LINE広告で成果を出すためには、配信して終わりではなく、分析・改善を繰り返すことが必要です。分析・改善のためには効果測定をしなければなりません。そのため、LINE広告のコンバージョン設定は、広告成果を最大化する上で欠かせないステップです。しかし、LINE広告の配信を予定している広告運用担当者の中には、「どのようにコンバージョン測定の設定を行えばよいのかわからない」といった悩みを持っている方もいるのではないでしょうか。設定手順の大枠は「LINE Tagの取得→LINE Tagの設置」です。

 

当記事では、LINE広告配信に多くの実績を持つデジマールの社員がLINE広告のコンバージョン設定の流れをSTEPごとに詳しく解説します。加えて、効果の確認方法や最先端のCookieレス対策まで幅広く説明します。記事を読むことで、コンバージョン設定の手順や仕組みが明確になり、効果測定に関する悩みも解決されるはずです。

 

LINEタグのコンバージョン設定の流れ

LINE広告のコンバージョン設定は、以下のステップで進めます。

 

・STEP1:LINE Tagの取得

・STEP2:LINE Tagの設置

 方法①Webサイトへ直接設置する

 方法②Googleタグマネージャーで設定する

・STEP3:カスタムコンバージョンの作成(カスタムイベントコードを設定する場合のみ)

 

各ステップを順に解説していきます。

 

STEP1:LINE Tagの取得

まず初めに、専用のタグを取得する必要があります。タグとは、Webページに埋め込むコード(文字)のことで、訪問者の行動を追跡し、広告の効果を計測するために使用されます。具体的には、クリックや購入、フォーム送信などのコンバージョンを記録し、広告配信の最適化や成果分析に役立てます。

 

LINE Tagとは

LINE Tagは、自社サイト内でのユーザーの行動データを計測し、広告効果を測定するためのタグです。これにより、ユーザーがどの広告を経由してコンバージョンしたのかを把握でき、広告運用を最適化するための重要なデータが得られます。

 

LINE Tagには、以下の3つのコードが用意されています。

 

LINE Tag

説明

ベースコード

ユーザーの行動を計測したい全てのページに設置が必要なコード。このコードが設置されていないと、LINE Tagは機能しません。

コンバージョンコード

コンバージョンを計測したいページに設置するコード。ベースコードとセットで設置する必要があります。

カスタムイベントコード

特定のページにアクセスしたユーザーをラベリングできるコード。コンバージョンコードでは計測できない詳細なデータの効果計測やオーディエンス(広告の配信対象)の作成などができます。ベースコードとセットで設置する必要があります。

 

LINE Tagの取得方法

LINE広告管理画面からLINE Tagを取得する手順は以下の通りです。

1.LINE広告の管理画面(広告マネージャー)にログインし、LINE Tagを設置したい広告アカウントを選択します。

 

2.広告マネージャーでタグを取得

 

広告マネージャー上のLINEタグ取得ボタン

 

広告マネージャー上の「≡(MENU)」>「レポートと計測」>「トラッキング(LINE Tag)」をクリックします。

 

3.タグのコードをコピー

表示されているコードをコピーします。用途に応じてベースコード、コンバージョンコード、カスタムイベントコードを使い分け、必要なコードをコピーします。

 

STEP2:LINE Tagの設置

STEP1で取得したタグをコンバージョンを測定したいWebサイトに設置します。LINE TagをWebサイトに設置する方法は主に2つあります。

方法①Webサイトへ直接設置する

ウェブページのHTMLに直接タグを埋め込む方法です。この方法は、ページ数が少ない場合などに適しています。 

 

1.ベースコードの設置

全ページの<head>タグ内( <head>~</head>内)にベースコードを貼り付けます。

 

2.コンバージョンコード、またはカスタムイベントコードの設置

コンバージョンコードの場合、コンバージョンを計測したいページ(例:購入完了ページ)の<head>タグ内のベースコードの直後に貼り付けます。イベントコードの場合も、イベントを計測したいページの<head>タグ内のベースコードの直後に貼り付けます。(コンバージョンタグがある場合は、コンバージョンタグの直後に貼り付けます。)

 

 

方法②Googleタグマネージャーで設定する

Googleタグマネージャー(GTM)を使用してタグを管理する方法です。こちらの方法は、コンバージョンや特定のイベントを計測したいページが複数あるなど、大量のタグを管理しなければならない場合に適しています。ベースコードの設置とコンバージョンコード/カスタムイベントコードの設置に分けて説明します。

 

<ベースコードの設置>

1.GTMアカウントにログイン

 

2.GTMの画面上で「新しいタグを追加」のボタンをクリック

GTMでのLINEタグ設置を始めるボタン

 

3.タグの設定

3-① タグのアイコンをクリック

タグのアイコンの画像

 

3-② 「カスタムHTML」をクリック

クリックする「カスタムHTML」の画像

 

3-③ 赤枠部分でコピーしたベースコードを貼り付け

タグペーストする場所

 

4.トリガーの設定

 トリガーとは、タグを発火させる(動作させる)条件のことです。選択した条件が満たさ れたときに、タグが発火し、特定のイベントが測定されます。

4-① ベースコードを貼り付けたページを下にスクロールし、トリガーアイコンをクリック

トリガーのアイコン

 

4-② 「All Pages」をクリック

クリックする「All Pages」の場所

 

5.「保存」→「公開」で設定完了

 

<コンバージョンコード/カスタムイベントコードの設置>

1.GTMアカウントにログイン

 

2.GTMの画面上で「新しいタグを追加」のボタンをクリック

 

3.タグの設定

ベースコードの設置と同様の操作で、コンバージョンコード、またはカスタムイベントコードを貼り付けます。

タグをペーストする場所

 

4.トリガーの設定

4-① コンバージョンコード/カスタムイベントコードを貼り付けたページを下にスクロールし、トリガーアイコンをクリック

4-② 右上の「+」ボタンをクリック

4-③ トリガーアイコンをクリック

4-④ 「トリガーのタイプを選択」から該当するトリガータイプをクリック

お問い合わせや購入完了ページをコンバージョンに設定したい場合は、「ページビュー」を選択します。

トリガーのタイプを選択する画面

 

4-⑤ コンバージョン/カスタムイベントをカウントしたいページを設定

トリガーを設定したいページを入力する画面

 

5.「保存」→「公開」で設定完了

 

カスタムコンバージョンの設定

カスタムコンバージョンは、ユーザー行動を追跡したい場合やコンバージョンコード設置場所以外にコンバージョン地点を設置したい場合に、作成する特定のイベントのことです。また、コンバージョンコードによる計測の有効期間は30日ですが、カスタムコンバージョンでは有効期間を1~90日に設定できるため、柔軟に有効期間を設定したい場合にも向いています。

カスタムコンバージョンの設定方法

カスタムコンバージョンを設定する手順は以下の通りです。

1.広告マネージャーでLINE Tagを作成し、該当ページに設置

カスタムコンバージョン設定ボタン

 

2.広告マネージャーのトップページの [広告アカウント] タブで、カスタムコンバージョンを作成したい広告アカウント名をクリック

 

3.「≡(MENU)」 > [レポートと計測」の「カスタムコンバージョン」 をクリック

 

4.「+カスタムコンバージョン作成」 をクリック

 

5.以下の項目を設定し、「保存」をすれば設定完了

 

項目

詳細

名前

カスタムコンバージョンの名前を35字以内で入力します。

説明(任意)

カスタムコンバージョンの説明を、300字以内で入力します。(任意)

LINE Tag

共有されたLINE Tagがある場合は選択肢に表示されるため、利用したいLINE Tagを選択します。

有効期間

計測の有効期間を1〜90日で設定します。

コンバージョン条件

URL条件

「Webページに設置したLINE Tag」とカスタムコンバージョンを紐づける条件を設定します。

特定のURL・keywordを1つもしくはOR/ANDで複数設定して対象ページの指定をします。

ワイルドカード文字(*など)は使用できません。

・URL_AとURL_Bを

 OR条件で指定: URL_AかURL_Bのどちらか

 AND条件で指定: 計測不可(「URL_AとURL_ Bを訪問」は設定できません)

・keyword_Aとkeyword_Bを

 OR条件で指定: keyword_Aかkeyword_Bを含むURL

 

 AND条件で指定: keyword_Aとkeyword_Bを含むURL

イベント条件

イベントコード名(コンバージョンコードまたはカスタムイベントコード)が表示されるため、コンバージョンポイントとしたいイベントを選択します。

※イベント「Conversion」はコンバージョンコードを指します。

(参考:※1)

 

最適化の対象として選択できるカスタムコンバージョン

作成したカスタムコンバージョンは、自動入札の最適化対象として設定できます。しかし、以下の2点の条件を満たしていなければいけません。

 

  • 過去に最低1回は計測されているカスタムコンバージョンであること(カスタムコンバージョン一覧の画面<「≡(MENU)」 > [レポートと計測」の「カスタムコンバージョン」で確認できるページ>で「最終受信」に日時が表示されていれば、過去に最低1回は計測されています)
  • 有効期間が30日以下であること

 

また、上記の2点に加え、以下の条件を満たすことが推奨されています。

 

  • 「イベント条件」で指定しているLINE Tagが複数のページに設置されていないこと
  • 発火条件が浅すぎないこと(LPのトップページなど)
  • 発火条件が深すぎないこと(一定条件を満たさなければ遷移できないページなど)

 

(参考:※2)

 

LINE広告タグの設置を確認する方法

LINEタグの設置が正しく行われているかは、以下の手順で確認できます。

1.広告マネージャーのトップページの [広告アカウント] タブで、確認したい広告アカウント名をクリック

 

2.「≡(MENU)」 > [レポートと計測」の「トラッキング(LINE Tag)」をクリック

 

3.ステータスを確認

タグのステータスを確認できる画面

 

ステータスが「利用可能」である場合、タグは正常に発火しています。[最終受信]は最後にLINE Tagが発火した日時です。特定のページにてLINE Tagが正常に発火しているかどうかを確認したい場合は、特定のページにアクセス後、[最終受信]が更新されるかを確認します。

 

ステータスが「停止中」である場合は、LINE Tagを設置したページに訪れたユーザーがいない、もしくは、LINE Tagが正しく設置されていないかのどちらかです。

LINE Tagを設置したページにアクセスし、ステータスが変わらない、あるいは最終受信が更新されない場合はLINE Tagが正しく設置されていません。

 

(参考:※3)

 

LINE広告のコンバージョン測定結果の確認方法

コンバージョンの測定結果は、広告マネージャーのダッシュボード、またはパフォーマンスレポートを作成することで確認できます。

広告マネージャーのダッシュボードで確認

ダッシュボードでは、測定結果の概要を確認することができます。

 

広告マネージャー上で、コンバージョンを確認したい広告アカウント名をクリックすると、測定結果のグラフと表が表示されます。

 

測定結果の概要を確認する画面

 

パフォーマンスレポートを作成して確認

レポートを作成することで、詳細な測定結果を確認できます。作成は以下の手順で行います。

1.パフォーマンスを確認したい広告アカウントを選び、「≡(MENU)」 > [レポートと計測」の「パフォーマンスとレポート」をクリック

2.「+レポートの作成」をクリック

3.以下の項目を設定し、「作成する」をクリック

 

設定項目

詳細

集計期間

どの期間の測定結果を確認したいかを設定します。

階層

レポートの階層を広告アカウント、キャンペーン、広告グループ、広告から選択します。

集計間隔

レポートの階層を選択します。

集計単位

レポートの集計単位を選択します。集計単位はデモグラフィックターゲティング毎に選択できます。

集計対象

レポートの集計対象を選択します。配信面別(詳細)を選択すると、配信面ごとのレポートが確認できます。

ファイル形式

CSV形式、Excel形式のどちらかを選択します。

 

4.[レポート一覧」のページからレポートをダウンロードし、測定結果を確認します。

 

パラメーターによって、LINE広告からの流入をGoogleアナリティクスで計測

 

ここでは、LINE広告からの流入をGoogleアナリティクス上で計測できるようにする方法をご説明します。

何も設定を行わない状態では、Googleアナリティクス上でLINE広告からの流入は計測されません。LINE広告からの流入は(direct/none)として分類されます。

(direct/none)とは参照元(どこから自社サイトに訪れたかを表す)の一つで、参照元のページがない、参照元のページが分からないという場合に表示されます。これでは、LINE広告から流入したセッションのデータの収集・分析が行えません。

しかし、適切な設定を行えば、LINE広告からの流入をGoogleアナリティクスで計測できるようになります。そこで必要なのが、パラメーターの設定です。

 

パラメーターとは

パラメーターは、URLの一部で、Webページの内容を変更したり、計測のために使うアドレスの最後に「?」記号の後に続く形で表示されるものです。

例)「https://digimarl.com/?utm_source=line」であれば、「?utm_source=line」がパラメーターであり、「参照元がLINE」であるということを表すことができます。

パラメーターをリンク先URLにつけることで、LINE広告から自社サイトに流入があった場合に、参照元がLINEであることを明確にすることができます。

実際にパラメーターを設定する場合は、URL生成ツール「Campaign URL Builder」などのツールを使用します。

 

【Cookieレス対策】LINEコンバージョンAPI

近年のブラウザでのサードパーティCookieの規制に伴い、Cookieに依存しない計測手法が求められています。LINEコンバージョンAPIは、その一環として提供されるソリューションです。

LINEコンバージョンAPIとは

LINEコンバージョンAPIとは、広告主が自社サーバーに保有しているデータを直接LINEのサーバーに送信することができる機能です。

コンバージョンAPIは、サーバー間で直接コンバージョンデータを送信する仕組みのことを指します。これにより、ブラウザの制限やユーザーの設定に影響されず、正確なデータ計測が可能となります。

 

LINEコンバージョンAPIの仕組み

 

(引用:※4)

 

LINEコンバージョンAPIのメリット・デメリット

メリット

  • レポーティング改善

LINE Tagで取得したデータに加え、サーバー経由での計測により今まで計測できていなかったデータを収集できるため、より精度の高い計測が可能になります。

  • オーディエンス活用

サーバー経由で流入したユーザーのオーディエンスも蓄積が可能になります。

  • ターゲティング精度の向上

収集できるデータが増えることで、広告配信の最適化の質が高まり、ターゲティング精度の向上が期待できます。

  • ブラウザの制限を受けず、正確なコンバージョン計測が可能。
  • ユーザーのプライバシー保護に対応。

 

デメリット

  • 技術的なハードルがある。

自社のサーバーからLINE側でデータを送れるようにしなければならないため、技術的な知見が求められます。

 

自社のみでの導入が難しいと感じている方は、ぜひ一度、デジマールにお問い合わせください。

 

(参考:※4)

 

LINE広告のコンバージョン設定は複雑


LINE広告のコンバージョン設定は、タグの正確な設置やカスタムコンバージョンの設定などが必要となり、運用担当者にとって負担になることもあります。特に初めての設定では、手順ミスが思わぬコスト増やパフォーマンス低下につながることもあります。このようなリスクを避け、成果を確実に引き出すには、広告代理店などのプロの支援を活用するのが最適です。

 

LINE広告のコンバージョン測定、分析はデジマールにお任せください

デジマールでは、LINE広告運用の専門知識を活かし、設定、運用から目標達成までをワンストップでサポートします。正確なタグ設置、カスタムコンバージョンの設定、最適化などすべてお任せください。貴社の広告運用を効率化し、成果を最大化するパートナーとして、全力でサポートいたします。

 

デジマールの強みの1つは、徹底した事業理解です。ヒアリングや独自調査により、お客様の事業を徹底的に理解し、ターゲティングからクリエイティブ制作まで一貫して対応いたします。一貫したサポートにより、効果的なLINE広告運用を実現します。

他のデジマールの強みなど、サービスの詳細については、以下からご覧ください。

 

 

 

※1:LINEヤフー for business ウェブサイトのコンバージョンを計測する

※2:LINEヤフー for business 【LINE広告】カスタムコンバージョンを作成しましたが、最適化の対象でそのカスタムコンバージョンが選択できないのはなぜですか?

※3:LINEヤフー for business 【LINE広告】LINE Tagが正常に動作しているか(発火しているか)を確認する方法はありますか?

※4:LINE DATA SOLUTION LINE Conversion API

 

著者情報

萩原 輝
Hikaru Hagiwara

萩原 輝

2024年6月からデジマール株式会社のSEOを担当。デジマールの広告運用講座「デジマカレッジ」を受講中。デジタルマーケティング以外にも、AIや経済、語学など様々なことに興味があり、現在は書籍やWebメディアなどでの学びに注力。大学では、高齢者による観光の重要性について研究。趣味はお笑い鑑賞。