LINE広告を運用している方の中には、インプレッションがどのようにカウントされているのかわからない方や「インプレッション数が思ったように伸びない」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、インプレッション数を増やすためには、オークション分析を活用し、適切な広告設計を行うことが重要です。

 

この記事では、LINE広告のインプレッションの基本的な定義やカウント基準、「リーチ」との違いについて解説します。さらに、オークション分析で確認できる指標(インプレッションシェア・損失率など)や、インプレッションを改善する具体的な方法もご紹介。執筆は、豊富な広告運用実績を持つデジマールの社員が担当します。

 

この記事を読めば、LINE広告のインプレッションの仕組みが理解でき、改善策を実行するための知識が得られます。

 

LINE広告でのインプレッションの定義

インプレッションとは、広告がユーザーに表示された回数を指します。これは、広告が配信された頻度を示す基本的な指標であり、広告の露出度を測る際に使用されます。

 

LINE広告におけるインプレッションは、広告がユーザーの画面に表示された時点で1回とカウントされます。広告フォーマットごとのインプレッションのカウント基準は以下の通りです。

 

  • 静止画の広告:静止画の領域がユーザーの端末に100%表示されることでカウントされる。
  • 動画の広告再生有無にかかわらず、(サムネイルの状態だとしても)動画の領域がユーザーの端末に100%表示されることでカウントされる。
  • カルーセル広告:いずれかのカードの静止画の領域がユーザーの端末に100%表示されることでカウントされる。

 

(参考:※1)

 

「リーチ」との違い

インプレッションとよく似ている指標に「リーチ」があります。両者の違いは、以下の通りです。

 

インプレッション

広告が表示された総回数。同じユーザーに複数回表示された場合、その都度カウントされます。

リーチ

広告が到達したユニークユーザー数。同じユーザーに複数回表示されても1回とカウントされます。

 

例えば、ある広告が100回表示され、そのうち80人のユーザーに届いた場合、インプレッション数は100、リーチ数は80となります。

 

オークション分析とは

 

インプレッションの改善方法を見ていく前に、改善時に役立つ「オークション分析」について説明します。

LINE広告では、広告枠に表示する広告を決定する際にオークションを行っています。オークション分析では、そのオークションの勝率を確認することができます。

 

*LINE広告のオークションの流れについては、「LINE広告最適化|自動入札の入札戦略や仕組み、ポイントを徹底解説」をご覧ください。

 

オークション分析で確認できる指標

オークション分析を行うことで、以下のような指標を確認できます。

 

◯インプレッションシェア

インプレッションシェアとは、広告表示機会の総数のうち、実際に広告が表示された回数の割合を示す指標です。具体的には、以下の式で計算されます。

 

インプレッションシェア = 実際のインプレッション数 ÷ 広告表示の可能性のあったインプレッション数

 

この指標により、広告が潜在的に表示され得た回数のうち、実際にどれだけ表示されたかを把握できます。

 

◯インプレッション損失率(予算)

インプレッション損失率(予算)は、広告表示機会の総数のうち、予算不足により広告が表示されなかった割合を示します。計算式は以下の通りです。

 

インプレッション損失率(予算) = 予算不足による失注インプレッション数 ÷ 広告表示の可能性のあったインプレッション数

 

この指標が高い場合、予算の増額や配分の見直しが必要となります。

 

◯インプレッション損失率(ランク)

インプレッション損失率(ランク)は、広告表示機会の総数のうち、広告の品質や入札額が競合に劣るために表示されなかった割合を示します。計算式は以下の通りです。

 

インプレッション損失率(ランク) = ランク不足による失注インプレッション数 ÷ 広告表示の可能性のあったインプレッション数

 

この指標が高い場合、広告のクリエイティブ改善や入札戦略の見直しが求められます。

 

注意点

オークション分析を活用する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 広告グループ単位でしか確認できない。キャンペーンや広告単位での数値を確認することはできない。
  • リーチを目的とするキャンペーンを利用している場合は表示されない
  • 配信機会が少ないと指標が表示されない場合があります
  • 広告マネージャーでのみの表示となり、ダウンロードレポートには反映されない。

 

確認方法

オークション分析の指標は、LINE広告の管理画面上で確認できます。具体的な手順は以下の通りです。

 

1.管理画面にログインし、確認したい広告アカウント名をクリック。

 

2.広告マネージャーの広告グループタブを開く。

 

3.[表示項目]>[表示項目を変更]をクリック。

[表示項目]ボタンの場所

 

4.[オークション分析]にチェックを入れる。

チェック箇所

5.[適用]をクリックすると、ダッシュボードのカラムに3つの指標が追加される。

 

(参考:※2)

 

LINE広告インプレッションを増やす5つの方法

LINE広告のインプレッション数を増やすためには、以下の5つの方法が効果的です。

 

①予算の増額

広告の表示回数を増やす最も直接的な方法は、広告予算を増やすことです。予算を増やすことで、広告の配信量が増加し、結果としてインプレッション数の向上が期待できます。

 

特に、「インプレッション損失率(予算)」の数値が高い場合は、「1日の予算」の増額が有効です。「1日の予算」が十分ではないため入札に参加できず、広告の表示機会を逃している可能性があります。

ただし、予算の増額は費用対効果を考慮し、適切に行うことが重要です。

 

②入札の強化

入札額を引き上げることで、広告の競争力が高まり、表示機会が増えます。特に、「インプレッション損失率(ランク)」の数値が高い場合は、入札額が競合に劣っていることで広告の表示機会を逃している可能性があるため、入札額の調整が効果的です。

 

入札強化の例としては、手動入札で入札額を上げる、または自動入札の入札戦略でイベント単価の上限や目標を上げるなどがあります。

 

ただし、入札額の上昇はコスト増加につながるため、目標とする成果や予算とのバランスを考慮して設定することが重要です。

 

③クリエイティブの改善

LINE広告では、クリック率が高い広告ほど表示回数が多くなり、クリック率が低い広告はほぼ表示されないという傾向があります。

 

そのため、魅力的でユーザーの関心を引く広告クリエイティブを作成し、広告のクリック率(CTR)を向上させることで、結果として広告が掲載されやすくなり、インプレッション数が増加します。定期的にクリエイティブを更新し、ユーザーの興味を引き続けることが重要です。

 

④ターゲティングの見直し

ターゲティング設定が過度に絞り込まれていると、広告の表示回数が減少する可能性があります。性別、年齢、地域、興味関心などの設定を広げることで、より多くのユーザーにリーチでき、インプレッション数の増加につながります。

 

ただし、ターゲット層を広げすぎると広告の効果が薄れる可能性があるため、バランスが重要です。

また、より興味を示してくれるターゲット層に見直すことができれば、自然とクリック率が上がり、インプレッション数が増加するということもあります。

 

⑤配信先の増加・複数の広告フォーマットを入稿

広告の配信先を増やし、様々な広告フォーマットを活用することで、ユーザーの目に留まる機会を増やすことができます。

LINE広告では、トークリスト、LINE NEWS、LINE VOOMなど多様な配信面があり、これらを組み合わせることで効果的なリーチが可能です。

 

また、一部の広告フォーマットのみ掲載する配信面も存在するため、様々な配信面に広告を掲載させるには、複数のフォーマットを入稿する必要があります。

 

(参考:※3)

 

インプレッションを増加させる際の注意点

インプレッションを増加させると、どのような課金方式であっても、より多くの広告費がかかってしまう可能性があります。

そのため、インプレッションを増加させる際は、インプレッションの増加に伴う広告費の増加が、配信効果に見合うのかどうかを考慮する必要があります。

 

判断指標としては、インプレッション単価やコンバージョン単価などがあります。

インプレッションを増加させる施策によって、インプレッション単価やコンバージョン単価が許容できる範囲を超えてしまうのであれば、インプレッションの増加は行わない方が良いでしょう。

 

インプレッションを抑える方法

上記では、LINE広告のインプレッションを増加させる方法をご説明しましたが、LINE広告を運用している中では、無駄なインプレッションが増えすぎて費用がかかりすぎるという場合もあるでしょう。

 

そのような場合は、増加させる方法と反対の施策を行い、インプレッションを抑える必要があります。

 

例えば、1日の予算の減額、ターゲティングや配信先を絞るといった方法があります。

 

しかし、インプレッションを抑制しすぎると、目標とするコンバージョン数を獲得するために必要な表示回数、クリック数が確保できなくなる可能性があるため注意が必要です。

 

LINE広告のインプレッション最適化は簡単ではない

 

LINE広告のインプレッションは、ただ広告を配信するだけでは増えません。オークションの仕組みを理解し、適切な入札戦略やターゲティングを行い、なおかつ品質の高い広告クリエイティブを作成する必要があります。しかし、これらを社内だけで最適化するのは難しく、時間もかかります。そのような場合は、専門の広告代理店に運用を依頼することがおすすめです。豊富な実績と知識を持っているプロであれば、迅速にインプレッションの最適化を実現してくれるはずです。

 

LINE広告の運用改善はデジマールにお任せください

 

デジマールでは、LINE広告のインプレッション最適化を含め、広告戦略全般をサポートしています。ターゲティングの見直し、適切な入札戦略の設定、広告クリエイティブの改善提案など、貴社の広告効果を最大化する施策をご提供します。まずはお気軽にご相談ください。

 

デジマールの強みの1つは、広告運用コンサルチームとデザイナーチームの連携です。デジマールには、広告運用コンサルタントに加え、デザイナーも所属しています。

 

両者の強固な連携により、スピード感を持って高品質のクリエイティブを制作いたします。また、デザイナーも打ち合わせに参加することができ、クリエイティブの微調整を効率的に実施することができます。

 

デジマールのその他の強みやサービスの詳細については、以下からご覧ください。

 

 

 

 

 

※1:LINE広告 for Businessよくある質問|LINE広告ではどのような基準で「インプレッション」がカウントされますか?

※2:LINE広告|オークション分析を確認する方法

※3:LINE広告 for Businessよくある質問|インプレッション損失率が高い場合はどうしたら良いですか?

 

著者情報

萩原 輝
Hikaru Hagiwara

萩原 輝

2024年6月からデジマール株式会社のSEOを担当。デジマールの広告運用講座「デジマカレッジ」を受講中。デジタルマーケティング以外にも、AIや経済、語学など様々なことに興味があり、現在は書籍やWebメディアなどでの学びに注力。大学では、高齢者による観光の重要性について研究。趣味はお笑い鑑賞。