チャーンとは?

チャーン(Churn)とは、「かき混ぜる」という意味の英語に由来したビジネス用語で、顧客がサービスの解約をするという意味があります。一定期間に顧客からサービス解約が行われたり、契約を解除して退会することを「チャーン・アウト」と呼びます。また一方で、同業他社から乗り換えて新規契約することを「チャーン・イン」と言います。また、これまでは有料会員だった顧客が無料会員に変更することを、「カスタマー・チャーン」と呼ぶこともあり、いくつかの使い方ができます。

こうした顧客の動向は、普及率が既に飽和状態と言われているインターネットの接続サービスやプロバイダー、また携帯電話などの業界で起こりやすい傾向があります。多くの顧客にとっては、これらの業界におけるサービスはどこも大きな品質の違いがあるわけではない、という印象を持つことが多いものです。そのため、契約時についてくる特典や条件、また月額利用料金などによって利用業者を変えるという背景があります。

ビジネスにおいては、顧客がどのぐらいサービスを切り替えたり解約したかという点を割合を示す%やレートで表すことが多いです。業界によって平均的なチャーンレートは異なりますが、平均3%~10%程度が一般的です。

チャーンの活用事例

インターネットで映画やテレビ番組を楽しめるNetflixを例に挙げてみましょう。2018年におけるNetflixのチャーンレートは2%程度でした。しかし翌年の2019年には、レートが3.5%まで上昇してしまいました。これは、100人の顧客がいたら以前では2人しか解約することがなかったのに、2019年には3.5人が解約したということです。チャーンレートが高くなると、企業の営業利益にもマイナスの影響があります。

チャーンレートが高くなった理由には、ディズニープラスが出現して競合が増えたという点が考えられます。またこのほかにも、世界的に人気を博すケーブルテレビのシリーズが放送終了となると、解約する顧客が増える事態も懸念されます。

チャーンレートの変動を把握することは、なぜ顧客が離れたのかという理由が分かるという点だけではなく、今後起こる可能性のある顧客離れの要素を未然に防止する戦略にもつながります。

まとめ

チャーンは、ITや通信系の業界で起こりやすい現象です。顧客がサービスを解約したり退会する割合を表すチャーンレートは、競合他社の存在を認識したり、将来の顧客離れを予測して必要な対策を講じるなど、事業展開や戦略に活用することができます。