ARPPUとは?

商品である以上、アプリをリリースするなら、マネタイズの工夫が必須です。それにはデータを収集し、それをもとに改善すべき点を洗い出し、新たな施策を打ち出す必要があります。そのための重要な指標が「ARPPU」です。これは「Average Revenue per Paid User」の略語で、課金ユーザー1人あたりの利用金額の平均をいいます。

ARPPUは、決まった期間(1日や1週間など)に、課金ユーザーがどのぐらいアプリに課金したかを明確にするために用いられます。その累積を計算することで、売上が具体的にどのように変化しているのかを把握することが可能です。アプリの収益を確認する上でも有用です。

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ARPUとARPPUの違い

ただ、ARPPUのみでは施策が本当に成功しているのかを判断するには不十分です。そこで、ARPPUと併せて「ARPU」を用いることによって、データの詳細な分析に役立てられています。

ARPPUは課金ユーザー1人あたりの利用金額の平均でしたが、ARPUは課金ユーザーに限らず、非課金ユーザーも含めたユーザー1人あたりの利用金額の平均を意味します。課金・非課金にかかわらず、アプリを利用するすべてのユーザーが対象であるため、ARPUがARPPUの数値よりも大きくなることはあり得ません。両者のバランスで施策の判断を行います。

ARPPUとARPU算出方法

ARPPUは課金ユーザー(Paid User)1人あたりの平均収益(Average Revenue)なので、売上を課金ユーザーの数で割ることで算出されます。

ARPPU = 収益 ÷ 課金ユーザー数

例えば1日の総ユーザー数5,000人で、課金ユーザーが50人、売上が50万円だった場合、1日のARPPU

ARPPU = 500,000 ÷ 50 = 10000 ARPPU:10,000円

となります。

また、この場合の1日のARPU)は

ARPU = 500,000 ÷ 5,000 = 100  ARPU:100円

となります。

ARPPUの活用事例

たとえば、ARPPUは高いのにARPUが低い場合を考えてみましょう。この場合、課金ユーザーが課金する金額は大きいのに、非課金ユーザーとまとめると平均利用金額が一気に下がるという状態です。ということは、一部の課金ユーザーが積極的にお金を使っているだけで、アプリのユーザーの多くが非課金ユーザーであることがわかります。

一部の課金ユーザーだけに収益を頼っていると、近い将来、収益の向上が困難になることは容易に予想可能です。ということは、非課金ユーザーが課金したくなるようなコンテンツを設ける必要があるといったように、具体的な対策が見えてきます。

まとめ

ARPPUは、既存の課金ユーザーが具体的にどのぐらい課金しているのかを把握するのに有効な指標です。課金金額が平均でいくらぐらいか、また、その金額が期間ごとにどう変化しているのかといったことを計測することで、アプリの収益状態を把握できるようになります。

しかし、ARPPUは一つの指標にすぎず、全ユーザーの動向を把握するには、ARPUなど他の指標も組み合わせて活用する必要があります。