「LINE広告の配信を強化したいけれど、もっと精度の高いターゲティングをしたい」と悩んでいませんか?そんなときに活用できるのが「類似オーディエンス」です。類似オーディエンスを使えば、既存の顧客や特定のターゲットと共通点のあるユーザーへ効率よく広告を配信できます。
この記事では、LINE広告の類似オーディエンスの仕組みや作成方法、活用例を詳しく解説します。執筆は、豊富なLINE広告の運用経験を持つデジマールの社員が担当。
この記事を読めば、類似オーディエンスを使ったターゲティングのコツを理解し、広告の成果を向上させることができるはずです。
*LINE広告のターゲティングの詳細については、「LINE広告のターゲティングを解説!セグメントやオーディエンスの種類も紹介」をご覧ください。
LINE広告の類似オーディエンスとは
類似オーディエンスとは、既存顧客や特定の行動をしたユーザーと似た属性や行動特性を持つユーザー層を指します。
LINE広告では、この類似オーディエンスに広告を配信することで、新たな顧客獲得や売上向上を目指すことができます。(類似オーディエンスを設定して広告配信することは「類似配信」と呼ばれます。)
既存顧客のデータから、LINE広告システムが自動的に類似するユーザーを特定し、ターゲティングに活用します。 これにより、潜在顧客へのアプローチの促進やコンバージョン率の改善を実現できます。
オーディエンスソースとして利用できるオーディエンス
類似オーディエンスを作成するためには、基となるオーディエンスソースが必要です。オーディエンスソースに利用できるオーディエンスは、以下の通りです。
オーディエンス |
概要 |
ウェブトラフィックオーディエンス |
LINE Tagのトラッキング情報を基に、サイト訪問ユーザーのオーディエンスを作成できる。 |
モバイルアプリオーディエンス |
アプリを開いた人やアプリ内で購入をした人などのデータを基にオーディエンスを作成できる。 |
IDFA/AAIDアップロード |
保有しているIDFA/AAID(Apple/Android端末向けに発行されるモバイル端末ID)データを用いてオーディエンスを作成できる。 |
電話番号アップロード |
保有している電話番号を用いてオーディエンスを作成できる。 |
メールアドレスアップロード |
保有しているメールアドレスを用いてオーディエンスを作成できる。 |
LINE公式アカウントの友だちオーディエンス |
LINE公式アカウントの友だち、またはブロック中の友だちのオーディエンスを作成できる。 |
動画視聴オーディエンス |
指定した動画素材の視聴ユーザーのオーディエンスを作成できる。 |
画像クリックオーディエンス |
指定したキャンペーンで使用されている画像をクリックした人のオーディエンスを作成できる。 |
オーディエンスサイズの設定方法
類似オーディエンスの作成時には、オーディエンスサイズ(ターゲットとなるユーザー数)を1%から15%の範囲で設定できます。
例えば、オーディエンスサイズを5%に設定すると、元のオーディエンスソースとの類似度の高い上位5%がターゲティングの対象となります。
つまり、1%に近いほど、元のオーディエンスソースと非常に似た(類似度が高い)ユーザーをターゲットとするため、アクションを起こしてもらえる確率は高まりますが、オーディエンスサイズは小さくなります。
反対に、15%に近いほど、類似度が比較的低いユーザーにも配信されるため、アクションを起こしてもらえる確率は低くなりますが、オーディエンスサイズは大きくなります。
(引用:※1)
オーディエンスサイズの設定方法は「手動」と「自動」の2種類があります。
「手動」にする場合
手動設定では、オーディエンスサイズを1%から15%の範囲で1%刻みで選択できます。初めて類似オーディエンスを活用する場合は、小さめのオーディエンスサイズから始め、効果を見ながら徐々に類似度を拡大していくことをおすすめします。
「自動」にする場合
自動設定では、広告のパフォーマンスに応じて、システムが1%〜15%の間で最適なオーディエンスサイズを自動的に調整します。これにより、手動設定よりも柔軟にターゲティングが行われ、広告効果の最大化が期待できます。
手動設定での効果があまりよくない場合や、最適な類似度が分からない場合、またはオーディエンスサイズが大きくなることを許容できる場合は自動設定を試してみると良いでしょう。(オーディエンスサイズが15%以上になることはありません。)
類似オーディエンスの作成方法
類似オーディエンスを作成するためには、以下の手順を踏みます。
STEP1:オーディエンスソースの準備
まず、類似オーディエンスの基となるオーディエンスソースを作成します。
1-1. 広告マネージャーにログインし、類似オーディエンスを活用したい広告アカウントをクリック
1-2. [≡(MENU)]>[オーディエンス]をクリック
1-3. [+オーディエンス作成]をクリックしたのち、オーディエンスソースにしたいオーディエンスを選択。(ここでは、[電話番号アップロード]を選択したとする。)
1-4. オーディエンスソースに利用したい電話番号を、CSVもしくはTXT形式でアップロードする。
類似オーディエンスを作成するためには、オーディエンスソースのサイズが100以上である必要があります。
また、ハッシュ化(データの保護)したデータをアップロードする場合は、[ハッシュ化したデータ]を選択してください。
STEP2:類似オーディエンスの作成
次に、オーディエンスソースをもとに、類似オーディエンスを作成していきます。
2-1. オーディエンス一覧のページで[+オーディエンス作成]>[類似オーディエンス]をクリック
2-2. [オーディエンスソース]で、先程作成したオーディエンスを選択した後、[オーディエンスサイズ]を設定する。(オーディエンスサイズの詳細については、上記の「オーディエンスサイズの設定方法」をご覧ください。)
類似オーディエンス作成時の注意点
類似オーディエンスを作成・運用する際には、以下の点に注意が必要です。
類似オーディエンスの最大作成可能数は10件
1つの広告アカウントで作成できる類似オーディエンスは最大10件までです。新規に作成する際には、不要なオーディエンスを削除するなどの管理が必要です。
オーディエンスソースのサイズは100以上必要
類似オーディエンスを作成するためには、基となるオーディエンスソースのサイズが100以上であることが求められます。
なお、オーディエンス一覧にて、ソースとなるオーディエンスのサイズが100以上になっている場合でも、システムによる精査後に100以下となる場合には、類似オーディエンスが作成できません。
オーディエンスソースが100以下と見なされた場合は、類似オーディエンスを作成した際に、「類似オーディエンスを作成できませんでした。」と表示されます。
インプレッションが発生していない場合、期限切れになる
作成してから180日以上経過し、かつ180日間インプレッションが発生していない類似オーディエンスは期限切れとなります。期限切れとなった場合、同じ条件で再度作成する必要があります。
作成完了するまでに、最大で約24時間かかる
類似オーディエンスの設定を行ってから、そのオーディエンスの作成が完了されるまでに最大で約24時間かかる場合があります。配信スケジュールを立てる際には、この時間を考慮して余裕を持って作成を行いましょう。
(参考:※1、※2)
類似オーディエンスを活用した広告の配信方法
作成した類似オーディエンスを活用して広告を配信するには、広告グループの作成時に以下の設定を行う必要があります。
1.[ターゲティング設定]>[オーディエンス]>[編集]をクリック
2.配信対象にしたい類似オーディエンスの[配信]を選択し、[完了]をクリック
*キャンペーン、広告グループ、広告の作成方法の詳細については、「【画像付き】LINE広告の配信方法|始め方・出し方を徹底ガイド」をご覧ください。
類似オーディエンスの3つの活用例
類似オーディエンスを効果的に活用することで、LINE広告のパフォーマンスを大幅に向上させることが可能です。ここでは、具体的な活用例を3つご紹介します。
活用例①ECサイト:既存の顧客データを基に類似オーディエンスを作成
ECサイトでは、既存の顧客データを基に類似オーディエンスを作成し、新規顧客の獲得を目指すことが効果的です。例えば、特定の商品を購入したユーザーのデータを活用し、同様の商品に興味を持つ可能性の高いユーザーに対して広告を配信します。これにより、購買意欲の高い新規ユーザーにリーチし、売上の増加が期待できます。
具体的な手順
- オーディエンスソース作成:「ウェブトラフィックオーディエンス」から、購入完了ページに訪問したユーザー(購入者)のオーディエンスを作成。
- 類似オーディエンス作成:作成したオーディエンスを基に、類似オーディエンスを生成。
- 広告配信:生成した類似オーディエンスをターゲットに広告を配信。
活用例②ゲームアプリ:アクティブユーザーのデータを基に類似オーディエンスを作成
ゲームアプリのプロモーションにおいても、類似オーディエンスは有効です。既存のアクティブユーザーのデータを基に、類似オーディエンスを作成することで、アプリインストール後も使用し続けてくれる可能性が高い新規ユーザーの獲得を図ります。
具体的な手順
- オーディエンスソース作成:「モバイルアプリオーディエンス」から、一定の期間内で特定の行動(アプリ起動、チュートリアル完了など)をとったアクティブユーザーのオーディエンスを作成。
- 類似オーディエンス作成:作成したオーディエンスを基に、類似オーディエンスを生成。
- 広告配信:生成した類似オーディエンスをターゲットに、アプリのインストールを促す広告を配信。
活用例③LINE公式アカウント:既存の友だちのデータを基に類似オーディエンスを作成
LINE公式アカウントの友だち追加を増加したい場合なども、類似オーディエンスを活用し友だち追加広告を配信することで、より効果的な広告配信を実現できます。
具体的な手順
- オーディエンスソース作成:「LINE公式アカウントの友だちオーディエンス」から、既存の友だちのオーディエンスを作成。
- 類似オーディエンス作成:作成したオーディエンスを基に、類似オーディエンスを生成。
- 広告配信:生成した類似オーディエンスをターゲットに、LINE友だち追加広告を配信。
他媒体の類似オーディエンスとの違い
他の広告媒体も、独自の類似オーディエンス機能を提供しており、それぞれに特徴があります。以下に、LINE広告、Google広告、Yahoo!広告、Meta広告の類似オーディエンスの特徴をまとめます。
LINE広告 |
Google広告 (デマンドジェネレーションキャンペーンのみ) |
Yahoo!広告 (ディスプレイ広告のみ) |
Meta広告 |
|
名称 |
類似オーディエンス |
類似セグメント |
類似ユーザー |
類似オーディエンス |
オーディエンスソースにできるユーザー例 |
・サイト訪問ユーザー ・自社のアプリを使用したユーザー ・既存顧客 ・LINE公式アカウントの友だち ・動画視聴ユーザー ・広告画像をクリックしたユーザー |
・サイト訪問ユーザー ・自社のアプリを使用したユーザー ・既存顧客 |
・サイト訪問ユーザー ・自社のアプリを使用したユーザー ・既存顧客 (検索広告経由で取得したユーザーデータは使用できない) |
・サイト訪問ユーザー ・自社のアプリを使用したユーザー ・既存顧客 ・広告主のFacebook・Instagramコンテンツ内でアクション(いいねなど)をしたユーザー |
オーディエンスサイズの調整 |
・手動の場合 1%~15%の範囲で設定 ・自動の場合 1%〜15%の間で、自動で調整される |
[類似性の高いユーザーに限定] [バランス重視] [幅広いユーザーにリーチ] のいずれかを選択 |
拡張範囲を、1~10の範囲で設定 |
1%~10%までの範囲で設定 |
(2025年2月時点)
(参考:※3、※4、※5)
LINE広告のターゲティング精度をさらに高めるには?
類似オーディエンスを活用することで、新規顧客の獲得や費用対効果の改善など広告のパフォーマンスを向上させることが可能です。しかし、適切なオーディエンスソースの選定や、オーディエンスサイズの設定など、最適な運用には知識と経験が求められます。間違った設定をすると、期待した効果が得られないこともあります。
そのようなことを回避し、より精度の高いターゲティングを行う方法の1つがプロの広告代理店にサポートを依頼することです。
LINE広告運用はデジマールにお任せください。
デジマールでは、LINE広告の戦略立案から配信、改善までをトータルでサポートいたします。LINE広告のターゲティングに悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください!
デジマールの強みの1つは、他媒体も含めた柔軟な広告配信が可能な点です。デジマールには、様々な広告媒体の専門知識と運用実績を持つコンサルタントが在籍しています。したがって、LINE広告だけでなく、他媒体も含めた戦略的な設計が可能です。
他媒体をご検討中の場合、それぞれの役割分担や広告アカウントの設計、予算配分まで考慮した最適な戦略を立案します。
他のデジマールの強みなど、サービスの詳細については、以下からご覧ください。
※1:LINE広告 類似オーディエンスを作成する方法(類似配信)
※3:類似セグメントを使用してオーディエンスを増やす – Google 広告 ヘルプ
※4:オーディエンスリストの作成 – ヘルプ – Yahoo!広告
※5:Create a lookalike audience | Meta Business Help Center