LINE広告を運用しているものの、「もっと多くのユーザーに広告をクリックしてもらいたい」「クリック率(CTR)を向上させる具体策が知りたい」と悩んでいませんか?結論として、CTRを改善するにはクリエイティブの工夫やターゲティングの見直しが効果的です。
本記事では、LINE広告のクリック率の概要、平均値、さらにクリック率を上げる具体的な方法や成功事例を紹介します。執筆は、数多くの広告運用支援を手掛けてきたデジマールの社員が担当。この記事を読むことで、CTRを向上させる実践的なヒントが得られるでしょう。
LINE広告のクリック率とは
クリック率(CTR:Click Through Rate)とは、広告がユーザーに表示された回数のうち、何回クリックされたかを割合で表す指標です。
LINE広告のクリック率について理解することは、効果的な広告運用の第一歩です。以下では、クリック率の重要性とその計算方法について詳しく説明します。
LINE広告でクリック率が重要な理由
クリック率は、広告がユーザーにどれだけ興味を持たれ、行動を促せたかを示す指標です。高いクリック率は、広告の内容やターゲティングが適切であることを示し、最終的なコンバージョン率の向上にもつながります。
また、LINE広告では、クリック率が高い広告ほど表示回数が多くなり、クリック率が低い広告はほぼ表示されない傾向にあるという点からもクリック率は重要であると言えます。
LINE広告の機械学習においてはクリック率の高さが重視されていると推測され、クリック率が高いほどクリック単価も低くなります。つまり、クリック率が高い広告ほどクリック単価を低く抑えることができ、表示回数も多くなるのです。
LINE広告のクリック率の計算式
クリック率は以下の式で計算されます
クリック率(CTR) = (クリック数 ÷ インプレッション数) × 100
例えば、広告が1,000回表示され、そのうち50回クリックされた場合、クリック率は
5%(=50クリック÷1000インプレッション×100)となります。
LINE広告のクリック率の平均
具体的な数値は公表されていませんが、一般的にLINE広告の平均クリック率は0.3%〜1.5%と言われています。この数値はあくまで目安であり、クリック率の平均は商材や業界、ターゲット層などによって異なります。
(ターゲット層別のクリック率の平均と自社の広告を比較できる、CTRレベルという指標については後述します。)
他の媒体のクリック率の平均
参考までに、他の主要な広告媒体の平均クリック率は以下に記載します。
広告媒体 |
クリック率の平均 |
LINE広告 |
0.3%〜1.5% |
Googleリスティング広告 |
約6.18% |
Googleディスプレイ広告 |
約0.35% |
Youtube広告 |
約0.40% |
Facebook広告 |
約0.9% |
これらの数値と比較すると、LINE広告のクリック率は平均的な水準にあると言えます。
また、上記の数値は地域や商材、ターゲット層などによって異なります。
LINE広告のクリック単価(CPC)の平均
クリック単価(CPC: Cost Per Click)は、業種やターゲティング設定、広告の競争状況によって変動しますが、24円から200円程度が相場とされています。効果的な広告運用のためには、クリック率を上げ、できる限りクリック単価を抑える必要があります。
CTRレベルの活用
クリック率の平均は商材や業界、ターゲット層などによって異なります。また、現状では、商材別や業界別、ターゲット別などにクリック率の平均の正確な数値を把握することができません。
しかし、競合する他の広告と比較した際の自社の広告のクリック率の水準を示す指標があります。それが「CTRレベル」です。以下では、CTRレベルの概要と確認方法、向き合い方をご説明します。
CTRレベルとは
CTRレベルとは、同じターゲット層に配信されている(競合する)他の広告と比較して予測された自社の広告のクリック率の水準を評価した指標です。
これは、相対的な指標で、競合する他のアカウントの広告と比較した、自社広告アカウントの広告の健康状態を把握するのに便利な指標です。
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同じアカウント内 |
異なるアカウント間 |
広告成果の評価指標 |
クリック率、クリック単価等 |
CTRレベル |
たとえ同じアカウント内でクリック率が高い広告があったとしても、他のアカウントの広告と比較してクリック率が低い場合には、LINE広告から良い評価を得られるとは言えません。競合も意識しながら広告の相対的な良しあしが確認できる点にCTRレベルの価値があります。
CTRレベルの5段階
CTRレベルには5つの指標が準備されています。
- 平均以上(上位20%)
- 平均以上(上位50%)
- 平均以下(下位50%)
- 平均以下(下位30%)
- 平均以下(下位10%)
CTRレベルの高い広告については継続して配信しつつ、同じようなテイストの広告を追加することでさらなる拡大が望めます。一方でCTRレベルが平均以下の広告については、傾向があれば改善を行ったり、同系統の広告は停止したりすることで改善が見込めます。
CTRレベルの確認方法
CTRレベルは広告単位の指標なので、確認する際は広告アカウントの「広告」のレイヤーへ移動する必要があります。「キャンペーン」や「広告グループ」のレイヤーでは確認できない点を注意してください。
1.[広告]のレイヤーに移動し、[表示項目]から[表示項目の変更]を選択
2.[広告診断]>[CTRレベル]にチェックをいれる
3.CTRレベルが表示される
CTRレベルとの向き合い方
CTRレベルは相対的な指標で、他のアカウントの広告と比較した、自社広告アカウントの健康状態を把握するのに便利な指標です。
ただし、CTRレベルはあくまで指標の一つであり、この指標を改善することがゴールではありません。
仮にCTRレベルが平均的、あるいは低いという評価が付いている広告があったとしても、CVRが高ければ、最終目標の達成に対しては効果的な広告かもしれません。
CTRレベルが極端に良い、あるいは悪い広告の成果は注視しつつ、それ以外の評価の広告については、CTRレベル以外の指標も確認しながら広告の選別を進めていきましょう。
LINE広告のクリック率を上げる方法
クリック率を向上させるためには、広告の内容やターゲティングの最適化が不可欠です。以下では、具体的な改善策を紹介します。
広告の画像や動画の改善
広告の画像や動画、テキストの質を向上させることで、ユーザーの興味を引き、クリック率を高めることができます。鮮明で魅力的なビジュアルや、ユーザーのニーズに合致したメッセージを使用することが効果的です。
効果的とされているものはあるものの、このように作成すれば、絶対成果がでるという方法はありません。
「勝ちパターン」となるクリエイティブを蓄積するためには、複数のクリエイティブで効果検証を行う必要があります。
そのためには、サイズ、訴求したいキーワード、色などの軸で複数のパターンのクリエイティブを作成する必要があります。
LINEヤフーは、「Creative Inspiration」というサイトで、LINE広告のクリエイティブトレンドやコツを業種別・期間別にまとめた資料を定期的に更新しています。クリエイティブのトレンドやコツを詳しく知りたい方は、参考にしてみて下さい。
クリエイティブの品質強化は、デジマールの強みの1つです。 デザイナーが必要に応じて、お客様との定例会等に参加することで、クリエイティブの調整を効率的に実施いたします。 LINE広告のクリエイティブでお悩みであれば、ぜひ、デジマールにお問い合わせ下さい。
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タイトルの改善
広告のタイトルもクリエイティブと同様、ユーザーの興味を引く重要な要素です。特に、配信面のサイズが小さいトークリストなどでは、クリエイティブが小さいためタイトルの重要性は増します。
ユーザーの視点に立ち、ユーザーが自分ごと化できるタイトルを作成し、ユーザーの関心を引くことで、クリック率の向上が期待できます。
例えば、50代に向けて低カロリー食品のプロモーションを行いたい場合は、単に訴求内容を記載するのではなく、「50代向け」や「お腹まわりが気になる方へ」のように、ユーザーにこの広告は自分のことを言っていると感じてもらえることが重要です。
年齢、お悩み以外にも、性別、地域、季節性、時間帯ごとの挨拶などを入れると、クリック率を改善できる可能性があります。
タイトルも広告の画像や動画と同様、このように作成すれば、絶対成果がでるという方法はありません。
そのため、複数のパターンのタイトルを作成、効果検証を行い、勝ちパターンを見つけていくことで、クリック率を上げていくことができます。
ターゲティングの最適化
適切なユーザー層に広告を配信することで、クリック率を向上させることができます。LINE広告では、オーディエンスセグメント配信、オーディエンス配信、類似配信、自動ターゲティングの4つの方法が提供されているため、これらを活用して最適なユーザーにリーチすることが重要です。
具体例を2つ紹介します。
具体例① 年齢別の配信実績を確認し、CTRが低く、他のCVやCPAなどのパフォーマンス数値が良好でない年代があった場合、配信除外を行う。
年齢を絞りすぎてしまうと配信が出づらくなり、さらに効率が悪化する可能性があるため注意が必要です。
具体例② 類似配信を活用しており、そのオーディエンスサイズが10%以上の場合、オーディエンスサイズを自動にする。
自動に設定すると、パフォーマンスが担保できるオーディエンスサイズを自動的に調整してくれます。
(参考:※1)
*LINE広告のターゲティングの詳細については、「LINE広告のターゲティングを解説!セグメントやオーディエンスの種類も紹介」をご覧ください。
A/Bテスト機能の活用
A/Bテストとは、複数の広告パターン(例:A案とB案)を比較し、どの広告パターンがより高い効果を発揮するかを見極める、効果検証の1つの手法です。
以下では、LINE広告のA/Bテスト機能の仕組みと設定方法を解説します。
LINE広告のA/Bテスト機能の仕組み
A/Bテストは以下のような順序で実施されます。
(例は、クリエイティブをテストすることを想定しています)
1.テスト数の決定 |
テスト用キャンペーンの作成時に、テストしたい広告グループ数を指定します(最大5つ)。指定した数の分だけ、広告グループを作成します。A/Bテストは広告グループ単位 で実施されます。 |
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例)テストした広告グループを3つに設定する。広告グループを3つ(広告グループA・広告グループB・広告グループC)作成し、それぞれの広告グループに1つの広告を作成する。 |
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2.ユーザー分割 |
指定した広告グループ数で配信対象者が分割されます。各広告グループで割り当てられるユーザー数は均等な比率で分割され、配信対象者は各広告グループで重複しません。(グループ数が3つの場合、割り切れない数値は配信対象から除外されます。) |
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例)配信対象者がそれぞれの広告グループに均等に割り振られます。(広告グループAに33%・広告グループBに33%・広告グループCに33%<残りの1%は除外>) |
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3.配信 |
各広告グループで設定した内容に沿って広告を配信します。検証項目以外の設定項目は各広告グループで同一の内容が自動反映され、検証項目以外の要素がテストに影響しないような仕組みとなっています。 |
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例)広告グループA・広告グループB・広告グループCのそれぞれの広告が配信されます。クリエイティブ以外の項目は自動的に同じ内容で配信されます。 |
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4.テスト結果の確認 |
広告配信後、管理画面より各広告グループの結果を確認できます。 |
テスト可能科目
テストの可能科目は以下の3項目です。
①クリエイティブ
静止画・動画・タイトル・ディスクリプション・アクションボタンを変数として設定可能です。ビジュアルや訴求軸別の効果検証が行えます。
②ターゲティング
配信先・ターゲティングモード・地域・性別・年代・OS・詳細ターゲティング・カスタムオーディエンスを変数として設定可能です。配信先別やターゲット別の効果検証に利用できます。
③最適化と入札
入札単価の設定方法・課金方法・入札戦略・上限・目標単価を変数として設定可能です。
入札戦略別の比較や上限、目標単価の変更による配信ボリュームや効果検証に利用できます。
A/Bテスト機能の設定方法
1.A/Bテストを行いたい広告アカウントを選択します。
2.[+キャンペーンを作成]をクリックして、新しいキャンペーンを作成していきます。(既存のキャンペーンでA/Bテストを実施することはできません。)
3.A/Bテストの設定を「ON」にし、テストの目的・テストしたい広告グループの数(最大5つ)・テスト広告グループの1日の予算を設定します。
[テスト広告グループの1日の予算]は1つの広告グループの日予算であるため、「設定した金額×テストする広告グループ数」がキャンペーン全体の日予算となります。
例)[テスト広告グループ]が3、[テスト広告グループの1日の予算]が50,000円 の場合、150,000円 がA/Bテストを行うキャンペーン全体の日予算になります。
4.キャンペーンを作成した後、設定したテストの目的にそって、広告グループと広告を作成すれば完了です。
(参考:※2)
LINE広告のクリック率を上げた成功事例
具体的な成功事例を知ることで、自社の広告戦略に活かすことができます。以下では、クリック率向上に成功した事例を2つ紹介します。
成功事例① クリエイティブの検証によりCTRを3.6倍に
1つ目が、おやつの定期便サービス「スナックミー」をメイン事業として展開している株式会社スナックミーの事例です。当社は、本格運用から1年で、新規獲得の30%をLINE広告経由で獲得しています。そのような成果の要因の1つが、クリエイティブの細かい検証です。検証を重ね、効果的なクリエイティブを見つけていくことで、よりよい成果につなげていきました。
例えば、静止画の広告において、カメラマンが撮影した綺麗な写真よりもユーザーがスマートフォンで撮影したような親近感のある写真のほうが、CTRが3.6倍高くなりました。
(引用:※3)
このような細かな検証を様々なフォーマットで実施することでCTRを改善でき、結果的にCVの向上などにつながります。
(参考:※4)
成功事例② ターゲティングの最適化によりCTRを2.3倍に
2つ目は、宮崎県都城市の事例です。都城市はLINE広告を通して、ふるさと納税の新規顧客を多く獲得しています。そのような成果を実現した1つの要因が、ターゲティングを最適化したことです。
当自治体は、ふるさと納税に興味があるユーザーに効率よくアプローチするため、オーディエンスセグメント配信の趣味・関心セグメントで「ふるさと納税」項目を活用しました。その結果、ターゲティングの項目にふるさと納税を追加したセグメントでは、追加していないセグメントよりクリック率が約2.3倍高くなりました。
(参考:※5)
LINE広告のクリック率向上の大変な点
LINE広告のクリック率を向上する際の大変な点の1つは、いくつものパターンの効果検証を行わなければならない点です。効果検証を行うにあたっては、「検証パターンはどのような軸で作成すればよいのか」「検証ではどのような指標でどのような分析をすればよいのか」などの悩みを持たれる場合もあると思います。そのような悩みを解決する1つの方法が、広告代理店にサポートを依頼することです。効果的な効果検証、広告配信を実現するためには、経験豊富な広告代理店のサポートを活用するのも一つの手です。
LINE広告運用は、デジマールにお任せください!
デジマールは、LINE広告の戦略的な設計、運用から効果検証による最適な改善、目標達成までを一貫してサポートします。
デジマールの強みの1つは、広告運用コンサルチームとデザイナーチームの連携です。デジマールには、広告運用コンサルタントに加えてデザイナーも所属しています。
両者の強固な連携により、スピード感をもって高品質のクリエイティブを制作いたします。また、デザイナーもお打ち合わせに参加することができ、クリエイティブの微調整を効率的に実施することができます。
他のデジマールの強みなど、サービスの詳細については、以下からご覧ください。
※1:LINE株式会社 LINE広告運用ガイド(ウェブサイトコンバージョン編)
※2:LINEヤフー for business A/Bテスト機能を利用する
※4:LINEヤフー for business 新規集客の30%がLINE広告経由!半年でCV数を8.4倍にしたスナックミーの運用ノウハウ