LINE広告を活用して効果的に集客を図りたいけれど、「審査で否認されないためにはどうすればよいのか知りたい」と感じている広告運用者の方も多いのではないでしょうか。結論を述べると、審査プロセスを理解し、審査前にLINE広告の審査基準に満たしているか、NG例と合致する点はないかを確認することが重要です。この記事では、LINE広告審査の種類や審査期間、審査基準をわかりやすく解説し、審査前の確認事項をお伝えします。
執筆は、数々の広告運用を支援してきたデジマールの社員が担当いたします。この記事を読むことで、審査の概要や基準の詳細、注意すべきNG例などを把握でき、LINE広告の審査に自信を持って対応できるようになるはずです。
LINE広告審査の種類と審査期間
LINE広告の審査には、広告アカウント審査と広告審査の2種類があります。2つの審査を合わせて5~10営業日ほどかかります。
以下では2つの審査についてもう少し詳しく解説いたします。
広告アカウント審査
広告主が広告配信を管理するためのアカウントである「広告アカウント」の承認を得る際に行われる審査です。
審査のタイミング、審査期間、審査対象は以下の表のとおりです。
審査のタイミング | 広告アカウントの作成が完了し、広告アカウントに紐付く請求先情報にクレジットカードを登録できれば審査を開始できます。 |
審査期間 | 5営業日程度 |
審査対象 | 広告アカウント作成時に入力する、「請求先情報」「広告主情報」「商材情報」「基本情報」 |
広告審査
作成した広告クリエイティブやランディングページ(LP)がLINE広告のガイドラインに適合しているかによって、広告の掲載可否が判断されます。
審査のタイミング、審査期間、審査対象は以下の表のとおりです。
審査のタイミング | 広告アカウントが承認済みで、キャンペーン、広告グループ、広告を保存できていれば、審査を開始できます。 |
審査期間 |
広告アカウントが承認前に広告を作成した場合:広告アカウントが承認されてから5営業日程度 広告アカウントの承認後に広告を作成した場合:広告作成から5営業日程度(最短5分) |
審査対象 |
・画像/動画/カルーセル(メディアより登録したもの) ・タイトル ・ディスクリプション ・アクションボタン <ウェブの場合> ・ランディングページ ・リンク先URL(任意) <アプリの場合> ・アプリ ・遷移先 |
2023年のLINE広告のアップデートにて、審査システム・体制が強化され、審査時間が最短5分と大幅に短縮されました。
LINE広告の審査日数について
LINE広告の審査日数は、営業日のみをカウントするため、土日は含まれません。例えば、10営業日かかるということは、実際は土日を含めて2週間ほどかかるということです。
(参考:※1、※2)
LINE広告の審査状況を確認する方法
LINE広告の審査状況は広告マネージャーの「広告アカウント」タブから確認できます。
ステータスは、「利用可能」・「審査中」・「否認」の3種類です。
配信ステータスの項目にカーソルをもっていくと、審査状況や否認理由が表示されます。
LINE広告のサービスポリシー
LINE広告の審査基準を見ていく前に、審査を行うLINE広告側がLINE広告というサービスを提供する上で、何を重要視しているのかを把握しましょう。
LINE広告は、子どもから大人まで幅広い年齢層のユーザーに対して広告配信を行うプラットフォームです。そのため、LINE広告を運営するLINEヤフーはユーザー視点を最も重視しています。
情報の受け手(ユーザー)がどう感じるか、必要とする情報を適切な形で提供しているか、不快に感じることはないか、すべてのユーザーが安心・安全にサービスを利用できているかを重視しています。
(参考:※3)
LINE広告アカウント審査の審査基準
広告アカウントの審査では、作成時に入力した内容(「請求先情報」「広告主情報」「商材情報」「基本情報」)に不備がないか、LINE広告を利用できない業種・サービスでないかなどが審査されます。
入力内容の不備の詳細については、後述する「LINE広告審査でよくあるNG理由>広告アカウント審査でのNG理由」をご覧ください。
以下では広告を利用できないNG業種・サービスについて説明します。
LINE広告を利用できないNG業種・サービス
以下の業種・サービスはLINE広告を利用できません。下記に該当すると判断された場合は、広告アカウントの開設が認められない、または広告アカウントの運用の停止・利用契約解除などの措置がとられます。
- 特定の宗教、および宗教団体
- ギャンブル関連(公営競技・宝くじ、スポーツ振興くじ・パチンコ等は除く)
- アダルト関連
- 連鎖販売取引
- たばこ、電子タバコ(認められる場合もある)
- 武器全般、毒物・劇物
- 未承認医薬品・医療機器等
- 情報商材
- チケット不正転売
- その他当社が不適合と判断した業種・業態、商品・サービス
(参考:※3)
広告・LP作成時の3つの注意点
広告審査では、広告クリエイティブについてやランディングページ(LP)と広告の関連性について審査が行われます。
以下では、広告審査をスムーズに通過するために、広告クリエイティブやLPの作成時に注意する点を説明します。
注意点1:広告・LP(遷移先)の内容の不備をなくす
内容の不備とされるのは以下のような場合です。
- 誤字脱字がある
- 広告アカウントの登録情報と広告・ランディングページ(遷移先)の情報が異なる
もし広告アカウント作成時に入力した内容が誤っている場合は、広告アカウントを作り直す必要があります。
- LINEのコンテンツと誤認または混合する可能性がある表現を含む
LINEが利用しているロゴやキャラクター、サービスなどを用いることで、ユーザーにLINEコンテンツ、またはLINEが認定するコンテンツと誤認される可能性がある表現は禁止されています。
- ランディングページ(遷移先)内のリンクをクリックするとエラーが出る
- 広告とランディングページ(遷移先)に掲載している内容に相違がある
(参考:※4)
注意点2:クリエイティブガイドラインの遵守
クリエイティブガイドラインでは、以下の事項を遵守するよう定められています。
・広告主情報の明示 -広告主正式名称/広告主住所/代表者名/問い合わせ可能な連絡先を明示 |
・業界の自主基準、公正競争規約等の遵守 |
・リンク先の制限 -アカウントやクリエイティブと関係のないページへリンクすることはできない。 |
・第三者が権利を有するものを使用した表現の禁止 |
・虚偽又は誇大な表現の禁止 |
・最高、最大などの断定的な表現の制限 -データの出典元の明記や正確な引用が必要 |
・消費税に関する表示 ー消費税法で定められた表示義務を遵守する。 |
・視覚的に注意を引くことだけを目的としたように見える表現の禁止 -例)「速報」「注意」「緊急」などの表記 |
・紛らわしく誤解を与えるような表現の禁止 |
・遷移先で個人情報を取得する際の配慮 -遷移先がLINEと無関係であるとわかるようにしなければならない。また、過度もしくは露骨な会員登録訴求は禁止されている。 |
・LINEロゴ利用ガイドラインの規定に抵触する表現・内容の配信の禁止 |
・「友だち」の表記 -「友だち」以外の表記はNG。例)「友達」「ともだち」 |
・LINE友だち追加への誘導 -未承認のLINE公式アカウント、個人・グループのディープリンクは掲載できない。 |
・スマートフォンで操作閲覧できないページへの遷移の禁止 |
・ユーザーの意に反する広告の禁止 |
・有用性が低いと判断される広告の禁止 -例)情報量が極端に乏しい広告、ユーザーにとってわかりにくい表現 |
・ユーザーが不快と感じるおそれがある表現の禁止 |
・投機心や射幸心を煽るおそれのある表現の禁止 |
・不適切な広告の禁止 |
・子どもに対する配慮 |
・ターゲティング対象であるとユーザーに認識される表現での配慮 -「〇歳の方へ」「〇〇にお悩みの方へ」などの表現を用いる場合は、ユーザーに不快感・嫌悪感を与えないよう配慮が必要 |
・ダブルスポンサーの広告の禁止 |
(参考:※3)
注意点3:広告掲載にあたって規制・基準がある商材の把握
特定の商品カテゴリに関しては、広告掲載に際して厳格な規制や基準が設けられています。特に以下の商品については注意が必要です。
- 化粧品・薬用化粧品(医薬部外品)
- 食品・健康食品
- 医薬品・医療機器
- 医療機関
- 健康器具・美容関連器具
化粧品、医薬部外品、医薬品、医療機器等の商品は、厚生労働省が定める「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」および「医薬品等適正広告基準」に基づき、広告表現が厳しく制限されています。
効能効果の表示は承認された範囲内でのみ可能であり、条件がある場合は広告内で明示・記載し、安全性や効能効果を保証する表現は避ける必要があります。
LINE広告審査でよくあるNG理由
LINE広告の審査において、否認される主な理由を理解し、事前に対策を講じることが重要です。広告アカウント審査でのNG理由と広告審査でのNG理由を分けてご説明します。
広告アカウント審査でのNG理由
広告アカウント作成時には、「請求先情報」「広告主情報」「商材情報」「基本情報」
という4つの情報を入力します。この中でも、「広告主情報」「商材情報」での不備が理由で否認されるケースが多いため、「広告主情報」「商材情報」に関するNG理由をご説明します。
項目 |
NG理由 |
広告主情報 |
「広告アカウント作成時に入力した広告主名称」と「広告主ウェブサイトURLで確認できる広告主名称」が異なる |
「広告主ウェブサイトURL」に不備があり、ウェブサイトが正常に表示されない |
|
「広告主ウェブサイトURL」を確認しても、広告主の詳細が不明である |
|
商材情報 |
広告アカウントカテゴリーの不備 |
広告アカウントに紐づく、LINE公式アカウントのベーシックID/プレミアムIDの不備 |
広告審査でのNG理由
広告審査でよくあるNG理由については、広告・メディアに関するNG理由と、LPに関するNG理由に分けてご説明します。
項目 |
NG理由 |
広告クリエイティブ |
各種関連法規に抵触する恐れがある 例)薬機法にて承認されていない効能効果を暗示・明示する表現やビジュアル/著作権を有するものを無断で使用する |
ユーザーが不快と感じる可能性がある 例)人体のコンプレックスに関わる表現/過度な肌露出 |
|
テキスト・画像・動画・LPの関連性が認められない |
|
広告アカウント作成時に登録した広告アカウントカテゴリーの内容とテキスト・画像・動画等の訴求内容が相違している |
|
LP |
不完全な状態のLPである 例)設置しているリンクの遷移先が存在しない、もしくはエラー表示となる/誤字脱字がある/画像が正常に表示されない |
広告アカウント作成時に登録した広告アカウントカテゴリーの内容とLPの訴求内容が相違している |
(参考:※1)
LINE広告の審査で落ちた時の対処法
LINE広告審査で落ちた場合は、まず、否認理由を確かめる必要があります。 否認理由は、広告マネージャーの「広告アカウント」タブで、否認理由を確認したい広告アカウントの「配信ステータス」にカーソルをもっていくと、確認できます。
以下では、LINE広告の審査に落とされた場合の対処法を、広告アカウント審査、広告審査の場合に分けて説明します。
広告アカウント審査で落ちた場合
[否認理由に広告主情報や商材情報、LINE公式アカウントのベーシックID/プレミアムIDが表示されている場合]
この場合は、該当箇所を修正することで再審査を受けることができます。
広告アカウントにアクセスし、「≡(MENU)」の「広告アカウントの設定」をクリックすると、設定画面で編集を行い、「変更する」を押すと再審査が始まります。(「変更する」を押しても審査ステータスが「審査中」に変わらない場合は、新規で広告アカウントを作成しなければいけません。)
[否認理由に「掲載不可(弊社ガイドラインによる)」と表示されている場合]
この場合は、再審査を受けることができないため、一から広告アカウントを作り直す必要があります。
広告審査で落ちた場合
[否認理由がクリエイティブ(テキスト・画像・動画など)に関する場合]
問題がある部分を修正して新たに広告を作成し直す必要があります。
「≡(MENU)」>「再審査の依頼」>「クリエイティブ」から再審査を依頼できます。
[否認理由がランディングページに関する場合]
この場合は、広告の修正ではなく、ランディングページの問題がある部分を修正する必要があります。
ランディングページの再審査には、上限が設けられています。1つのランディングページにおいて、10回連続で「否認」となった場合、再審査を申請することはできません。
「≡(MENU)」>「再審査の依頼」>「ランディングページ」から再審査を依頼できます。
LINE広告審査前のチェックリスト
LINE広告審査前に確認しておくべき事項を以下の表に記載いたします。
(以下の表はよくあるミスや特に大事な事項を中心にまとめたものになります。全ての確認事項を網羅していない点にはご注意ください。)
広告アカウント審査前のチェックリスト
☐ |
LINE広告を利用できない業種・サービスに該当していない(前述) |
広告主情報 |
|
☐ |
「広告主正式名」は正しい |
☐ |
「広告主正式名」は遷移先で確認できる企業名と一致している |
☐ |
設定した「広告主ウェブサイトのURL」は存在するURLである |
☐ |
指定したウェブサイトは広告主に関連するページである |
☐ |
指定したウェブサイトのページ内で広告主の詳細情報(代表者名、事業概要、所在地)が確認できる |
商材情報 |
|
☐ |
設定した「広告アカウントカテゴリー」は広告で使用する商材と一致している |
☐ |
設定したLINE公式アカウントは利用中のアカウントである |
☐ |
LINE公式アカウントの表示名は広告主または訴求サービスと関連がある |
☐ |
LINE公式アカウントのプロフィール画像は広告主や商材と関連がある |
☐ |
LINE公式アカウントのIDの文字列は正しい |
☐ |
請求先情報・基本情報に誤りがない |
広告審査前のチェックリスト
全体 |
|
☐ |
誤字脱字がない |
☐ |
ユーザーが不快と感じる表現を避けている |
☐ |
クリエイティブガイドラインを遵守している(前述) |
☐ |
広告掲載にあたって規制・基準がある商材(化粧品・薬用化粧品(医薬部外品)/食品・健康食品/医薬品・医療機器/医療機関/健康器具・美容関連器具) に該当していない <該当する場合> 各規制・基準を遵守できている (参考ページ:LINEヤフー for business LINE広告審査ガイドライン>「広告掲載にあたって規制・基準があるもの」) |
☐ |
自社の業種・サービス特有の法律やガイドラインを遵守している 例)人材派遣・有料職業紹介会社は、LPもしくは企業のHP内に厚生労働省の許可・届出番号を記載しなければいけない (参考ページ:LINEヤフー for business LINE広告審査ガイドライン>「業種・サービスごとの注意点」) |
☐ |
テキスト・画像・動画・LPの関連性がある |
広告クリエイティブ |
|
☐ |
広告アカウント作成時に登録した広告アカウントカテゴリーの内容とテキスト・画像・動画等の訴求内容に相違がない |
☐ |
LPに記載している内容と相違がない |
LP(遷移先) |
|
☐ |
LP内での情報と広告アカウントの登録情報が異なっていない |
☐ |
LP内のリンクがエラーになっていない |
☐ |
広告に記載している内容と相違がない |
☐ |
広告アカウント作成時に登録した広告アカウントカテゴリーの内容とLPの訴求内容に相違がない |
LINE広告審査は厳しい
LINE広告の審査は、他の媒体と比べて厳しいと言われています。サービスポリシーや広告内容の細かい基準を満たす必要があり、初めて挑戦される方にとって大きなハードルとなることがあります。
審査基準を正確に理解し、適切なクリエイティブやLPを作成するには、専門的な知識と経験が欠かせません。こうした手間やリスクを軽減するためには、プロの広告運用代行サービスを利用することで、スムーズに広告配信を開始し、最短で成果を得ることが可能です。
LINE広告審査・運用はデジマールにお任せください
デジマールでは、LINE広告の審査をクリアするためのノウハウを活かし、戦略的な広告設計から運用までをトータルサポートいたします。貴社のサービスやターゲットに最適なクリエイティブ作成やポリシー対応もお任せください。初めてLINE広告を運用する方でも安心してお取り組みいただけるよう、全力でサポートします。詳細はこちらからご確認ください: デジマールLINE広告運用代行サービス
※1:LINEヤフー for business LINE広告 審査の基本
※2:LINEヤフー for business LINE広告がさらに進化! 2023年の重要なアップデートまとめ
※3:LINEヤフー for business LINE広告審査ガイドライン
※4:LINEヤフー for business 広告・ランディングページ(遷移先)作成の注意点
※5:LINEヤフー for business LINE広告の広告アカウント審査 よくある5つの否認理由と注意ポイント