「不動産の広告を出したいが、効果的な媒体がわからない」「LINE広告が良いと聞くが、どう活用すればいいのかわからない」——そんな悩みをお持ちの不動産業界の経営者やマーケティング担当者の方は多いのではないでしょうか?
LINE広告は、日本国内で最も利用者の多いSNSの一つであり、不動産業界でも有効な広告手法として注目されています。本記事では、LINE広告の基本から、不動産業界での活用ポイント、不動産広告の注意点、LINE公式アカウントの活用法まで詳しく解説します。執筆は、豊富な広告運用実績を持つデジマールの社員が担当。
記事を読めば、LINE広告を使って物件を効率的に不動産を探している見込み客へアプローチする方法が分かり、広告運用の成功率を高めることができるでしょう。
(本記事は、主に物件のプロモーションを行う際のLINE広告の活用方法について説明します。)
LINE広告とは
LINE広告は、国内で圧倒的なユーザー数を誇るコミュニケーションアプリ「LINE」を活用した広告手法です。スマートフォン利用者に向けたタイムリーな情報配信が可能なため、企業のブランディングや販促活動において非常に有効な手段とされています。
LINEは日常的に利用されるアプリであり、ユーザーとのタッチポイントが多い点が特徴です。特に日本国内では利用者数が多く、幅広い年齢層に支持されているため、マーケティングにおいて大変魅力的な媒体となっています。ここでは、不動産業界においてどのようにLINE広告が活用されているのか、その魅力や活用ポイントについて詳しく解説していきます。
不動産業界でLINE広告を利用するメリット
不動産業界におけるマーケティングは、物件情報の迅速な伝達と、顧客との信頼関係の構築が重要です。LINE広告を活用することで、これらの課題に対して効果的なアプローチが可能となります。以下では、不動産業界でLINE広告を利用する主なメリットを解説します。
メリット①圧倒的なユーザー数と幅広いユーザー層
LINEは日本国内で月間利用者数が9,700万人を超えるとされ、その利用層は若年層からシニア層まで幅広くカバーしています。不動産会社にとっては、住宅購入や賃貸の検討をする顧客層がこの中に多数存在するため、効率的にターゲットにリーチすることが可能です。
また、普段から親しみのあるコミュニケーションツールで情報提供を行うことで、広告メッセージが伝わりやすくなります。
メリット②顧客との継続的なコミュニケーションが可能
LINE広告のもう一つの大きなメリットは、ユーザーとの継続的なコミュニケーションにつなげることができる点です。これは、友だち追加広告を通して、LINE公式アカウントに誘導することができるからです。
LINE公式アカウントでは、メッセージ配信やチャット機能を利用することで、問い合わせや資料請求、内覧予約など、リアルタイムでの対応が可能になります。これにより、一度接触した顧客と継続的なコミュニケーションを構築し、信頼関係を深めることができます。継続的な関係性が生まれることで、最終的な契約につながる可能性が高まります。
この点は、検討期間が長くなりがちな不動産のプロモーションに非常に有益です。
不動産業界でのLINE広告の活用ポイント【ターゲティング】
不動産のマーケティングにおいて、ターゲティングは非常に重要です。LINE広告では、ユーザーの属性や行動履歴、エリア情報などをもとに、詳細なターゲット設定が可能です。ここでは、ターゲティングに関するポイントと、具体的な活用例を紹介します。
*LINE広告のターゲティングの詳細については、「LINE広告のターゲティングを解説!セグメントやオーディエンスの種類も紹介」をご覧ください。
ポイント①エリアターゲティングで地域を絞り込む
不動産業界においては、地域ごとの特性や需要が大きく異なります。LINE広告では、特定の地域や市区町村に絞った広告配信が可能なため、地域に根ざしたマーケティング戦略が実現できます。
例えば、物件の所在地の半径5km圏内にいるユーザーに広告を配信することができます。
指定できる配信エリアの種類は、「都道府県・市区町村・特定の地点から半径〇kmのエリア(住所検索、ピン、緯度経度で特定の地域を指定し、半径は1km以上から設定可能)」の3つです。
また、指定できる配信対象者は、「指定地域に住んでいる人・指定地域で働いている人・指定地域に最近いた人」から選ぶことができます。
*LINE広告のエリアターゲティングの詳細については、「LINE広告の地域(エリア)ターゲティング|設定方法や他媒体との違いを解説」をご覧ください。
ポイント②ライフステージや購入検討のタイミングに合わせたセグメント設定を行う
ユーザーはそれぞれ異なるライフステージにあり、住宅購入や賃貸の検討時期も異なります。LINE広告の「オーディエンスセグメント配信」では、ユーザーの年齢、家族構成、過去の行動履歴などをもとに、適切なセグメントを設定できます。
例えば、ファミリー向けの新築マンションをプロモーションしたい場合は、以下のようなターゲティングが考えられます。
「30代で子供がおり、子育てに関連する商品の購買意向がある夫婦」
年齢 |
30歳~39歳 |
属性セグメント |
子供あり |
購買意向セグメント |
子育て |
ポイント③リターゲティング配信を活用する
既に自社サイトに接触したユーザーに再度アプローチする「リターゲティング配信」は、広告効果を最大化するための強力な手法です。LINE広告においても、過去に物件情報に触れたユーザーや、問い合わせなどの行動履歴があるユーザーを対象に、再度情報を提供することで、成約までのプロセスを促進することが可能です。
リターゲティングを活用することで、一度関心を示したユーザーに対して、最新情報やキャンペーン情報を届け、行動を起こしてもらう効果が期待されます。
また、リターゲティング配信を行う際は、オーディエンスの有効期限を長めに設定してもよいでしょう。LINE広告でリターゲティング配信を行う際、何日の間に自社サイトに訪問した人をターゲティングするかを指定できます。
通常、10日間程度に指定することが多いですが、不動産の場合は検討期間が長いため、30日など少し長い期間をとり、効果検証を行うことがおすすめです。
*LINE広告のリターゲティング配信の詳細については、「LINE広告のリターゲティングを徹底解説!配信方法や運用のポイントも紹介」をご覧ください。
不動産業界でのLINE広告の活用ポイント【クリエイティブ】
ターゲティングだけでなく、広告クリエイティブの質も成果を左右する重要な要素です。不動産広告では、視覚的な訴求力と情報の明確さが求められます。ここでは、不動産業界での広告クリエイティブのポイントと具体例について詳しく解説します。
ポイント①不動産広告に必要な要素を把握する
まず、不動産広告の効果を最大限に引き出すために欠かせない要素を把握しましょう。以下では、不動産広告に取り入れるべき要素を紹介します。
- 高品質な画像
クリアで鮮明な画像は、物件の魅力を直感的に伝え、ユーザーの興味を引く効果があります。そのため、プロのカメラマンによる撮影が理想的です。
- 魅力的なキャッチコピーと文章
ユーザーの興味を瞬時に捉えるキャッチコピーや説得力のある文章は、物件の特徴やメリットを明確に伝え、次の行動へと導く効果があります。駅から徒歩何分であるかや間取りなど、物件を選ぶ際に気にするポイントを広告に入れる必要があります。
- 心理的効果を考慮したカラー
色彩は感情に大きく影響します。適切な色を使用することで、安心感や信頼感を与え、物件の魅力を引き立たせます。例えば、青は信頼感を、緑は安らぎを与える色として知られています。また、ブランドの認知度を高め、信頼性を向上させたい場合は、ブランドカラーを統一して使用する方法が効果的です。
- 見やすいフォーマット
読みやすさや情報の整理が行き届いたフォーマットは、ユーザーがストレスなく内容を理解でき、広告全体の信頼性を高めます。例えば、以下の広告のように、「文章|内観|見取り図」と各要素がわかりやすく配置されていることで、ユーザーはスムーズに、内容を理解することができます。
(引用:※1)
- 明確なCTAボタン
具体的な次のステップ(問い合わせや内覧予約など)を促すCTA(Call To Action)ボタンは、ユーザーがアクションを起こすための明確な誘導となり、コンバージョン率向上に直結します。
(参考:※2)
ポイント②カルーセル広告を活用する
複数の画像や情報を一つの広告枠で順次表示できるカルーセル広告は、不動産広告に非常に適した形式です。ユーザーはスワイプ操作で物件の各部位や周辺環境の写真を確認でき、全体像を把握しやすくなります。
具体例として、以下のような構成が考えられます。
1枚目に物件の外観、2枚目に内観、3枚目に周辺施設や駅からのアクセス情報、4枚目に価格やローンのシミュレーション情報を掲載する構成が考えられます。これにより、ユーザーはスライド形式で情報を順次閲覧でき、物件の魅力を多角的に伝えることができます。
ポイント③動画広告を活用する
動画広告を活用すると、静止画だけでは伝えきれない物件の魅力を伝えることが可能です。実際の物件を360度回転させながら紹介したり、内覧風景をリアルタイムに伝えることで、ユーザーに対してより臨場感のある情報提供ができます。動画ならではのストーリーテリングを通じ、購入意欲を刺激することが期待されます。
例えば、ドローンを活用した物件全体の撮影映像や、モデルケースとして家族が物件を見学するシーンを取り入れた動画は、視聴者に「ここで暮らしてみたい」という感情を呼び起こす効果が高いです。数十秒の動画で、物件の魅力を凝縮して伝える工夫が求められます。
ポイント④興味を持ってもらいやすいタイトルを入れる
広告タイトルは、ユーザーのクリックを誘導するための第一関門です。不動産広告では、具体的な数字やエリア、メリットを簡潔に伝えたり、質問形式にするなどの工夫で、ユーザーに「詳細を知りたい」と思わせるタイトル設定が必要となります。
具体例としては、以下のようなタイトルがあります。
・「都心徒歩圏内!最新設備完備のマンション」
・「子育て中!今より広い物件、お探しですか︖」など
エリアや特徴、メリットが一目でわかるタイトルを設定することで、ユーザーの興味を引きやすくなります。
ポイント⑤LPは物件の詳細を分かりやすく整理し、信頼感を醸成する構成にする
広告から遷移するLP(ランディングページ)は、最終的な成約に直結する重要なポイントです。物件の魅力を最大限に伝えるため、見やすいレイアウトと詳細な情報提供が必要です。ユーザーはLP上で物件の全貌、写真、周辺環境、価格情報、交通アクセスなどを簡単に把握できるように設計する必要があります。
また、問い合わせフォームやチャットサポート、電話ボタンなどを設置し、スムーズなコミュニケーションを促すことで、成約率の向上が期待できます。
不動産のWeb広告配信での注意点
不動産の広告では、どんな業種・商品でも守らなければいけない景品表示法に加えて、「宅地建物取引業法(略称︓宅建業法)」と「不動産の公正競争規約」を遵守しなければいけません。
ここでは、宅建業法に定められている事項と不動産の公正競争規約の概要を説明します。
誇大広告等の禁止
広告表現においては、実際の物件の価値や条件を誤解させる表現は厳禁です。たとえば、実際には存在しない設備や、誤った価格表示など、消費者に誤解を与える可能性のある表現は法令に抵触する恐れがあります。企業としての信頼性を損なわないためにも、正確かつ誠実な情報提供を徹底する必要があります。
広告の開始時期の制限
造成が完了する前の宅地と工事が完了する前の建物については、広告を開始する時期について制限があります。
具体的には、造成完了前の宅地は開発行為の許可を得た後、建設工事完了前の建物は建築確認許可を得た後でなければ、広告を出稿することができません。
取引態様の明示
広告内での物件情報においては、取引態様(売主、代理、媒介(仲介)など)を明確に示すことが法律上求められています。取引形態に関する不明瞭な記載は、ユーザーに誤った期待を抱かせる原因となり、トラブル発生時のリスクが高まります。したがって、必ず正確な取引情報を明示し、透明性を確保することが重要です。
不動産の公正競争規約
不動産の公正競争規約は、⼀般消費者の利益を守ることと、不動産事業者間の公正な競争を確保することを目的に、不動産業界で定めた⾃主規制ルールです。不動産の表⽰に関する公正競争規約と、不動産業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約の2つで構成されています。
具体的な内容は、不動産の公正競争規約をご覧ください。
(参考:※3)
LINE公式アカウントの活用も重要
不動産業界でLINEを最大限活用するには、LINE公式アカウントの運用も重要な要素となります。公式アカウントを通じた情報発信や、キャンペーン、クーポン配信、チャット対応などを組み合わせることで、ユーザーとの関係性をさらに強化することができます。
LINE広告の友だち追加広告で、LINE公式アカウントの友だちになってもらい、継続的なコミュニケーションをとり、最終的に成約につなげるという戦略が考えられます。
ここでは、不動産業界で役立つLINE公式アカウントの機能を紹介します。
機能 |
詳細 |
活用例 |
メッセージ配信 |
テキスト、画像、動画、リッチメッセージなど、様々な形式で情報を配信できます。 |
新着物件情報、オープンハウスの告知、キャンペーン情報などを配信し、顧客の関心を引きます。 |
セグメント配信 |
顧客の属性(年齢、性別、居住地など)や行動履歴に基づいて、特定の顧客層に絞ってメッセージを配信できます。 |
ファミリー層向けに、子供部屋がある物件情報を配信したり、過去に特定のエリアの物件を問い合わせた顧客に、類似物件の情報を配信したりします。 |
チャット機能 |
顧客からの問い合わせに個別に対応できます。1:1トークで、きめ細やかなコミュニケーションを実現します。 |
物件に関する質問、内覧予約、ローンの相談など、顧客からの様々な問い合わせに対応します。 |
リッチメニュー |
トーク画面下部に固定表示されるメニューで、よく使う機能や重要な情報への導線を設置できます。 |
物件検索、資料請求、来店予約、お問い合わせなど、顧客が求める情報にすぐにアクセスできるようにします。 |
自動応答 |
顧客からの問い合わせに対して、自動で応答する機能です。 |
営業時間外の問い合わせや、よくある質問に対して、自動で回答します。 |
デジマールでは、LINE公式アカウントの運用サポートを行っております。LINE公式アカウントの活用にご興味がある方は、ぜひお問い合わせください。
不動産業界でLINE広告を効果的に活用するには
LINE広告はターゲティングの自由度が高く、不動産業界に適したマーケティングが可能ですが、適切な設定を行わなければ十分な成果を得ることはできません。特に、不動産の購入検討層に確実にリーチし、質の高いリードを獲得するためには、効果的なターゲティングとクリエイティブ戦略が不可欠です。それらを自社のみで行うのは難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。そのようなお悩みを解決する手段の1つが、専門の広告代理店に依頼することです。
LINE広告運用はデジマールにお任せ下さい
デジマールは、豊富なLINE広告運用の実績を活かし、不動産業界に適したターゲティング戦略やクリエイティブ制作をサポートします。貴社の課題や目標に合わせた最適なプランをご提案し、広告効果を最大化するお手伝いをいたします。LINE広告の運用でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
デジマールの強みの1つは、事業理解の徹底です。
ヒアリングや独自調査により、お客様の事業を徹底的に理解し、ターゲティングからクリエイティブ制作まで一貫して対応いたします。一貫したサポートにより、効果的なLINE広告運用を実現します。
デジマールのその他の強みやサービスの詳細については、以下からご覧ください。
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