1.ペルソナマーケティングとは?

「ペルソナ」という語はラテン語から派生した言葉で、スペイン語では「人」を表します。ビジネス世界のマーケティングで「ペルソナ」は、自社商品やサービスの提供対象となり得るユーザー像を指します。似たような表現で「ターゲット」という言葉があり、混同されがちであるものの、その意味合いは大きく異なります。

マーケティングにおける「ターゲット」とは、年齢層や性別、生活地域といった幅を持たせた範囲で対象を絞るユーザー層を表します。具体的には、「20代独身女性」「東京都在住管理職」「30代フリーランス」といった設定です。

一方「ペルソナ」とは、より詳細にプライベートな部分も含めて条件を定め、実際に存在する人物のようにユーザ像を設定します。名前や年齢、性別はもちろんのこと、家族構成や生活地域、住居形態から職場での役職、年収、趣味や休日の過ごし方といったライフスタイルそのものを分析し、細かく設定して人物像を描きます。

つまり、自社が提供するサービスや製品の見込み客を具体化して出来上がった架空の人物像が「ペルソナ」です。その「ペルソナ」を活用して、より具体的なマーケティング戦略を立て、失敗するリスクを減らして成功への近道を実現をめざすのが、ペルソナマーケティングというわけです。

2.ペルソナマーケティングの目的

マーケティングや商品の開発には多くの人が携わります。年齢や性別、生い立ちや学歴、考え方も人それぞれです。個々が自社製品やサービスに対して抱いているイメージやアイデアは、同じチーム内でも同じとは限りません。

この状態でマーケティングを進めていくと、それぞれの思い描いている見込み客の人物像にバラつきが生じ、その結果、サービスのターゲット像が明確にならず、マーケティング活動でよい成果を期待するのは難しくなるでしょう。

このマーケティング活動に携わる関係者間のユーザー像に対する認識差を埋めるために、「ペルソナ」の作成が必要になるのです。このペルソナマーケティングによって、失敗しないためにとるべき戦略のビジョンが明確になります。

3.ペルソナマーケティングのメリット

ペルソナマーケティングの大きなメリットの一つは、自社プロジェクトの進行を効率よく円滑に進められることです。マーケティングに関係する人たちの間で知らず知らずのうちに、ユーザー像についての認識のズレが発生することは珍しくありません。

しかし、そのような状態で、またはその現実に気付くことなく作業を進めていくと、スケジュール通りにプロジェクトが進まなかったり、途中で無駄な作業が生じて時間と労力をロスすることになりかねません。

その点で、ペルソナをという架空の人物像をあらかじめ設定しておき、関係者間で共有して共通認識を持っていれば、スピーディーかつ効率的にプロジェクトを進めることができるのです。

自社製品やサービスの完成度を高めることができるという点もペルソナマーケティングのメリットでしょう。

ペルソナはプライベートな情報まで詳細に設定したユーザー像です。その架空の人格を念頭に置いてニーズを満たし、満足してもらえるようなサービスや製品を生み出すことに注力することは、さらなるユーザーを獲得してニーズを満たすことにもつながります。

その結果、ユーザーの視点を想定する精度が高まり、より満足度と完成度の高いサービスや製品提供につながるのです。

4.ペルソナマーケティングの注意点

失敗しないペルソナを設定するには、注意しなければいけない点がいくつかあります。まず、自社が提供する製品やサービスが、BtoBかBtoCかでペルソナの作成や設定が異なるという点です。

企業に向けてサービスを提供するBtoB取引の場合、対象が限定されており、サービスを受ける人の好みや気持ちよりも所属している企業の課題や組織の状況によってニーズが変わってきます。BtoBにおいては、ペルソナの精度を高めるために投入する時間や労力の割に、効果を得るのが難しい場合があります。

一方、個人を対象にサービスや製品を提供するBtoC取引の場合は、ペルソナが特に有効であるといえます。それはBtoCの場合、商品やサービスを利用する決定権がペルソナ本人の意思に委ねられているからです。

好みや生活パターン、社会的立場や家族構成といった詳細な情報を用いて作成したペルソナをモデルに、自社製品やサービスの改善を図ることで明確な対象に的確なサービスを提供することにつながるため、プロジェクトを成功に導くことができるでしょう。

一度作成したペルソナは時間とともに古いものとなります。世の中の状況や流行、ユーザーの環境は常に変化しているため、古いペルソナを使い続けていては、継続的な収益につなげていけません。そのため作成したペルソナは、定期的に構成要素を見直す必要があります。

5.ペルソナマーケティングの成功事例

スープストックトーキョーは、ペルソナマーケティングにより成功を収めた企業の一つとして有名でしょう。スープストックトーキョーは、「秋野つゆ」という都内在住37歳のキャリアウーマンをペルソナとして作成しました。

彼女の性格や好みを細かく設定し、「秋野つゆ」が気に入りそうなメニュー、店舗デザイン、立地条件などを細かく分析してマーケティング戦略として活用しました。その結果、スープストックトーキョーは驚異的に成長して成功を収めたのです。


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