ヒューリスティック分析とは

ヒューリスティック分析の意味

ヒューリスティック分析とは、知識や経験が豊富なWebの専門家が経験に基づいて、WebサイトやアプリのUI・UXを分析する手法です。

この分析を行うことでWebサイト・アプリのユーザービリティを向上させること出来ます。

そもそも、ヒューリスティックという言葉の意味は、「経験・先入観に基づく」という意味を持っています。

その為、ヒューリスティック分析では必ず正しいというわけではないが正解に近い答えに辿りつくことができるという特徴があります。

ヒューリスティック分析のメリット・デメリット

ヒューリスティック分析は数人の専門家が行うため、短期間かつそれほど費用がかからないことがメリットになっています。さらに、競合他社のWebサイト・アプリと比較する為、

しかし、専門家の経験・知識に基づいて判断される為、しばしば主観性が強くなっていることがデメリットになっています。

ヒューリスティック分析の手順

ヒューリスティック分析を行うには以下の手順を踏みます。

1. 調査の前提条件を確認

まず初めに、「Webサイトからの問い合わせを増やしたい」、「アプリ内での購入数の増加」など目的を設定します。

調査の目的を設定することによって、既存のWebサイト・アプリでどこに着眼するかが明確になります。

例えば、Webサイトからの問い合わせを増やしたいなら、適切にCTAを配置しなければならないなど改善点が見えてきます。

2. 分析指標の作成

次に、分析指標を作成します。Webサイトの専門家がこれまでの経験から指標を作る段階です。

例えば、こちらのBtoBサイトのチェックリストをご覧ください。

・グローバルナビゲーションのメニューはできれば7つ以内にまとめ、CTAを含める
・日本語で、一目見て内容が想像できるラベリングとする
・英語や専門用語を使わない
・グローバルナビゲーションにはホームを必ず含める
・グローバル/ローカルナビゲーションでは、現在地を示すカレント表示を行う
・大きく読みやすい文字で、明らかにナビゲーションと思えるデザインにする
・ユーザーが頻繁に使うメニューは決して隠さない
・ドロップダウンメニューはクリックで展開する
・ドロップダウンメニューを展開した際にはコンテンツを隠さない

このように、ユーザービリティを指標にすることで、より適切な分析を行うことが出来ます。

3. 分析の実施

先ほど作成した指標を既存のWebサイト・アプリに照らし合わせてチェックを行います。

指標の確認が終われば、競合他社のWebサイトと比較していきます。

4. 課題の抽出

指標から分析を行うことで、改善案を抽出することが出来ます。

ユーザーにとって使い勝手の悪い設計を洗い出し、Webサイト・アプリの目標の達成に近づくことが出来ます。

ヒューリスティック分析の活用事例

多くの企業がGoogleアナリティクスなどといったアクセス解析ツールによって、客観的なアクセス分析を行っています。

しかし、それでも思うような集客が見込めないなどのWebサイトの目標が達成されないことが多くあります。

そこで、ユーザービリティに焦点を当てて、新しい観点で課題を見つけ出すためにヒューリスティック分析を行う専門家に分析を依頼します。

アクセスはそれなりに上がっているのに成果率がなかなか上昇しないというケースでは、専門家はランディングページに着目します。

そこで専門家は、ユーザーが見て魅力的だと思える説明や、CTAの配置の悪さなどに気付きます。

そして、競合サイトを見てみると、客観的なデータなどの詳細はそれほど充実していないものの、より心をつかむ表現方法を重視していることに目を付けました。

こうした点を見て、総合的にWebサイトの改善を提案することができます。

まとめ

このようにヒューリスティック分析は、専門家が経験に基づいてWebサイトやアプリのUI・UXを分析する手法です。

Webサイト・アプリの課題を抽出し、ユーザービリティを改善することはWebサイト・アプリの目標達成にはかかせられません。