AIの進化によって、LP制作のハードルは劇的に下がりました。コンテンツライティング、設計、デザイン、コーディング。かつては専門スキルがなければ手を出せなかった領域がAIによって、プロンプトひとつで形になる時代です。

 

実際、SNSやブログでは「AIだけでLPを作ってみた」という発信を見かけることが増えました。整ったデザインで、秀逸なコピーやコンテンツが掲載されており、少し前なら外注していたレベルのものが、自分の手元で数時間で出来上がってしまう。それほど手軽に作れるなら、制作会社やコンサルなどの外部パートナーに依頼しなくても良いのでしょうか。

 

結論から言えば、そう簡単な話ではありません。

なぜなら、AIによってLPは簡単に「作れる」ようになりましたが、そのLPが「成果を生むかどうか」はまったく別の話だからです。これは、AIの性能が上がるだけでは埋まらないギャップです。

 

この記事では、AIがLP制作の何を変えたのか、どこまで活用できるのかを整理したうえで、それでも残る課題感と、これからのLP制作に求められる視点を解説していきます。

AIが変えたLP制作の3つのプロセス

まずはじめに、AIがLP制作の現場で何を変えたのか、整理しておきましょう。大きく変わったのは、コンテンツライティング、デザイン、コーディングの3つです。

 

  • コンテンツライティング:商材の特徴やターゲット情報を入力すれば、ファーストビューからCTAまでのコピー案やコンテンツ案が数分で出てきます
  • デザイン:デザイナーやディレクターでなくても、構成の意図を伝えればAIがワイヤーフレームやデザイントークンを活用した配色パターンを提案してくれます
  • コーディング:Claude CodeやFigma MCPを活用すれば、デザインデータからコードの生成・実装まで誰でも進められるようになりました

 

いずれも共通しているのは、「外部の専門家に依頼しなければ始まらなかったこと」が、社内担当者の間で完結できるようになったということです。コストも時間も大幅に圧縮できる。これ自体は間違いなくポジティブな変化です。

 

ただし、「作れるようになった」ことは「成果が出るようになった」こととイコールではありません。むしろ、手軽に作れるようになったからこそ、見落とされやすくなった問題があります。

LP制作で「作れること」と「成果が出ること」を混同してはいけない

AIの普及によって、LPは簡単に作れるようになりました。しかしその手軽さゆえに、「作ること」自体が目的化し、本来の目的・ゴールである「成果を出すこと」に意識が向けられていないケースも増えています。

AIが作るのは「よくあるLP」

生成AIは大量のWebコンテンツやマーケティング事例を学習しています。だから、一般的なLPの構成やコピーの型はよく知っています。ファーストビューにキャッチコピーを置き、課題提起をして、サービスの特徴を並べ、お客様の声を入れ、CTAで締める。そういった「よくあるLP」は上手に作れます。

 

ただ、それは「他社事例の寄せ集め」でもあります。自社の商材が持つ独自の強み、ターゲットが本当に抱えている不安や悩み、競合との違いをどう見せるか。こうした自社固有の文脈は、AIに指示しなければ反映されません。そして、何を指示すべきかを考えるには、自社のビジネスへの深い理解も必要です。

広告とLPの一貫した設計をAIに任せるのは難しい

さらに、LPは単体で成果を出すものではありません。

どの広告から流入するのか、広告で何を伝えてからLPに来るのか、LP上でどんな順序で情報を見せるのか。広告とLPの一貫した設計があってはじめてコンバージョンにつながります。AIは「LPのコピーを書く」ことはできても、「この広告から来たユーザーに、このLPで何を伝えるべきか」という設計までは完璧にやってくれません。

LPは公開してからが本番

LPは公開してからが本番です。実際のデータを見て、どこでユーザーが離脱しているのか、どのCTAが効いているのかを検証し、改善を繰り返す。この改善サイクルを回すには、データの読み解きと施策の優先順位づけが不可欠です。AIに「改善案を出して」と聞くことはできますが、前提となるデータや指標が整理されていなければ、的外れな提案が返ってくるだけでしょう。

 

「作れること」と「成果が出ること」の間にあるギャップは、AIの性能ではなく、データをどう解釈し、どの施策に落とし込むかという判断の質に依存します。つまり、AIを使う側の体制と判断力がより問われるようになっているのです。

LP制作における「作業」と「判断」の切り分け

ここまで見てきたギャップを、もう少し整理してみましょう。AIが得意なのは「作業」です。一方で、成果を左右するのは「判断」です。この2つを切り分けて考えることが、AI時代におけるLP制作では重要になります。

AIが担える「作業」

AIが担える「作業」は、たとえばコピーのたたき台やワイヤーフレームの生成、HTMLやCSSのコーディング、ABテスト用バリエーションの量産といった領域です。いずれもスピードと量の面でAIが圧倒的に優れています。

人間が担うべき「判断」

一方で、人間が担うべき「判断」があります。誰に向けたLPなのか、その人は何に悩み、何を求めているのか。自社の商材のどの強みを、どの順序で伝えるのか。広告で打ち出したメッセージと、LP上のストーリーに一貫性があるか。CVポイントをどこに置き、どんなハードルの高さに設定するか。これらはすべて、自社のビジネスとターゲットへの理解がなければ下せない判断です。

AIへの丸投げが失敗を生む

よくある失敗は、この「判断」もAIに委ねてしまうことです。AIに「自社のサービスLP作って」とチャットすれば、何かしらは出力してくれます。しかしそれは、AIが「一般的に良いとされるLP」を組み立てただけであり、自社にとって最適な設計ではないはずです。AIを最大限活用するには、まず「判断」を人間がしっかり行い、その判断に基づいて「作業」をAIに任せる。この順序が成果を分けるポイントです。

 

では、その「判断」を自社だけで完結できるかというと、そう簡単ではありません。

自社内で完結を目指したときに直面する課題

「判断」が大事だとわかっていても、自社内で完結させるのは簡単ではありません。AIを活用する以前に、乗り越えなければならない課題がいくつもあるからです。

課題1:担当者の時間不足

まず、担当者の時間の問題です。現場のWeb担当者やマーケターは、日々の広告運用、サイト更新、社内調整、レポート作成に追われており、LPの設計や改善にじっくり向き合える時間はほとんどありません。AIで作業が効率化されても、「何をやるべきか」を考える時間がなければ、結局AIを使いこなすこともできません。

課題2:データが揃わない

次に、データの問題です。LPの改善を回すには、広告の数値データ、LP上のユーザー行動、コンバージョンデータなどを一貫して見る必要があります。しかし実際には、広告データは代理店が管理していて手元にない、GA4のイベント設定が不十分で必要な数字が追えていない、CRMのデータは別システムに入っている。クリエイティブ関連の必要なデータがバラバラに散らばっている…。AIに分析を任せようにも、肝心のデータが揃っていなければAIからまともな回答は得られないでしょう。

課題3:KPIと改善プロセスが未整備

そして、KPIと改善プロセスの整理です。「CVRを上げたい」という目標はあっても、LP上のどこを、どの指標で測り、どう改善するかが体系化されていないケースは珍しくありません。過去にどんな施策を試して、何が効いて何が効かなかったのか。そうした知見も属人的で、記録されていないことがほとんどです。改善の土台となるフレームワークがなければ、AIに聞いても的外れな提案しか返ってきません。

そして、これらをリードする人材がいない

これらの課題に共通しているのは、個別に解決しようとしても難しいということです。データを整備するにも、KPIを体系化するにも、広告運用・コンテンツ設計・UI/UX設計・アクセス解析といった複数の領域を横断的に見る視点が必要です。

 

しかし、これらすべてに精通した人材が社内にいる企業は多くありません。AIが個別の作業を肩代わりしてくれても、「全体として何を優先し、どこにリソースを集中させるべきか」という判断には、幅広い経験と専門知識が求められます。

 

これらの課題は、AIの性能向上だけでは解決しません。ツールの問題ではなく、組織と体制の問題だからです。

これからのLP制作に求められること

生成AIによって「作ること」は誰でもできるようになりました。だからこそ、「どう作るか」「どう改善し続けるか」という本質的な部分の重要性は、これまで以上に高まっています。では、これからのLP制作に求められるものは何か。具体的に見ていきます。

制作と運用を一体で回す体制

これからのLP制作には、制作と広告運用を一体で回せる体制が不可欠です。LPは制作することや公開がゴールではありません。どのような方法で集客し、LPでユーザーに何を伝え、どうコンバージョンにつなげるか。この全体の流れを設計し、データを見ながら改善し続けてはじめてLPは成果につながります。制作と運用が分かれている体制では、どれだけ良いLPを作ってもデータに基づいた改善が機能せず、LPがもたらす成果の最大化にはつながりません。

「納品」ではなく「伴走」するパートナー

そして、この体制を自社だけで構築するのが難しいからこそ、外部パートナーの役割が変わります。従来の外部パートナーの価値は「作業を代行すること」にありました。しかし、AIがLP制作を担えるようになっている今求められているのは、お客様のビジネスを深く理解したうえで「LPで誰に何を伝えるのか」「なぜそう作るのか」を一緒に考える力です。

 

LPを「納品」する会社ではなく、単なるツールの知識や作業の代行でもなく、自社の事業をよく理解してくれているプロフェッショナルが、広告戦略からLP設計、公開後の改善まで伴走してくれる。データの整備やKPIの体系化、全体を俯瞰した優先順位づけなど、乗り越えるべき課題を一緒に越えていく。AI時代におけるLP制作では、このような伴走型のパートナーの価値が、これからより一層高まっていくでしょう。

 

AIが作業を担う時代だからこそ、「誰と伴走し、意思決定していくか」がLPの成果を決めていくのです。

デジマールのLP制作支援

AI時代のLP制作は、「誰でも作れる」からこそ、「どう成果につなげるか」が問われるフェーズに入っています。AIを活用して制作のスピードを上げることと、成果が出るLPを設計・改善し続けることは、まったく別の課題です。

 

デジマールでは、広告運用チームとLP制作チームがワンチームでお客様の課題に伴走します。広告の配信データとLP上のユーザー行動を一貫して分析し、「どの広告から来たユーザーに、何をどう伝えるか」を制作と運用の両面から設計します。

 

データの整備やKPIの体系化、改善の優先順位づけなど、社内だけでは手が回りにくい部分やAIに任せづらい部分も、広告とLPの両方を見ているチームだからこそ一緒に整理できます。LPを納品して終わりではなく、公開後のデータをもとに改善を回し続ける。制作と運用を分断せず、一体で伴走する体制がデジマールのLP制作の形です。

 

  • LPを作ったものの、改善まで手が回っていない
  • LP制作と広告運用が別々で、一貫した設計ができていない
  • AIで作ってみたが、成果につながらなかった

 

このような課題を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

無料相談・お問い合わせはこちら →

著者情報

清野 侑汰
Yuta Seino

清野 侑汰

【クリエイティブディレクター】

システムエンジニアからキャリアをスタートし、現在はクリエイティブディレクターとしてWeb・広告・SNSなど幅広いデジタルマーケティングに携わっている。これまで培った経験から、組織のあり方がクライアントの成果や価値提供に直結することを実感し、「Webサイトを通じて課題解決を最大化できる組織づくり」に強い関心を持つ。現在はClaudeをはじめとする生成AIを活用したクリエイティブ制作と共に、クリエイティブ部門の拡大と成長を牽引しながら、多くのクライアントの事業成長に伴走。