アドフラウドとは?

アドフラウドとは不正広告の一種、ネット上の広告ビジネスの仕組みを悪用した手法でお金を不正に取得する手口のことです。

インターネットビジネスでは広告ビジネスの比重が高まっています。多くの人がネット上の広告を見て、クリックする、あるいは広告のリンク先で商品を購入することで報酬が発生します。アフィリエイトがその代表格ですし、近年では動画配信サイトでも広告収入が大きな市場を形成しています。こうした状況を悪用する形で詐欺業者が広告を不正な形で表示することをアドフラウドと呼んでいます。

広告がたくさんクリックされることで報酬が発生するなら、無効なインプレッションやクリックによってクリック数や成約件数を増やすようにすれば報酬を増やすことができるわけです。本来ならクリック数は広告効果を評価する上での指標になり、だからこそ報酬が発生するわけですが、アドフラウドのような形で不正に水増しされた形で得た結果は売上増や知名度アップに役立つ「成果」には結びつきません。

例えばある会社が広告を売ったとして、その広告を詐欺業者が不正に表示させてクリック数やアクセス数を増やしたとするとその会社はその数字に見合う広告費を支払う必要があります。しかし当然そのような手法で得たクリック数やアクセス数はマーケティングには役立ちませんから、広告費を無駄に支払う形になってしまうのです。

すでにネットビジネス先進国アメリカでは深刻な問題となっており、2016年のデータで年間の被害が約8000億円規模にまで膨れ上がっていると言われてれいます。日本ではまだそれほど大きな被害が報告されていませんが、今後ネットビジネスの市場が核出していくにつれて被害も増えていくことが予想されています。実際、国内でもアドネットワークにおける不正表示の割合は4パーセント程度、数字上はそれほどではないかもしれませんが、例えば1兆円市場なら400億円規模の被害が発生する計算になります。

アドフラウドの対策事例

ですからアドフラウドの不正を防ぐための対策が主眼となっています。そのポイントとなるのがアドフラウドの見極めです。現在よく見られている不正広告では「クリック洪水」「ボット」「インストールハイジャック」「インストールバリデーション」などの手口が挙げられます。それらをできるだけ早く見極めたうえで排除することができるか。そのための計測ツールなども開発されており、導入が進んでいます。またアドフラウドの検出・ブロックのサービスを提供している業者なども存在しています。

まとめ

このようにアドフラウドはネットビジネスならではの不正行為であり、しかも犯人を特定するのが難しいという難点を抱えています。放置しておくと金銭的な被害を受けるだけでなく、意図しない場所で広告が配信されることでブランドイメージの毀損といった被害が生じることもあります。積極的なネットマーケティングを検討している会社は必ず意識した上で対策などを行っていく必要があるでしょう。