「LINE広告を運用しているが、思うような成果が出ない」「他社の成功事例を参考に、より効果的な施策を実施したい」と考えている方も多いのではないでしょうか?結論として、成功している企業はターゲティングの工夫やクリエイティブの最適化を徹底しています。

 

本記事では、LINE広告の特徴や活用することで期待できる効果を解説した上で、実際に成果を上げた成功事例を効果別に5つ紹介します。成功事例から分かる、LINE広告運用で成果を出すために必要なポイントも解説するので、自社の広告運用に活かせるはずです。

 

執筆は、豊富な広告運用実績を持つデジマールの社員が担当。最後まで読めば、LINE広告の運用改善に必要な知識が得られ、成果向上のヒントを掴めるでしょう。

 

LINE広告の特徴

LINEは国内で月間アクティブユーザー数(約9,700万人)が非常に多く、特にスマートフォン利用者に強い影響力を持っています。そのLINE上または関連アプリ上に配信する広告がLINE広告です。

 

LINE広告ではユーザーの行動履歴や興味・関心に基づいたターゲティングが可能であり、広告主は適切なタイミングでメッセージを届けることができます。これにより、単なる広告の露出だけでなく、コンバージョンやエンゲージメントの向上にも大きく寄与します。

 

LINE広告の特徴としては、以下のような点が挙げられます。

 

  • 高いリーチ力

 国内で広く普及しているLINEアプリを利用しているため、非常に多くのユーザーに広告を届けることができます。

 

  • 豊富な広告配信面

LINEアプリ上の配信面だけでなく、13,000を超えるLINEと提携したアプリなど、様々な場所に広告を表示できるため、目的やターゲットに合わせた柔軟な広告展開が可能です。

 

  • 精度の高いターゲティング

LINEヤフーが持つ膨大なユーザーの行動データをもとにした高精度のターゲティングで、広告の対象となる見込み顧客にアプローチすることで、費用対効果の高い広告配信を可能にします。

 

LINE広告を活用することで期待できる効果

LINE広告を導入することで、企業やサービス提供者はさまざまな効果を期待できます。ここでは、特に注目すべき3つの効果について詳しく解説します。

 

効果① 認知拡大

LINE広告を通じて企業やブランドの認知度を大幅に向上させることが可能です。多くのユーザーが日常的にLINEを利用しているため、ターゲットとなる層に対して短期間で効率的に情報を届けることができます。

 

企業は新製品の発売やキャンペーン開始時にLINE広告を積極的に活用し、広範囲なユーザー層へのアプローチを実現することで、認知度向上を図ることができます。

 

効果② 新規顧客の獲得

LINE広告は、既存の顧客だけでなく、これからの新規顧客獲得にも大きな力を発揮します。ターゲティング機能を駆使することで、潜在的な顧客層へ的確なメッセージを届けることができ、広告から直接、アクション(問い合わせや購入など)に結びつけやすくなります。

 

効果③ LINE公式アカウントの友だち数の増加

LINE広告には、公式アカウントの友だち追加獲得を目的とした広告が用意されています。友だち追加後は、メッセージ配信やクーポン提供、限定情報の発信が可能となり、長期的な顧客関係の構築に寄与します。 公式アカウントの友だちが増えることで、リピーターの獲得や口コミ効果も促進され、ブランド全体のエンゲージメント向上につながります。

 

LINE広告の成功事例【効果別】

ここでは、認知拡大、新規顧客獲得、そして友だち増加といった効果別に、具体的な事例を取り上げ、その成功の要因と背景を詳しく解説します。

 

【認知拡大】弁護士事務所|Webサイトを訪問するUU数が240%アップ

◯概要

企業

弁護士事務所

目的

認知拡大

施策

・年齢や地域セグメントでターゲティングを幅広く設定

・類似配信やリターゲティング配信を活用

・「実利」を直接表現したクリエイティブを作成

結果

Webサイトを訪問するUU数が240%増加

 

◯詳細

都内のある弁護士事務所の事例を紹介します。同社は、自社の存在を広く認知させるために、ラジオCM、アフィリエイト、SNSなど他の媒体と併せてLINE広告の活用を開始しました。認知拡大には、個人向け案件(交通事故、債務整理、離婚調停など弁護士事務所への依頼)の獲得だけでなく、人材募集も促進したいという狙いがありました。

 

具体的な施策としては、個人向け案件を訴求する広告では、年齢や地域などのターゲティングを幅広く設定しました。そして、弁護士の人材募集広告については、過去のコンバージョンデータを活用した類似配信やリターゲティング配信を実施しました。(*ターゲティングの詳細については、「LINE広告のターゲティングを解説!セグメントやオーディエンスの種類も紹介」をご覧ください。)

 

クリエイティブの面では、個人向け案件の広告では、分かりやすいメリット(例:「示談金のアップ」など)を訴求しました。一方、求人広告では年収アップや安定した経営基盤など条件面の優位性を前面に出すクリエイティブを多数作成し、クリエイティブの更新は2〜3週間ごとに行いました。

 

その結果、弁護士事務所のWebサイト訪問のユニークユーザー数が240%アップし、認知拡大を実現しました。

 

(参考:※1)

 

【認知拡大】BtoB商材|ニッチ製品の認知度向上

◯概要

企業

排水圧送ポンプのトップメーカー

目的

認知拡大

施策

・マイクロコンバージョンを設定

(最適化の対象となるコンバージョンを複数設定すること)

・全てのクリエイティブフォーマットを制作

結果

CPC4円以下という低コストで認知拡大に成功

 

◯詳細

排水圧送ポンプのトップメーカーの事例を紹介します。同社は、一般的な認知度が低いBtoB商材である排水圧送ポンプの存在を広く知ってもらうために、LINE広告を活用することにしました。目的は、製品の認知度を高め、Webサイトに集客することです。

 

具体的な施策としては、BtoB商材ならではの長い検討期間を考慮し、サイト内のページ遷移をマイクロコンバージョンとして設定しました。これは、「購入」などのコンバージョンのみを自動最適化の対象とすると、最適化に必要なデータを貯めることに時間がかかるためです。(*LINE広告の最適化の詳細については、「LINE広告最適化|自動入札の入札戦略や仕組み、ポイントを徹底解説」をご覧ください。)

 

ターゲティング設定では、広く「20代以上の男女」にアプローチし、過去にコンバージョンしたユーザーを除外することで、より多くの新規ユーザーへの認知拡大を狙いました。さらに、静止画、動画、アニメーションなど全てのクリエイティブフォーマットを制作し、PDCAサイクルを回しながら、最も効果の高いクリエイティブを選別しました。

 

[クリエイティブ例]

画像クリエイティブの例

(引用:※2)

動画クリエイティブの例

(引用:※2)

 

その結果、パフォーマンスが良い月にはクリック単価(CPC)が4円以下と低コストでの認知拡大を実現しています。また、サイト内アクションのCVRは15%以上、そのCPAは50円以下と、集客後のユーザー行動を促すことにも成功しています。

(参考:※2)

 

【新規顧客の獲得】ストレッチ専門店|新規獲得数を530%アップ

◯概要

企業

ストレッチ専門店

目的

新規集客

施策

・地域ターゲティングを活用

・上限CPAを引き上げる

結果

月間新規顧客獲得数が530%増加

 

◯詳細

プロのトレーナーからマンツーマンで指導を受けられるストレッチ専門店を展開する企業の事例を紹介します。同社は、ストレッチの重要性を想起させるとともに、新規集客に力を入れるために、LINE広告の活用を開始しました。

 

具体的には、LINE広告の大規模なリーチを活かし、各店舗から半径3km以内などの地域ターゲティングを行い、来店可能性の高いユーザーに効率よくアプローチを行いました。

 

また、複数のクリエイティブを用意し、効果の高いパターンを見極めるとともに、初期設定の上限CPAを2倍に引き上げることで広告配信量を増加させ、機械学習による自動最適化の精度を向上させました。(*地域ターゲティングの詳細については、「LINE広告の地域(エリア)ターゲティング|設定方法や他媒体との違いを解説」をご覧ください。)

 

その結果、LINE広告導入後の半年間で月間新規顧客獲得数が530%アップし、CPAは32%改善、さらにクリック単価は他のSNS広告の約3分の1に低減するなど、新規顧客獲得と効率的な広告運用に成功しました。

 

(参考:※3)

 

【新規顧客の獲得】不動産|クリエイティブ改善でコンバージョン数が158%伸長

 

◯概要

企業

総合不動産会社

目的

潜在層の顧客獲得

施策

・現場にヒアリングを行い、クリエイティブを改善

・50~80パターンのクリエイティブを制作

・ターゲットの詳細設定を活用

・LINE公式アカウントを活用

結果

コンバージョン数が158%増加

 

◯詳細

戸建事業、マンション事業、収益不動産事業、さらには米国不動産事業などを展開する総合不動産会社がクリエイティブ改善によって高い成果をあげた事例を紹介します。

同社は、戸建事業(一戸建て住宅の開発、建設、販売を行う事業)におけるWeb会員登録者数の増加を目的として、LINE広告の活用を開始しました。(Web会員とは登録無料のサービスで、居住するエリアや個々のニーズに合わせた情報提供や問い合わせ対応、エリア各店への来店誘導などが行われています。)その後、広告運用をインハウス化するにあたり、クリエイティブの改善に注力しました。

 

各エリアの営業担当者の意見を取り入れながら、ターゲットとなる不動産購入に前向きなユーザー向けに、50〜80パターンの広告を制作し、場合によっては月あたり700点近くのクリエイティブを生み出すなど、細部にわたる最適化を実施しました。

 

[クリエイティブ例]

広告バナーの例

(引用:※4)

 

ターゲティングでは、主に不動産購入に前向きそうな興味・関心セグメントを設定するほか、類似配信各やターゲティングの詳細設定(「住宅展示場を訪れた可能性が高い」などの行動セグメント)を活用しました。

 

さらに、LINE公式アカウントでは約38万人の友だちに対し、ステップ配信(あらかじめ用意したメッセージを、決められたタイミングで順番に配信する機能)を通じて定期的に住宅関連情報を提供し、来店促進や資料請求へと結びつける仕組みを構築しました。

 

これらの施策の結果、クリエイティブ改善の前後でコンバージョン数が前年比で158%伸長、CPAも前年比で68%抑制できました。加えて、資料請求数は142%増加するなど、全体として大幅な成果を達成しています。

 

(参考:※4)

 

【友だち増加】食品メーカー|友だち約36,000人増加

◯概要

企業

食品メーカー

目的

友だち獲得

施策

・クリエイティブは複数のパターンを制作

・LINE公式アカウントを活用

結果

3ヵ月間で約36,000人の新規友だち獲得に成功

 

◯詳細

主に酢飲料や加工食品を製造、販売している食品メーカーの事例を紹介します。オンライン販売を強化しており、出店している各ECモール(楽天市場、Qoo10、PayPayモール、dショッピング)に合わせた4つのLINE公式アカウントを持っています。その中でも、楽天市場とQoo10の公式アカウントの友だちの増加を目指し、LINE広告の「友だち追加広告」を活用しました。(*友だち追加広告の詳細については、「LINE広告で友だち追加を増やすには?単価や配信面、質重視の方法も解説」をご覧ください。)

 

オンラインストアの主要購買層である女性をターゲットとし、既存の友だちを除外することで新規ユーザーの獲得に注力しました。また、広告クリエイティブでは、商品ビジュアルやタレントの画像など複数のパターンを作成し、自動入札により友だち追加単価を適正に管理しながら配信効果を高めました。

 

また、友だち追加後は、LINE公式アカウントの「ステップ配信」機能を活用し、初回のあいさつメッセージやECモールで使える割引クーポンを付与しました。さらに、3日後にはクーポンの利用確認メッセージを自動配信することで、ユーザーとの関係性を強化し、販売促進に結びつけました。

 

その結果、3ヵ月間の施策により、楽天市場とQoo10の2つのアカウントで約36,000人の新規友だち獲得に成功しました。LINE公式アカウントのメッセージ開封率も高く、各種クーポン施策では一部モールで前週比140%の売上増加が確認されるなど、効果的な販促活動が実現されました。

 

(参考:※5)

 

成功事例から学ぶLINE広告で成功するためのポイント

ここまでご紹介した成功事例から分かる、LINE広告運用において特に重要なポイントを4つ紹介します。

 

ポイント①ターゲティングを絞りすぎない

ターゲティングは広告の精度を上げるために重要な要素ですが、過度に絞り込みすぎると、リーチできるユーザー数が著しく減少し、結果として広告効果が限定的になる可能性があります。 実際の成功事例でも、幅広いユーザー層にも一定のアプローチを行いながら、必要に応じたセグメント分けを行うことで、広告効果を最大化しています。

 

 また、マーケット全体の動向やユーザーの嗜好変化に柔軟に対応できるよう、あえてターゲットの幅を持たせることが、結果として認知拡大や新規顧客獲得に寄与することが示されています。


このアプローチは、特に初期の段階でブランドや製品の認知度を広げる際に有効です。

ユーザー層を広くカバーしつつ、後続の段階でデータをもとにセグメントごとの最適化を図る戦略が成功の鍵となります。

 

ポイント②複数のクリエイティブを作成し、定期的に更新する

LINE広告においては、視覚的なインパクトとメッセージの伝わりやすさが極めて重要です。 一つのクリエイティブに固執せず、複数のバリエーションを用意することで、異なるユーザー層へのアプローチが可能となります。 成功事例では、数十パターンのクリエイティブを作成している企業や、全てのクリエイティブフォーマットを制作している企業を紹介しました。

最初に作成すれば終わりではなく、ユーザーの飽きやすさに対応するため、定期的にクリエイティブを更新し、常に新鮮な情報を提供することも必要です。


複数のクリエイティブをテストし、そのパフォーマンスデータを分析することで、どの要素が効果的であるかを科学的に検証し、さらなる改善策を導入するPDCAサイクルを確立することが重要です。

 

ポイント③自動最適化を最大限活用する

LINE広告の自動最適化機能(自動入札など)は、広告配信の効率化を実現するための強力な機能です。ユーザーの行動や反応を瞬時に反映し、最も効果的なクリエイティブやターゲット層への配信を自動で行うため、手動での微調整に比べて精度が格段に高くなります。

最適化に必要なデータ量(1ヶ月に約40件のコンバージョン)を獲得できていない場合は、マイクロコンバージョンの採用や、イベント単価の上限を上げるなどの改善をする必要があります。

 

ポイント④LINE広告だけでなく、LINE公式アカウントも活用する

LINE広告は単体でも効果を発揮しますが、LINE公式アカウントとの連携により、より深いユーザーエンゲージメントが実現可能です。


LINE公式アカウントを通じて、一度獲得したユーザーとのコミュニケーションを継続することで、ブランドロイヤルティの向上やリピーター獲得に直結します。
さらに、公式アカウントからのダイレクトなフィードバックやユーザーの行動データをもとに、広告施策の微調整や新たなキャンペーンの立案を行うことが可能となるため、全体として統合的なマーケティング戦略が構築されるのです。

 

デジマールでは、LINE公式アカウントの運用サポートを行っております。LINE公式アカウントの活用にご興味がある方は、ぜひお問い合わせください。

 

 

 

LINE広告の運用で成果を出すのは容易ではない


LINE広告は、幅広いユーザーにリーチできる優れた広告媒体ですが、適切なターゲティングやクリエイティブの工夫がなければ十分な成果を出すことは難しいです。特に、認知拡大や新規顧客獲得、友だち増加といった目的ごとに最適な施策を実施する必要があります。しかし、どのような施策が効果的かを見極めるには、広告運用の経験とデータ分析の知識が欠かせません。自社のみでの運用が難しいと感じる場合は、プロの広告代理店に依頼してみてください。豊富な知識と経験で、効果的な広告運用を実現してくれるはずです。

 

LINE広告の運用はデジマールにお任せください


デジマールでは、LINE広告の戦略設計から運用、効果測定までを一貫してサポートしています。貴社の業種やターゲットに最適な施策を提案し、成功事例に基づいた運用ノウハウを活かして成果最大化をお手伝いします。LINE広告で確実な成果を出したい方は、ぜひデジマールにご相談ください!

 

デジマールの強みの1つは、事業理解の徹底です。

ヒアリングや独自調査により、お客様の事業を徹底的に理解し、ターゲティングからクリエイティブ制作まで一貫して対応いたします。一貫したサポートにより、効果的なLINE広告運用を実現します。

 

デジマールのその他の強みやサービスの詳細については、以下からご覧ください。

 

 

 

※1:LINEヤフー for business 弁護士事務所のWebサイトを訪問するUU数が240%アップ!LINE広告による認知拡大で、弁護士をもっと身近に

※2:LINEヤフー for business LINE広告でニッチ製品の認知度向上へ マイクロコンバージョンで最適化するBtoB商材の戦略

※3:LINEヤフー for business 新規獲得数を530%アップさせたDr.stretchのLINE広告活用とは

※4:LINEヤフー for business CVR 158%改善!「トレンド」と「顧客理解」の掛け合わせで着手するオープンハウスグループのクリエイティブ改善とは

※5:LINEヤフー for business 3ヵ月で友だち約36,000人増加!LINE広告「友だち追加」で友だちを集め、食卓へ”まごころ”を届ける

 

著者情報

萩原 輝
Hikaru Hagiwara

萩原 輝

2024年6月からデジマール株式会社のSEOを担当。デジマールの広告運用講座「デジマカレッジ」を受講中。デジタルマーケティング以外にも、AIや経済、語学など様々なことに興味があり、現在は書籍やWebメディアなどでの学びに注力。大学では、高齢者による観光の重要性について研究。趣味はお笑い鑑賞。