2024年9月時点で、LINEは約9,700万人のユーザーを抱える国内最大級のSNSであり、多世代にわたる幅広いユーザー層から支持されているメッセージアプリです。日々のコミュニケーションツールとして利用されるだけでなく、企業にとっては顧客とのつながりを築く重要なプラットフォームでもあります。
一方で、LINE公式アカウントを活用しているものの、「効果的なマーケティングに結びつけられていない」と感じている運用者も多いのではないでしょうか?
LINE公式アカウントの「分析機能」を活用すれば、友だちの追加数やメッセージの開封率、ブロック率などのデータを詳細に把握することができます。これにより、具体的な改善策を見出し、効果的な運用を実現することが可能です。
この記事では、LINE公式アカウントの分析機能について、利用できる項目や注意点を詳しくご紹介します。
1.LINE公式アカウントの分析機能とは?
LINE公式アカウントの分析機能とは、アカウント運営者が利用状況を数値データとして確認できる便利なツールです。この機能を活用することで、運用成果を具体的に把握し、さらなる改善を目指すことができます。
例えば、友だち追加数やメッセージの開封率、リンククリック数などを分析することで、配信内容の見直しや最適なタイミングの設定が可能になります。これにより、ターゲット層とのエンゲージメントを高め、運用の効果を一層引き出すことができるでしょう。
2.LINE公式アカウント分析機能12選
LINE公式アカウントの分析機能を使うことで、運用のパフォーマンスを具体的に把握し、効果的な改善策を立てることができます。以下の主な機能について順を追って詳しく解説します。
2.1ダッシュボード
LINE公式アカウントのダッシュボードは、運用状況を一目で把握できる便利な画面です。「メッセージ」「友だち」「チャット」に関する概要データが整理されて表示されており、重要な指標を簡単に確認できます。
統計期間は7日間、30日間、またはカスタムで指定することが可能で、過去のデータとの比較も容易です。さらに、先週比や前月比がパーセンテージで表示されるため、短期的・中期的な改善状況を直感的に把握することができます。
各データは日ごとに集計されており、最長で過去397日間の情報を遡ることが可能です。また、ダッシュボードのデータはエクスポート機能を活用して外部ツールでの分析やレポート作成にも役立てることができます。
2.2友だち
「友だち」セクションでは、友だちの増減や属性、追加経路に関する3つの主要データを確認できます。
- 概要データ
友だちの追加数、ターゲットリーチ数、ブロック数を時系列で表示し、状況の推移を把握することができます。また、キャンペーンなど特定の施策の効果をモニタリングする際にも役立ちます。
- 属性データ
性別、年齢層、地域など、友だちの基本的な特性を分析できます。この情報を活用することで、どの層が最も多いかを把握し、ターゲットに合わせた効果的なコンテンツ設計が可能です。ただし、属性情報が不足している場合には、判定不能として表示される場合があります。
- 追加経路の分析
友だち追加のきっかけとなった経路を詳細に把握できます。例えば、QRコードや公式リストなど、どの流入元が効果的かを特定し、集客効率の高いチャネルを見極めることができます。
なお、データ反映には最大3日程度かかる場合があり、リアルタイムでの確認には対応していない点にご注意ください。
2.3プロフィール
プロフィール画面では、アカウントのプロフィールページがどの程度閲覧されているかや、訪問者数を分析することができます。このデータを活用することで、アカウントへの関心の度合いや、ユーザーがどのような興味を持っているのかを具体的に把握することが可能です。
閲覧状況を示す指標としては、ページビューとユニークユーザーの2つがあります。ページビューは、同じユーザーが複数回閲覧した場合でもそのすべての回数をカウントします。一方、ユニークユーザーは各ユーザーを1回としてカウントするため、純粋な訪問者数を測定することができます。
これらのデータを分析することで、プロフィール閲覧数が多いタイミングを把握し、特定のプロモーションや広告がどのような影響を与えたかを評価できます。
また、レビュー機能を活用して、ユーザーからの評価を収集し、それを基にサービス改善を進めることも可能です。このように、プロフィール画面のデータはアカウント運用やプロモーション施策の最適化に大いに役立てることができます。
2.4メッセージ通数
メッセージ通数では、これまでに配信した過去のメッセージの配信数の確認ができます。
2.5メッセージ配信
「メッセージ配信」機能は、配信したメッセージに対するユーザーの反応を詳細に分析できるツールです。この機能を利用することで、開封率やクリック率、動画再生数などのデータをもとに、次回以降の配信内容を改善するための具体的な参考情報を得ることができます。
配信状況を確認する際には、概要画面と詳細画面の2つが用意されています。概要画面では、配信された全メッセージの統計情報がリスト形式で表示され、全体の状況を把握することができます。
一方、詳細画面では、各メッセージの開封率やクリック率の時間推移がグラフで視覚的に確認できるため、パフォーマンスを直感的に理解することが可能です。
この機能を効果的に活用することで、開封率の高いメッセージを分析し、ユーザーの関心を引く要素を特定することができます。また、クリック率が低い場合には、メッセージ内容やリンク先の魅力を見直すきっかけとして利用できます。
2.6ステップ配信
ステップ配信は、あらかじめ設定したシナリオに基づき、対象ユーザーに段階的にメッセージを送信できる機能です。この機能を利用することで、長期的なフォローアップやリード育成を効率的に進めることが可能です。配信されたメッセージについては、配信数やクリック数、完了率といった指標を基に分析を行うことができ、さらに時系列でデータを確認することで、具体的な効果を把握することができます。
例えば、商品購入後に送る「フォローアップメッセージ」の効果を測定することで、ユーザーとの接点を維持しつつ購買体験を向上させることができます。また、サービス登録ユーザーを対象としたフォローアップキャンペーンでは、その反応を分析し、さらなる関係構築やエンゲージメント向上に役立てることができます。
ステップ配信を活用することで、ユーザーとの継続的なコミュニケーションを実現し、マーケティング活動の効率化と効果向上を支援します。このように、計画的かつ効果的なメッセージ配信によって、より深い顧客体験の提供が可能となります。
2.7あいさつメッセージ
「あいさつメッセージ」は、ユーザーがLINE公式アカウントを友だち追加した際や、ブロックを解除した際に、自動的に送信される最初のメッセージです。
分析機能を利用することで、あいさつメッセージの表示回数やクリック回数を確認することができ、メッセージの効果を具体的に把握することが可能です。このデータを基に、メッセージ内容や形式を改善し、ユーザーの関心をより引く工夫を加えることができます。
2.8リッチメニュー
リッチメニューは、トーク画面の下部に配置されるカスタマイズ可能なメニューで、特定のリンクや情報への誘導に活用される便利な機能です。このメニューを通じて、ユーザーに重要な情報を効率的に提供したり、特定のアクションを促すことができます。
リッチメニューに関する分析データでは、各エリアのクリック数やクリック率を確認することが可能です。このデータを活用することで、ユーザーが最も利用しているメニュー項目を特定し、メニューの配置や内容をより効果的なものに最適化することができます。
ただし、クリック数が20件未満の場合にはデータが表示されない点に注意が必要です。また、表示されるデータは推定値であるため、1%前後の誤差が生じる可能性があります。
2.9チャット
「チャット」機能では、LINE公式アカウントとユーザーの間で行われた1対1のチャットトークにおけるメッセージ数などを確認できます。
特に、個々のユーザーとのコミュニケーションを重視するサービスを運営している場合には、チャットトークのメッセージ数や、特定の月にメッセージ数が増加する傾向を分析することが重要になります。こうしたデータを活用することで、より効率的かつ効果的なコミュニケーション施策を検討する際の参考にできます。
2.10LINE VOOM
「LINE VOOM」は、LINEアプリ内の「VOOM」アイコンをタップするだけで、LINEユーザーが投稿したショート動画や画像を無料で閲覧できるプラットフォームです。
分析機能では、LINE VOOMに投稿したコンテンツの効果を詳しく確認することが可能です。具体的には、投稿内容の「インプレッション数」や「クリック数」、「動画の再生数」などを把握でき、ユーザーの反応を数値化することで、投稿の改善や効果的なコンテンツ作成に役立てることができます。
2.11クーポン
クーポン機能では、配信したクーポンの開封数や利用数、さらには利用回数などのデータを把握することができます。この情報を基に、配信経路ごとの効果を詳細に分析することで、キャンペーンの改善や次回施策の立案に役立てることが可能です。
また、データの活用例としては、期限付きクーポンの利用率を分析することで、ユーザーに緊急感を与えるプロモーションを効果的に実施することが挙げられます。さらに、使用頻度の高いクーポン内容を特定することで、ユーザーにとって魅力的なオファーを次回の施策に反映し、より高い成果を目指すことができます。
2.12ショップカード
ショップカードは、ユーザーにポイントを提供することで、リピート率の向上を図る仕組みです。この機能を活用することで、カードの発行数や使用率を把握し、どの程度利用されているかを確認することができます。これにより、ポイント提供の効果を評価し、サービスの改善に役立てることが可能です。
もしポイントの利用が進んでいない場合には、特典内容の見直しや、より魅力的なキャンペーンの導入を検討することが有効です。また、使用状況のデータを活用して、特定のターゲット層に向けたメッセージを配信することで、利用促進を図ることもできます。
3.LINE公式アカウントの分析機能の注意点
LINEの分析機能は運用改善に大いに役立つ便利なツールですが、正しく活用するためにはいくつかの注意点を理解しておく必要があります。以下の3つのポイントについて詳しく見ていきます。
- 分析データの反映タイミング
- サービスとの連携機能の確認
- 個別友だち情報の取得制限
3.1分析データの反映タイミング
LINE公式アカウントの分析データはリアルタイムで反映されるわけではなく、項目ごとにデータの反映タイミングが異なります。このタイミングを正確に把握することで、より計画的な運用が可能となります。
属性情報については、データが反映されるまでに約3日程度を要します。特にターゲットリーチの情報を重視している場合には、この遅延を考慮した上で、計画的に確認することが重要です。
一方、メッセージ配信のデータは、メッセージがユーザーに届いた時点で即座に反映されます。そのため、開封率やクリック率などの指標は、配信後すぐに確認することができます。ステップ配信の場合には、反映までにおよそ1日程度の遅延が生じます。このため、特定のシナリオが効果的かどうかを迅速に判断する際には、この遅延を考慮する必要があります。
さらに注意すべき点として、ショップカードに関するデータは、公開を停止すると停止日以降は閲覧できなくなります。そのため、必要な分析は公開停止前に済ませておくことが求められます。また、データの蓄積期間には限りがあるため、必要な情報は適切なタイミングでエクスポートしておくと、長期的な分析や運用に役立てることができるでしょう。
3.2サービスとの連携機能の確認
LINE公式アカウントの分析機能には、特定のデータを取得するために連携が必要な項目がいくつか存在します。これらの設定が完了していない場合、意図したデータを正確に取得できない可能性があるため、事前の確認と設定が重要です。
例えば、予約機能の分析を行うには、LINE公式アカウントと外部の予約サービスを連携させる必要があります。この連携が未完了の場合、予約数やキャンセル数といったデータは取得できません。
また、メッセージ配信の効果を詳細に確認するためには、LINE Tagの設定が求められます。この設定を行うことで、メッセージを受け取ったユーザーがウェブサイトを訪問したり、商品を購入したりしたかどうかを追跡することが可能となります。
3.3個別友だち情報の取得制限
LINE公式アカウントの標準的な分析機能では、友だち全体の動向を把握することはできますが、個々のユーザーの行動データを取得することはできません。
たとえば、「クリックしたのは誰か」や「どのユーザーがメッセージを開封したか」といった個別情報を確認することは不可能です。そのため、全体の統計データを基にした大まかな分析は可能ですが、具体的なユーザー像を詳細に描くには限界があります。
このような制約を補うためには、「Lステップ」や「「L Message(エルメッセージ)」・「Liny(リニー)などの「拡張ツール」を活用する方法が効果的です。
4.LINE公式アカウントの分析機能を効果的に活用するには
LINE公式アカウントの運用で「どのデータを活用すればいいか分からない」「分析機能を使いこなせない」と感じたことはありませんか?特に初めて分析機能を活用する場合、その効果を最大化する方法を見つけるのは簡単ではありません。そんなときには、専門的なサポートが運用の効率化につながります。
デジマール株式会社では、LINE公式アカウントの分析機能を最大限活用するためのサポートを提供しています。
ブランドやターゲットに最適化された運用設計
企業のブランドやターゲット層に合わせ、分析データを活用した最適な運用方法を提案。友だち増減、メッセージ開封率、クリック率などのデータを基に、目標達成を後押しする戦略設計を行います。
データに基づいた運用改善提案
収集データを基に、クリック率やコンバージョン率向上のための改善策を提案。友だち追加の経路や配信効果を分析し、配信内容やタイミングを最適化します。
効率的な設定・運用サポート
初期設定からデータ収集、レポート作成までを一貫してサポート。データエクスポートや新機能の導入支援により、分析業務の効率化を実現し、運用負担を軽減します。
「LINE公式アカウントのデータをもっと活用したい」とお考えの方は、ぜひデジマールのサポートをご検討ください。詳しくはこちらをご確認ください。