「特定の地域(エリア)に関わりがある顧客層に、LINE広告を効率的に届けたい!」と考えている広告運用者の方は多いのではないでしょうか?
特定の地域への広告配信(または除外設定)には、LINE広告の「地域ターゲティング」機能が有効です。この設定を活用することで、特定エリアの潜在顧客に効果的にアプローチでき、広告効果を高めることができます。
本記事では、LINE広告の地域ターゲティング手法「地域セグメント」の概要と設定方法、他の広告媒体との違い、地域のお客様に効果的にアプローチする方法について詳しく解説します。執筆は、豊富なLINE広告運用実績を持つデジマールの社員が担当します。この記事を読むことで、地域に特化した広告配信のノウハウが身に付き、貴社のマーケティング活動を一段と強化できるでしょう。
LINE広告の地域ターゲティング手法:「地域セグメント」
LINE広告では、「地域セグメント」を活用することで、特定の地域に住むユーザーやその地域に関連するユーザーに広告を配信できます。
地域セグメントは、LINE広告のターゲティング手法である「オーディエンスセグメント配信」で設定できる属性の1つです。
オーディエンスセグメント配信とは、ユーザーの年齢、性別、地域、OS、趣味・関心、行動、属性からターゲティングする方法です。
地域セグメントを設定することで、特定の地域に向けての広告配信、または除外設定が可能となります。
LINE広告には、オーディエンスセグメント配信を含め4つのターゲティング手法があります。それらの詳細については、「LINE広告のターゲティングを解説!セグメントやオーディエンスの種類も紹介」をご覧ください。
指定できる配信エリアの種類
地域セグメントでは、以下のような地域単位で広告配信エリアを指定できます。
- 都道府県
- 市区町村
- 特定の地点から半径〇kmのエリア(住所検索、ピン、緯度経度で特定の地域を指定し、半径は1km以上から設定可能)
半径指定は以前、3kmからしか設定ができませんでしたが、2022年のアップデートにより、1kmから設定できるようになっています。
指定できる配信対象者の種類
地域セグメントでは、以下のユーザー属性に基づいて配信対象を設定できます。
- 指定地域に住んでいる人
- 指定地域で働いている人
- 指定地域に最近いた人
(参考:※1)
位置情報を活用した配信設定の注意点
①地域セグメントの精度は完璧ではない
地域セグメントは、ユーザーのプロフィール情報や位置情報などからLINE広告が独自で推定した「みなし属性」に基づいています。そのため、必ずしもユーザーの正確な現在地や居住地を反映しているとは限らない点に留意が必要です。
(位置情報は、LINEの地域情報提供に同意しているユーザーから取得されていますが、位置情報の利用を許可していないユーザーにも広告は配信されます。)
②地域を限定しすぎない
地域を限定しすぎることで、配信対象者が少なくなり、配信効果が出にくくなってしまう可能性があります。そのため最初の段階では、地域を限定しすぎないように注意が必要です。
目安としては、配信設定の画面右側に表示される推定オーディエンスサイズが1,000以上であることが望ましいとされています。
③広告グループで設定できる地域の上限は99
1つの広告グループで設定可能な地域の数は最大99までです。配信設定・除外設定の合計が100以上になっている場合は、「オーディエンスサイズが小さすぎます」というアラートが表示され、広告グループが保存できません。
地域セグメントの設定方法
LINE広告で地域セグメントを設定する手順は以下のとおりです。
1.広告アカウント作成画面(広告アカウント編集画面)の[ターゲット設定]>[地域]の欄にある[編集]をクリックする。
2.各項目を設定する
2-①配信対象を選択する
以下の5パターンから配信対象を選択します。
- この地域に住んでいる人、この地域で働いている人、この地域に最近いた人
- この地域に住んでいる人、この地域で働いている人
- この地域に住んでいる人
- この地域で働いている人
- この地域に最近いた人
2-②指定方法を選択する
エリアの指定方法を、「地域を指定」「半径を指定」の2種類から選択します。
2-③「配信」もしくは「除外」する地域や半径の起点となる場所を検索ボックスから設定する
・[地域を指定]する場合
都道府県や市区町村名を入力すると候補となる名称が表示されるため、正しい候補をクリックして確定し、「配信」または「除外」を選択します。
・[半径を指定]する場合
検索ボックスに地域名、住所、緯度経度のいずれかを入力、または、[ピンモード]で半径の起点を地図上で選択します。その後、半径を指定して、「配信」または「除外」を選択します。
3.最後に[完了]をクリックする
他の広告媒体の地域ターゲティング機能との違い
LINE広告以外にも、さまざまな広告媒体が地域ターゲティング機能を提供しています。以下に主要な広告媒体の地域ターゲティング機能を紹介します。
媒体 |
指定できる配信エリア |
指定できる配信対象 |
LINE広告 |
・都道府県 ・市区町村 ・半径指定 |
・指定地域に住んでいる人+指定地域で働いている人+指定地域に最近いた人 ・指定地域に住んでいる人+指定地域で働いている人 ・指定地域に住んでいる人 ・指定地域で働いている人 ・指定地域に最近いた人 |
Google広告 |
・国 ・都道府県 ・市区町村 ・半径指定 |
・指定地域にいる(よく訪れる)ユーザー ・指定地域にいる(よく訪れる)ユーザー+指定地域に関心を示しているユーザー |
Yahoo!広告 |
・都道府県 ・市区町村 |
・指定地域にいる人+指定地域を含むキーワードで検索した人+指定地域に関心を示している人 ・指定地域にいる人 |
Meta広告 |
・国 ・都道府県 ・市区町村 ・郵便番号 ・半径指定 |
・指定地域に住んでいる人+指定地域に最近いた人 |
X広告 |
・国 ・都道府県 ・都市部(北海道、東北、関東、東京23区、中部、近畿、関西地区主要都市、中国、四国、九州地区主要都市の10種類から選択) ・半径指定 |
・指定地域にいる人+指定地域に最近いた人 |
他の媒体にはないLINE広告の特徴は、「指定地域で働いている人」を配信対象にできることです。このように、広告媒体によって、指定できる配信エリアや配信対象が異なります。
したがって、地域密着型の店舗やサービスを展開している場合は、自社にあった地域ターゲティングの設定が行えるかどうかが広告媒体の選定基準の1つになるでしょう。
(参考:※2、※3、※4)
地域のお客様へのアプローチ方法と成功事例
地域密着型の店舗やサービスなどを展開する地域ビジネスにとって、地域のお客様との関係構築は非常に重要です。
以下では、効果的に地域のお客様にアプローチする方法として、LINE公式アカウントと友だち追加広告、さらに成功事例を1つ紹介します。
LINE公式アカウントの活用
LINE公式アカウントを開設することで、店舗やサービスに関する情報やクーポン情報などを「友だち」になった地域のお客様に発信することができます。公式アカウントを通して地域のお客様と直接つながることで、関係性を強化できます。
このように、LINE公式アカウントは、お客様とのエンゲージメントを高め、地域ビジネスの成功に貢献する有効なツールです。
LINE公式アカウントは、情報発信だけでなく、リサーチ機能を活用したアンケートの実施など様々な用途に利用できます。
デジマールでは、LINE公式アカウントの運用を包括的に支援するサービスを提供しています。 メッセージ配信計画の策定から、ターゲットを絞ったコンテンツの作成、定期的なパフォーマンスの測定と改善の提案、さらにはプロモーションのサポートまで、すべてを専門のチームが対応します。
詳細については、サービスページをご覧ください。
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LINE友だち追加広告の活用
LINE公式アカウントを活用するには、まず、地域の人たちに自社公式アカウントの「友だち」になってもらう必要があります。そこで、役立つのが「LINE友だち追加広告」です。
友だち追加広告とは、広告を通じてLINE公式アカウントの友だち追加を促す手法です。この広告で地域ターゲティングを活用することで、特定の地域に住むユーザーや、その地域に関連するユーザーに、公式アカウントの友だち追加を促す広告を配信できます。
*LINE友だち追加広告の詳細については、「LINE広告で友だち追加を増やすには?単価や配信面、質重視の方法も解説」をご覧ください。
成功事例:フィットネスジムのLINE活用
東京都と神奈川県を中心に各種スポーツ施設を運営管理している東急スポーツシステム株式会社の事例です。東急スポーツシステムは、新規会員の獲得と既存会員とのコミュニケーション強化を目的に、LINE公式アカウントとLINE広告を活用しています。
2020年3月、神奈川県武蔵小杉エリアにゴルフスクールをオープンする際、LINE公式アカウントを開設し、友だち追加したユーザーに入会割引を提供しました。この施策により、予想を超える新規会員を獲得しました。
その成果を活かし翌年に新規オープンする3店舗においては、同様の施策に加え、友だち追加広告も活用しました。ターゲティングは、地域セグメントを神奈川県横浜市神奈川区など店舗があるエリアに設定し、広告配信を行いました。その結果、2カ月の広告出稿期間の間に約800人の友だちを獲得し、店舗オープン前の集客に成功しました。
(参考:※5)
LINE広告の地域別レポートに関するよくある質問
Q1. 広告アカウント全体のインプレッション数と、地域別レポートの合計インプレッション数が合わないのはなぜですか?
A. 地域別で抽出するレポートは「都道府県」と「市区町村」の行に分かれており、「市区町村」の数値は「都道府県」にも含まれています。よって、都道府県と市区町村の合計値は、市区町村の数値が重複していることになり、広告アカウント全体の数値と乖離します。都道府県の数値と「Unknown」の数値を合計することで広告アカウント全体の数値と一致します。
また、市区町村データは、市区町村データの利用を許諾したユーザー分のみカウントされるため、総計と数値は一致しません。
Q2. 勤務地や現在地のデータ別のレポートは見れるのか
A. 地域別レポートは、ユーザーの居住地情報に基づいています。そのため、勤務地や現在地のデータ別にパフォーマンスを確認することはできません。
Q3. ターゲット設定にて選択していない地域に対して、インプレッションが発生した旨がレポートに表示されるのはなぜですか
A. レポートで表示されるのはユーザーの居住地のため、ターゲット設定で「この地域で働いている人」「この地域に最近いた人」を配信対象に含めている場合は、指定した地域以外がレポートに表示されることがあります。
また、ターゲット設定で「この地域に住んでいる人」を設定した場合、指定した地域以外にレポートが集計されると「Unknown」として集計されるため、指定した地域以外がレポートに表示されることはありません。
(参考:※6、※7)
地域ターゲティング広告での課題
LINE広告の地域ターゲティングは、地域密着型のビジネスに非常に効果的ですが、設定方法やターゲティング条件に関する知識がないと、広告予算を無駄にしてしまうリスクがあります。また、配信後のレポート分析や、他媒体との機能の使い分けにも専門的な対応が求められるため、広告運用の負担が増える場合があります。このような課題をクリアするためには、広告代理店のプロフェッショナルなサポートを受けることが最適です。
LINE広告運用ならデジマールにお任せください
デジマールでは、LINE広告を活用した地域密着型マーケティングの運用をトータルサポートいたします。地域セグメントの設定から、最適な配信戦略の立案、さらにはレポートの分析までを一貫して対応します。
デジマールの強みの1つは、他媒体も含めた柔軟な広告配信です。デジマールには、様々な広告媒体の専門知識と運用実績を持つコンサルタントが在籍しています。したがって、LINE広告だけでなく、他媒体も含めた戦略的な設計が可能です。
他媒体をご検討中の場合、それぞれの役割分担や広告アカウントの設計、予算配分まで考慮した最適な戦略を立案します。
他のデジマールの強みなど、サービスの詳細については、以下からご覧ください。
※1:LINEヤフー for business 「LINEデモグラフィックデータ配信」がアップデート|特定地域の半径レベルでターゲティングが可能に!
※2:Yahoo!広告 地域ターゲティング(特定の地域を指定して広告を配信)【検索広告】
※5:LINEヤフー for business LINE広告の「友だち追加」で800人を集客! LINEを活用したフィットネスジムの新店舗オープンの舞台裏
※6:LINEヤフー for business レポートをダウンロードする
※7:LINEヤフー for business 【LINE広告】ターゲット設定にて選択していない「地域」に対して、インプレッションが発生した旨がパフォーマンスレポートに表示されます