抱いているイメージを資産価値にしたものです。

例えばアミューズメントパークの中でも主だったところには特定のブランドエクイティがあります。「夢と魔法の王国」だったり「絶叫パーク」だったりするものです。その言葉を言われれば、「あそこを指しているのだな」と多くの人が共通認識できるフレーズです。

製品パフォーマンス

2つ目の要素は製品パフォーマンスです。製品パフォーマンスはシングル・プロダクト・ブラインド・テストによって測定できます。

これはブランド名を伏せて、同じジャンルの商品やサービスを複数用意します。そして実験グループに利用してもらって、どのように感じたかを調査する方法です。ブランドに対する先入観がないので、客観的な好感度を測定できます。

価格

価格も重要な要素のひとつです。どれだけ高品質のサービスを提供しても、割高な価格設定にすれば、好意度も下がってしまいます。損失の出ない価格設定をすることで、好意度がアップして集客も期待できます。

7.確率の高い戦略を選ぶ

彼らが成功したのは、勝てる戦いに特化して行ったからと、この著書の中で明記しています。では勝てる確率の高い戦略をどのようにして選ぶべきなのか、こちらの書籍の中ではそのヒントを記載しています。

感情のコントロールとは?

彼らのとった戦略の中でも重視したいのは、コントロールできるものしかやらなかったというものです。

例えばプレファレンスは自分たちでコントロールできる領域だったので、戦略の中に組み込んでいったそうです。そしてコントロールできるものがあれば、徹底して数学にしていったのも特徴の一つです。感情を入れずに、確率を導き出し勝機を見出していったわけです。

一見すると当たり前のことですが、けっこう多くの人が自分ではコントロールできないことを何とかしようとして失敗しているそうです。

熱の込もった数字とは?

この著書の中で、「数字に熱を込めろ」というメッセージも書かれています。こうしてみると、数字の中に感情を込めるべきと思う人もいるかもしれません。しかし実際には全く逆の意味です。つまり一切の情緒を排して成功確率の高い戦略を指しています。

数字ツールを多角的に駆使することで客観的にメスを入れ、真理を見つけ出すことが大事であると、この2人の著者は伝えようとしているわけです。


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