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広告

2024.11.13

2024.11.15

萩原輝

【完全ガイド】LINE広告に必要な費用や課金方式について解説

LINE広告の費用の相場や課金方式、費用対効果を高めるためのポイントなどについて丁寧に解説していきます。

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LINE広告は、少額から手軽に始められ、柔軟に予算を設定できるという魅力があります。しかし、実際にどれほどのお金がかかるのか、どのような課金方式になっているかなど、費用に関してわからないことが多くあると思います。

したがって、本記事では、LINE広告の導入を検討している方などに向けて、LINE広告の料金に関する基本情報から、費用の相場や課金方式、費用対効果を高めるためのポイントなどまでを網羅的に解説します。

 

本記事を読むことで、LINE広告の費用に関する疑問を解消でき、さらには費用を無駄にしないためのポイントを知ることができます。

 

LINE広告の料金の特徴

LINE広告は柔軟な費用設定が可能で、初期費用がかからず、少額からでも始められる手軽さが魅力です。ここではLINE広告の料金の基本的な特徴を2つご紹介します。

初期費用は0円で、手軽にスタートできる

LINE広告のアカウント開設や配信設定は無料であり、初期費用が発生しません。そのため、初期段階での資金的な負担を抑えつつ、すぐに広告を配信することが可能です。新たな試みとしてテスト運用を行いたい広告主や、広告費用を最小限に抑えたい広告主などにとって、LINE広告は非常に導入しやすい選択肢です。

上限金額を自由に設定可能で、後からでも変更できる

一定期間にかける広告費は企業側で自由に設定でき、少ない金額で短期間試してみることも、大きな予算をかけて多くのユーザーにリーチすることも可能です。また、後から、効果に合わせて金額を変更することが可能です。例えば、「テスト運用をしたい」という場合は数千円程度の少額で配信を始め、効果が実証された場合、金額をもう少し高く設定するなどが可能です。

 

LINE広告の費用と出稿期間の相場

LINE広告の費用や出稿期間の相場は、配信規模やターゲティングの詳細によって異なりますが、認知拡大やWebサイト集客が目的の場合、

月30万円での出稿を3ヵ月以上、「友だち追加」が目的の場合、月10万円での出稿を3ヵ月以上続けることで配信効果が安定して得られる傾向にあるとされています。

前述したように、LINE広告は少額で始められることが強みの1つです。しかし、LINE広告の配信枠はオークション形式で決定されるため、一定程度の予算が必要となり、予算が低すぎると広告が配信されない可能性が高くなります。

 

また、LINE広告で最大限の成果を得るためには、機械学習を活用し、配信を最適化することが重要です。その機械学習にはデータの蓄積が必要です。しかし予算や出稿期間が少ないと、データが蓄積されず、十分な機械学習が行われないことで、期待する広告効果を得られない場合があります。したがって、一定の費用と出稿期間が必要となります。

(参考:※1)

 

LINE広告の入札方法

LINE広告は、事前に設定した入札単価などをもとにオークションが行われ、どの広告が表示されるかが決定します。ここでは、入札単価を設定する方法である、手動入札と自動入札について説明します。

 

手動入札

広告主が自分で入札金額を設定する方法です。1クリックあたりや、1000インプレッション(表示)あたりの上限金額を、自分で直接入力します。

 

広告主がコストを詳細にコントロールできるため、予算を厳密に管理したい場合に有効です。また、特定のターゲットに向けて積極的に予算を投じたい場合にも向いています。

 

しかし、効率的な入札金額の調整には手間がかかり、競争が激しい場合は最適な入札価格を見つけることが難しくなる可能性があります。

 

自動入札

事前に設定する入札単価や予算内で最適な入札金額が自動で調整される方法です。例えば、目標コンバージョン単価を設定すると、その目標コンバージョン単価を達成するために最適な入札金額を自動で調整します。

 

広告主が手動で調整する手間がなく、機械学習によって入札金額が最適化されるため、成果が出やすく、運用工数を削減することができます。

 

自動入札の最適化は広告グループごとに行われ、機械学習の完了に必要なイベント数(コンバージョン数やクリック数など)は、1つの広告グループで約40件です。この件数のイベントを獲得するためにかけてよい期間の目安は30日程度です。30日間で40件のイベントを獲得できることが、自動入札を活用するポイントです。

 

LINE広告の3つの課金方式

LINE広告の課金方式について見ていきましょう。LINE広告には、クリック課金、インプレッション課金、友達追加ごとの課金の3つの課金方式があります。それぞれの特徴を理解し、自社の目的に合った課金方式を選ぶことが大切です。

 

課金方式

特徴

最低設定価格

クリック課金(CPC)

広告がクリックされたときに課金が発生する。

手動入札:24円

自動入札:36円

(1クリックあたり)

インプレッション課金(CPM)

広告がユーザーのスマートフォンに完全に表示されるごとに課金が発生する。

手動入札:200円

(1000インプレッションあたり)

友だち追加ごとに課金

広告経由で友だち追加が発生した際に課金が発生する。

手動入札:50円

自動入札:75円

(1回の友だち追加あたり)

 

課金方式の選択のポイント

  • クリック課金:広告のクリック数やコンバージョン数を重視する場合に適しています。実際に興味を持ったユーザーにのみ費用が発生するため、広告の成果を可視化しやすいメリットがあります。クリック単価の相場はおよそ24円〜200円程度です。

例)購入やWebサイトへの集客など、ユーザーへアクションを促す場合

 

  • インプレッション課金:ブランドの認知度を高めたい場合に効果的です。多くの人に広告を表示させることで、認知度を上げるために利用されることが多いです。

 

  • 友だち追加ごとに課金:新規顧客の獲得や、フォロワーを増やしたい場合に最適な方式です。友だち追加が発生した場合にのみ課金されるため、顧客の増加に直結しやすい特徴があります。

 

(参考:※2)

広告表示までの仕組みと発生する費用

LINE広告では、広告枠に表示される広告はリアルタイムのオークションによって、決定されます。

ユーザーが広告枠を表示すると、その広告枠への広告掲載をめぐりオークションが実施されます。そして、オークションに勝利した広告が掲載されるという流れです。

 

オークション

オークションでは、アルゴリズムによって最も効果的な広告が選ばれます。具体的には、事前に設定した入札額(自動入札の場合、自動で調整された入札額)や広告の関連性、ユーザーの属性や興味などに応じて、適切な広告がユーザーに表示される仕組みです。

最終的な単価

オークションで勝ち、広告が表示された際、設定した入札単価が実際の単価になるわけではありません。例えば、1クリック60円で入札した自社の広告が掲載される場合に、オークション内で自社以外の広告で最も高い入札単価が50円であれば、自社の広告は1クリック51円で掲載されます。LINE広告では、1番高い入札金額の企業は、2番目に高い入札金額の企業より1円高い金額で広告枠を勝ち取る仕組みとなっています。

 

LINE広告で設定できる予算

LINE広告では、「キャンペーン上限予算」と「1日の予算」という2つの予算設定が可能です。これらを設定することで、LINE広告にかける費用をコントロールすることができます。

以下では、2つの予算の概要と予算を超過してしまう場合、1日の予算の下限額についてご説明します。

 

 

キャンペーン上限予算

1日の予算(日予算)

説明

キャンペーン全体で使いたい予算を設定する。

1日に費やす予算の目安を設定する。

設定

任意

必須

設定場所

キャンペーンの作成画面

キャンペーンの作成画面(方法①の場合)

広告グループの作成画面(方法②の場合)

設定方法

方法①「月単位」で設定する。

方法②配信する「全期間」で設定する。

方法①「キャンペーンの最適化」:キャンペーン単位で設定した1日の予算を配下の広告グループで自動で最適化する。

方法②各広告グループごとに手動で設定する。

メリット

全体の予算を超過するリスクを避けることができる。

1日単位で予算や広告配信量を管理することができます。

 

「キャンペーン上限予算」の予算超過について

キャンペーン上限予算は、上限の設定であるため、予算が超過することは基本的にはありません。しかし、キャンペーンの終了日時を、終了予定時刻より25時間以内に設定した場合、終了時間以降の配信超過分(ユーザーが広告キャッシュをクリックした際に発生する費用)が請求対象になり、設定した予算を超過してしまう場合があります。

 

そのため、キャンペーンの終了日時は、終了予定時刻より25時間以上前に管理画面で設定する必要があります。

 

例えば、2024年11月31日23:59に配信停止させたい場合、終了日時は2024年11月30日22:59まで(25時間以上前)に管理画面から設定する必要があります。この時間を過ぎて設定した場合、終了時間以降の配信超過分が請求対象になる可能性があります。

 

「1日の予算」の予算超過について

「1日の予算」はあくまで予算の目安の設定であるため、設定した金額を超過する場合があります。しかし、配信された金額が設定した1日の予算の200%を超えた場合は、200%を上回った分の金額は請求対象外になります。

 

「1日の予算」の下限額

「キャンペーンの予算の最適化」を使用している場合、1日の予算の下限額は、5,000円となります。一方、広告グループで1日の予算を設定する場合、1円単位での設定が可能で、下限額は以下の表の通りであり、キャンペーンの目的と広告グループの設定によって異なります。

 

キャンペーン目的

入札方法

設定単価

日予算の下限額

全て

手動

CPC/友だち追加単価

入札単価

CPM

1円

ウェブサイトへのアクセス

自動

CPC

入札単価

ウェブサイトコンバージョン

自動

CPC

入札単価

CPA

1円

アプリのインストール

自動

CPC

入札単価

CPI

1円

アプリのエンゲージメント

自動

CPA

1円

動画の再生

自動

CPV

1円

友だち追加

自動

友だち追加単価

入札単価

商品フィードから販売

自動

CPC

入札単価

CPA

1円

リーチ

自動

CPM

1円

(参考:※1)

 

LINE広告の予算の決定方法

LINE広告の予算は一般的に、「1件のイベント獲得に費やしてもいい金額×獲得したい成果数」で決定します。

例えば、ECサイトでアパレル商品を販売しているとします。ここでの成果となるイベントは、ユーザーによるアパレル商品の購入です。1回の購入を獲得するために費やしてもいい金額が2000円、獲得したい購入数が200個であるならば、広告の予算は40万円(2000×200)となります。

また、予算は少額または高額にしすぎないことも大切です。少額すぎると、獲得したい成果数に到達する前に、予算を消化してしまいます。反対に、高額すぎると、予算が無駄に消費され、費用対効果が低くなる可能性があります。適度な予算を設定し、配信後の効果に合わせて調整することが重要です。

 

LINE広告の費用対効果を高めるためのポイントと成功事例

広告費用を抑えながら、効果を最大化するための工夫は重要です。ここでは、LINE広告で費用対効果を高めるための具体的なポイントを解説します。

1.自動入札を利用する

機械学習によって入札単価が自動で最適化される自動入札は、効率改善や運用工数の削減が期待できます。

LINE広告の自動入札には、目的に応じて選べる4つの戦略があり、それぞれ異なる特徴とメリットがあります。以下の表にて説明いたします。

 

戦略

特徴

メリット

イベント単価の上限を設定

特定のイベント(例:クリックやコンバージョン)の単価に上限を設ける方法です。 設定した単価以上の費用がかからないように調整しながら、目標イベントを最大化します。

コスト管理がしやすく、予算を超える心配が少ないため、費用が高騰するリスクを抑えたいときに有効です。

イベント単価の目標を設定

特定のイベント単価の目標値を設定し、それに近づくように自動調整されます。

(イベント単価は目標値の10%程度まで変動する可能性があります。)

コストを意識しつつ、できるだけ多くのコンバージョンを得られるように最適化されます。

入札額の上限を設定

入札金額の上限を決め、それ以上の単価での入札を行わないようにする戦略です。

他の入札戦略よりも単価を抑えながら、安定的に広告を配信することができます。

単価の上限なしで1日の予算の消化を最大化

単価に制限を設けず、1日の予算を最大限に使い切るように最適化する方法です。他の入札戦略と比べて、単価が高くなる可能性があります。

広告の露出を一気に増やしたい、短期間で大きな効果を狙いたいときに適しています。

 

4つの戦略の中では、目標コンバージョン単価や1日の予算などに合わせて適切に入札単価を調整してくれる「イベント単価の上限を設定」や「イベント単価の目標を設定」の利用が特に推奨されています。

 

2.ターゲティングを最適化する

LINE広告の大きな魅力の一つが、細かいターゲティングが可能であることです。広告の配信先を、性別や年齢、趣味・関心といった条件で絞ることで、反応の良い層に広告を集中させることで費用対効果を高めることができます。

LINE広告には、「オーディエンスセグメント配信」「オーディエンス配信」「LINE公式アカウントの友だちオーディエンス配信」「類似配信」の4つのターゲティング方法があります。(ターゲティングの詳細については、「LINE広告の「ターゲティング」を解説!ターゲティング一覧も掲載」をご覧ください。)

ここでは、ターゲティングを最適化したことで成果をあげた、宮崎県都城市のふるさと納税のプロモーションの事例を紹介します。

 

宮崎県都城市の事例:ターゲティングの最適化でクリック率が2.3倍に

都城市は、豊かな水資源を有することから農業が盛んで、全国有数の焼酎の産地としても知られています。LINE広告は、ふるさと納税に興味があるユーザーに広くリーチすることを目的に活用を開始しました。

施策では、ふるさと納税に興味があるユーザーに効率よくアプローチするため、オーディエンスセグメント配信の趣味・関心セグメントで「ふるさと納税」項目を活用しました。結果としては、ターゲティングの項目にふるさと納税を追加したセグメントでは、追加していないセグメントよりクリック率が約2.3倍高くなりました。

(参考:※3)

 

3.効果的なクリエイティブを作成する

広告の画像や動画、テキストなどの内容を工夫して、ターゲットユーザーにとって魅力的でわかりやすい広告を作ることが重要です。これにより、広告を見た人が興味を持ってクリックしたり、購入や登録などのアクションを起こしやすくなります。

クリエイティブ制作のポイントについては、「【2024年最新】LINE広告のバナーサイズ・入稿規定一覧」をご覧ください。

ここでも、クリエイティブを工夫したことで成果をあげた、神奈川県鎌倉市のふるさと納税のプロモーションの事例を紹介いたします。

 

神奈川県鎌倉市役所の事例:クリエイティブの工夫でクリック率が他媒体の約5倍に

鎌倉市は、豊富な観光資源を持っている強みを活かし、多岐にわたる、ふるさと納税の返礼品を提供しています。LINE広告は、市が運営する「鎌倉市ふるさと寄附金」の認知拡大と、それに伴う申し込み件数の増加を目的に活用を始めました。

施策では、複数の画像を横方向にスワイプできる「カルーセル」の広告フォーマットを活用し、複数の返礼品を紹介することで、返礼品の種類が豊富であるという強みを発信しました。広告のディスクリプションでは、鎌倉産であることをアピールし、「鎌倉ブランド」を強調しました。

鎌倉市役所のLINE広告のクリエイティブ画像

(引用:※4

 

その結果、LINE広告のクリック率は、他媒体の約5倍となる2.13%を記録しました。LINE広告を始めた年度の寄付額は、LINE広告以外の配信効果も含めた金額ではあるものの、前年度比で1.5倍の約17億円に達しました。

(参考:※4)

 

まとめ

LINE広告は、初期費用は0円で始められて、予算の上限を自由に設定できるという特徴があります。費用の相場は、月30万円程です。また、課金方式には、クリック課金、インプレッション課金、友だち追加ごとに課金の3種類あり、LINE広告を活用する目的などに応じて選択することが重要です。

 

また、LINE広告の費用対効果を高めるためのポイントは以下の3つです。

1.自動入札を利用する

2.ターゲティングを最適化する

3.効果的なクリエイティブを作成する

また、LINE広告の運用には、定期的な効果測定と改善が欠かせません。この記事を参考に、貴社のビジネスに最適なLINE広告の運用方法を見つけ、ターゲットユーザーにリーチし、効果的な広告展開を実現していきましょう。

 

自社のみでのLINE広告運用が困難だと感じておられる方は「LINE広告運用代行」サービスからぜひお問い合わせください。

デジマールではLINE広告の運用に加え、クリエイティブ制作なども行っています。

豊富な経験と徹底したデータ分析を駆使し、成果を最大化するための効果的な運用やクリエイティブ制作をお約束します。

 

※1:LINEヤフー for business LINE広告の費用ガイド 必要な予算、3つの課金方式、入札方法などを解説

※2:LINEヤフー for business LINE広告の料金と予算の考え方

※3:LINEヤフー for business ふるさと納税で4度の全国1位 宮崎県都城市がLINE広告を始めた理由

※4:LINEヤフー for business クリック率が他媒体の約5倍!ふるさと納税のPRを成功させた鎌倉市のLINE広告活用