OODAループとは?

OODAとは、Observe(観察)Orient(方向づけ)Decide(決定)Act(行動)という4つの言葉の頭文字を取った、目標達成のための考え方です。もともとはアメリカ生まれの言葉で、朝鮮戦争の時の空軍パイロットにより提唱されました。イラク戦争において実用性を実証したとして大きく注目され、ビジネスの世界でも応用されるようになりました。
OODAループ

PDCAとの違い

ビジネスにおける目標達成のメソッドには従来、「PDCA」がありました。実効性の高い方法論として認められています。ただ、現在の市場やニーズの激しい変化に対応するには、これだけでは不十分です。
PDCAの場合、最初に立てた計画が出発となって、進行中の状況が重視されます。要は、目標を達成するためのプロセスが重視されるのです。それに対して、OODAの場合はその場に合わせた柔軟かつ迅速な判断と実行が優先されます。より機動性に長けているのがOODAと言えるでしょう。

フレームワークとは

フレームワーク(framework)は物事を倫理的に思考するための枠組みという意味で使われています。状況や情報を的確に分析し、会社ごとに浮き彫りになった課題や方針へアプローチしていく手助けとなるものがフレームワークです。

OODAの各フェーズ

Observe

ビジネスでは取引相手や顧客、市場などをじっくり観察し、臨機応変さや柔軟さが求められる段階です。ビジネスは常に変化しています。そのような中では、先入観や思い込み等は柔軟な発想を阻害するものとなってしまいます。

Orient

1つ目の「O」で得られた観察結果をベースに、状況を判断し、適切な方向づけを行います。最初にじっくり観察してから判断を行うため、従来のやり方よりも的確な判断ができるようになるのがメリットです。

Decide

観察と状況判断を行った上での具体的な行動プランの策定になるため、実効性が期待できるプランとなるでしょう。

Act

ここまでの段階を経て、実際の行動を取ります。さらに、その結果を受け、新たなOODAの段階に移行します。このようにOODAのループを繰り返すことによって、より高次の目標達成を目指すというのが一連の流れです。

OODAループを実践した事例

OODAを実践した例を紹介しましょう。

織田信長が「楽市楽座」を実践したことはかなり有名でしょう。当時、商売は座によって独占されいました。しかしながらそれでは商いの活性化が損なわれてしまいます。それを危惧した織田信長は座を廃止したのです。

しかし座の制度は古くから続いており商人の反発や混乱を招いたのは言わずもがなです。ですが結果として彼の政策は功を奏しました。創造的破壊と言われる彼の施策は現在でも評価の対象となっています。ここでのOODAサイクルを分解してみましょう。

  • Observe・・座があることで商いの活性化に歯止めがかかっている。(座は古くからある制度だという先入観を捨て、客観的に物事をみる
  • Orient・・現状を分析した結果、「座」は廃止するという施策を考える
  • Decide・・施策のメリット・デメリットを検討し、十分な予測分析を経た後、施策断行を決意
  • Act・・楽市令を施行する

OODAループの現在の活用事例

OODAのループを早く回すことによって、ライバル企業よりも優勢な立場に立ち続けることが可能です。
Aという企業が新製品を発表したとしましょう。ライバル企業は、その製品を研究してから戦略を立てるため、どうしても後手に回ってしまいます。一方、OODAループを回すA社は、すでに新たな製品の開発やプロモーションなどの次のフェーズに移っているわけです。

まとめ

従来のPDCAよりも柔軟かつ迅速に的確な判断と行動が可能なOODAは、これからの組織づくりに大いに期待されています。変化の激しい時代だからこそ、必要とされる考え方のフレームワークです。