LINE広告を運用する中で、「成果を正しく把握したい」「改善ポイントを見つけたい」と考えている方も多いのではないでしょうか?適切なレポート分析を行うことで、広告のパフォーマンスを向上させるヒントが得られます。

 

本記事では、LINE広告レポートの作成方法から計測できる項目の意味、実際の分析方法などLINE広告のレポート機能に関することを網羅的に解説します。さらには、レポート作成を効率化する方法も紹介します。

 

執筆は、LINE広告運用の豊富な実績を持つデジマールの社員が担当。この記事を読めば、レポートの作成・分析がスムーズに行え、広告成果の最大化につなげることができるでしょう。

 

LINE広告レポートとは

LINE広告レポートとは、LINE広告の配信結果を詳細に分析・評価するためのレポートのことです

広告の表示回数、クリック数、コンバージョン数など、多岐にわたる指標を確認でき、広告運用の現状把握や改善点の特定に役立ちます。これにより、広告戦略の最適化や投資対効果の向上を図ることができます。

 

LINE広告レポートの種類

◯パフォーマンスレポート

パフォーマンスレポートは、広告グループのターゲティング設定に関わらず、実際に配信されたユーザーの属性に基づいてデータを提供します。これにより、広告がどのようなユーザー層にリーチしているのかを把握できます。

 

◯カスタムレポート

カスタムレポート(β版)では、広告グループで設定したターゲティング属性のみに対する実績が表示されます。

 

任意の項目を選択してレポートを作成でき、独自のレポートフォーマットをテンプレートとして保存することも可能です。ただし、ターゲティング設定されていない属性に関するデータは表示されない点に注意が必要です。

(ターゲット設定で年齢、性別、地域などを特に指定していない場合は年齢、性別、地域のすべてをターゲット設定をしている状態として表示されます。)

 

パフォーマンスレポートの作成方法と計測できる項目[作成編]

ここではLINE広告のパフォーマンスレポートの作成手順とパフォーマンスレポートで計測できる項目を説明します。

 

パフォーマンスレポートの作成方法

 

1.管理画面にログインし、レポートを作成したい広告アカウントをクリック

 

2.画面左上の [≡(MENU)] > [レポートと計測] の[パフォーマンスレポート] をクリック

パフォーマンスレポートボタンの位置

 

3.[+レポートを作成]をクリックし、期間とレポート形式を選択して[作成する]をクリック

レポート形式で設定する項目は以下の通りです。

 

項目

内容

階層

レポートの階層を「広告アカウント/キャンペーン/広告グループ/広告」の中から選択できます。

集計間隔

集計間隔を全体または日別のどちらかを選択できます。日別にすると、設定した集計期間の1日ごとの結果を確認できます。

集計単位

レポートの集計単位をオーディエンスセグメント(OS、地域、性別、年齢など)から選択できます。

集計対象

レポートの集計対象を「全体/配信先別(詳細)/配信先別(アプリ)」の中から選択できます。

ファイル形式

CSV形式またはExcel形式のどちらかを選択できます。

削除済みの広告

削除した広告グループや広告の結果も確認したい場合は、チェックを入れます。

 

パフォーマンスレポートで計測できる項目

パフォーマンスレポートで計測できる主要な指標は以下の表のとおりです。

 

項目名

内容

Impressions

広告の表示回数

CPM (cost per thousand impressions)

広告の表示回数1,000回あたりのコスト

Clicks

クリック数

CTR (click-through rate)

クリック率

CPC (cost per click)

1クリック当たりのコスト

CV (conversions)

コンバージョン

CVR (conversion rate)

コンバージョン率

CPA (cost per action)

1コンバージョン当たりのコスト

Cost

広告費用

Currency

選択した通貨(日本円、海外)

CV API

CV API経由で流入した合計数

Reach (estimated)

リーチ(推定)

Frequency

フリークエンシー

Video starts

動画再生開始

Video (viewed for at least three seconds)

3秒動画視聴

Video (100% watched)

動画再生完了

Cost per complete video view

動画視聴完了単価

Installs (clicks)

インストール(クリック)

Open

アプリ起動

 

カスタムコンバージョンやカスタムイベントを設定している場合は、それらの項目も追加されます。

(参考:※1)

 

カスタムレポートの作成方法[作成編]

LINE広告のカスタムレポートは以下の手順で作成します。

 

1.管理画面にログインし、レポートを作成したい広告アカウントをクリック

 

2.画面左上の [≡(MENU)] > [レポートと計測] の[カスタムレポート] をクリック

カスタムレポートボタンの位置

 

 

3.[+作成する]をクリック

 

4.行と列に確認したい項目を設定することで、レポートを作成できます。

(任意のレポートフォーマットをテンプレートとして保存することもできます。)

 

LINE広告レポートの作成例[作成編]

LINE広告では、さまざまな軸でレポートを作成することができます。

ここでは、LINE広告レポートの作成例をいくつか紹介します。

 

日別レポート

日別レポートは、指定した集計期間内の各日の広告パフォーマンスを詳細に分析するためのレポートです。

日々のパフォーマンスの変動を把握することで、特定の日における広告効果の高低や、曜日ごとの傾向を分析できます。これにより、効果的な広告配信のタイミングや予算配分の最適化に役立てることができます。

 

月別レポート

月別レポートは、長期的な広告パフォーマンスの傾向を把握するためのレポートです。

月ごとのデータを比較・分析することで、季節的な影響や月単位での広告効果の推移を確認できます。これにより、年間を通じた広告戦略の立案や、予算の調整に役立てることができます。

 

広告別レポート

個々の広告ごとのパフォーマンスを評価します。

特定の広告クリエイティブの効果を測定し、効果的なクリエイティブの特定や、改善が必要な広告の識別に役立ちます。

 

エリア別レポート

ユーザーの居住地域ごとのパフォーマンスを分析します。地域ごとの反応の違いを理解することで、地域特性に応じた広告戦略の策定が可能です。

 

注意点としては、日本以外の地域も入ってしまう場合がある点です。海外へ移動したユーザーのデータがレポートの更新タイミングに合わなかった場合、海外でのカウントとしてレポートに記載される場合があります。

 

性別・年齢別レポート

ユーザーの性別や年齢層ごとのパフォーマンスを分析します。

ターゲット層の反応を詳細に把握し、ターゲティングの精度向上やクリエイティブの最適化に役立ちます。

 

配信面別レポート

広告が配信された場所ごとのパフォーマンスを分析します。

配信面ごとの効果を理解することで、効果的な配信面の選定や予算配分の最適化が可能です。

 

LINE広告レポートで確認すべき指標[分析編]

LINE広告レポートでは、以下の主要な指標を確認することが重要です。

 

コンバージョン関連:CV/CVR/CPA

  • CV(コンバージョン数):広告を通じて達成された目標(例:購入、登録など)の数。
  • CVR(コンバージョン率):クリック数に対するコンバージョン数の割合。計算式は「コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100」です。
  • CPA(コンバージョン単価):1コンバージョンあたりの費用。計算式は「総広告費用 ÷ コンバージョン数」です。

これらの指標を確認することで、広告が目標をどの程度達成しているか、費用対効果は適切かを評価できます。

 

クリック関連:Clicks/CTR/CPC

  • Clicks(クリック数):広告がクリックされた回数。
  • CTR(クリック率):広告の表示回数に対するクリック数の割合。計算式は「クリック数 ÷ インプレッション数 × 100」です。
  • CPC(クリック単価):1クリックあたりの費用。計算式は「総広告費用 ÷ クリック数」です。

クリック関連の指標を分析することで、広告の訴求力やターゲティングの適切さを判断できます。

 

インプレッション関連:Impressions/CPM

  • Impressions(インプレッション数):広告が表示された回数。
  • CPM(インプレッション単価):1,000インプレッションあたりの費用。計算式は「総広告費用 ÷ インプレッション数 × 1,000」です。

インプレッション関連の指標は、広告のリーチや認知度向上の効果を測定する際に重要です。

 

*インプレッションの詳細については、「LINE広告でのインプレッションとは?リーチとの違いや改善方法を解説」をご覧ください。

 

【ケース別】LINE広告レポートの指標の活用例[分析編]

ここでは、LINE広告レポートの指標をどのように広告改善に活用すればよいのかを、2つのケースから説明します。(ここでは、課金方式がクリック課金である場合を想定しています。)

 

ケース1:コンバージョン数が目標を達成していない場合

 

コンバージョンを分解すると以下のようになります。

 

コンバージョン=クリック数×CVR

       =インプレッション×CTR×CVR

 

したがって、コンバージョン数が目標を下回っている場合は、LINE広告レポートの「インプレッション数」「CTR」「CVR」を中心に分析する必要があります。

 

そして、想定している数値よりも悪いなど、改善の余地があるところから、優先して改善を行っていきます。

 

それぞれの数値に対する具体的な改善方法を紹介します。

 

①インプレッション数を増やす方法

・日予算を増額する

・入札単価の上限を上げる

・ターゲティングを拡大する

・広告フォーマットを網羅し、すべての配信面に掲載されるようにする

 

②CTRを上げる方法

・クリエイティブの訴求を検証する

・タイトルを改善する

・ターゲティングを見直す

 

クリック率を上げる方法の詳細は、「LINE広告のクリック率を上げるには?平均値やCTRレベルについても解説」をご覧ください。

 

③CVRを上げる方法

・コンバージョンにつながりやすいターゲットに絞る

・クリエイティブの訴求を検証する

・LPの訴求を検証する

・LPとクリエイティブの整合性を確認する

 

ケース2:コンバージョン単価が目標よりも高い場合

コンバージョン単価を分解すると、以下のようになります。

 

コンバージョン単価=(クリック数×CPC)÷コンバージョン数

         =CPC÷CVR

 

したがって、コンバージョン単価が目標を上回っている場合は、LINE広告レポートの「CPC」」「CVR」を中心に分析を行う必要があります。

 

そして、想定している数値よりも悪いなど、改善の余地がある方から、優先して改善を行っていきます。

 

それぞれの数値に対する具体的な改善方法を紹介します。

 

①CPCを下げる

・入札単価の上限を下げる

・より高いクリック率が期待できるクリエイティブに変更する(クリック率が高いと、クリック単価が低くなる可能性があります。)

 

②CVRを上げる

・コンバージョンにつながりやすいターゲットに絞る

・クリエイティブの訴求を検証する

・LPの訴求を検証する

・LPとクリエイティブの整合性を確認する

 

(参考:※2)

 

LINE広告レポートに関するよくある質問

LINE広告レポートに関して、よく寄せられる質問とその回答を以下にまとめました。

 

Q1. レポートの確認頻度はどのくらいが適切でしょうか?

A1. レポートの確認頻度は、広告キャンペーンの規模や目的によって異なりますが、一般的には月次だけでなく、週次または日次での確認が推奨されます。特に、キャンペーン開始直後や新しいクリエイティブを導入した際には、日次でのモニタリングを行い、迅速な対応ができるようにする必要があるでしょう。

 

Q2. LINE広告でフリークエンシーを確認することはできますか?

A2. キャンペーン設定の際に、「リーチ」をキャンペーンの目的にしている場合、フリークエンシー(同一ユーザーへの広告表示回数)を確認することができます。

それ以外の場合、フリークエンシーを直接確認することはできません。しかし、インプレッション数をリーチ数で割ることで、平均的なフリークエンシーを推定することが可能です。

 

Q3. 読みやすいレポートを作成するにはどうしたらよいでしょうか?

A3. 読みやすいレポートを作成するためには、以下のようなポイントが重要になります。

  • 目的に応じた指標の選定

レポートの目的や閲覧者に応じて、必要な指標を選択し、不要な情報を省くことで、レポートの読みやすさが向上します。

  • 視覚的な表現の活用

グラフやチャートを使用してデータを視覚的に表現することで、情報の理解が容易になります。

  • 一貫性のあるフォーマット

レポートのフォーマットやデザインを統一することで、閲覧者が情報をスムーズに把握できるようになります。

  • 簡潔なコメント

データの背景や要点を簡潔に記載することで、データの意味や重要性を伝えやすくなります。

 

レポート作成を効率化する2つの方法[応用編]

広告のレポートには多数の指標が関わってくるため、わかりやすくまとめようとするとレポートの作成に時間がかかってしまう場合があります。

以下では、レポート作成を効率化するための方法を2つ紹介します。

 

方法①テンプレートを作成する

定期的に作成するレポートに関しては、テンプレートを作成することで作業の効率化が図れます。一度フォーマットを決めておくことで、毎回ゼロから作成する手間を省き、データの更新だけで済むようになります。これにより、レポート作成の時間を短縮できます。

しかし、データの反映自体は手動で行わないといけないため、大幅な時間削減にはつながりません。

 

方法②広告レポート自動化ツールを活用する

 

広告レポート自動化ツールとは、LINE広告の運用データの抽出を自動で行い、さらにそのデータを使ってレポート作成まで自動で行えるツールです。

人為的なミスを減らし、迅速なレポート作成が実現します。これにより、分析や戦略立案により多くの時間を割くことができます。

大幅な時間削減につながる一方で、コストがかかるというデメリットも存在します。

 

自社のリソースを考慮して、適切な方法を選択するとよいでしょう。

 

LINE広告レポートの分析の大変な点

LINE広告の成果を最大化するには、レポートのデータを正しく読み解き、改善策を適切に実行することが不可欠です。しかし、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)、広告の配信面やターゲティングごとの分析など、考慮すべき指標が多く、適切な改善策を見つけるのは簡単ではありません。また、間違った改善策を実行してしまう可能性もあります。こうした課題を解決する手段のひとつが、広告代理店にサポートを依頼することです。

 

LINE広告の運用改善はデジマールにお任せください

デジマールでは、LINE広告の配信からレポート分析・改善提案までワンストップで支援します。レポート分析や広告運用の改善でお悩みの方は、ぜひデジマールまでお問い合わせください。

 

デジマールの強みの1つは、徹底した事業理解です。

ヒアリングや独自調査により、お客様の事業を徹底的に理解し、ターゲティングからクリエイティブ制作まで一貫して対応いたします。一貫したサポートにより、効果的なLINE広告運用を実現します。

 

他のデジマールの強みなど、サービスの詳細については、以下からご覧ください。

 

 

 

※1:LINEヤフー for business レポートをダウンロードする方法

※2:LINE広告運用ガイド(ウェブサイトコンバージョン編)

 

著者情報

萩原 輝
Hikaru Hagiwara

萩原 輝

2024年6月からデジマール株式会社のSEOを担当。デジマールの広告運用講座「デジマカレッジ」を受講中。デジタルマーケティング以外にも、AIや経済、語学など様々なことに興味があり、現在は書籍やWebメディアなどでの学びに注力。大学では、高齢者による観光の重要性について研究。趣味はお笑い鑑賞。