FSPとは?

FSPは、フリークエント・ショッパーズ・プログラムの略になります。お店の業績に貢献してくれている顧客に対して、その貢献度に応じた優遇を行い、その結果より高い支持を獲得していくという戦略です。航空会社のマイルプログラムのような、フリークエント・フライヤーズ・プログラム(FFP)がもとになっています。FFPは、1981年にアメリカン航空が始めたマイルポイント制度が始まりとされています。FSPを活用するのは主に小売業者になるでしょう。顧客ひとりひとりの購入履歴をデータとして、金額や利用頻度また累計利用金額などによってグループ分けを行い、それぞれに優遇サービスや特典を付与して内容の変化を加えることで顧客の満足度を高めることができます。そして、優良顧客の定着化や拡大を図ることができるマーケティング手法になります。身近な例では、購入金額に応じてポイントがたまり、特定の期間におけるポイントの獲得数などに応じて特典が受けられるというものがあります。優良顧客や固定客を優遇することによって収益の安定化を目指すという考えがベースにあります。日本は少子高齢化が進んでいるので、既存顧客をいかにつなぎとめるかが安定した収益を得るために必須の条件となります。

FSPの活用事例

大手百貨店の伊勢丹が発行しているアイカードは、フリークエント・ショッパーズ・プログラムの代表的な例として挙げられるでしょう。1年間の購入金額が100万円を超える顧客には10%の割引を行っています。アイカードの会員数は約300万人いるとされていて、その中の2割が10%割引を受けられる顧客です。この20%の優良顧客を優遇してつなぎとめることが、この大手百貨店の安定した収益に直接つながっているのです。

海外企業でFSPの活用で成功したのは、イギリスの大手スーパーマーケット「テスコ」です。1ポンドの買い物で1ポイントがたまるポイントカードを発行しました。たまったポイントはテスコの商品と交換ができるというものです。ポイントカードは無料で発行してもらえますが、年齢、性別、住まいといった個人情報を登録しなければいけません。顧客は買い物をしてポイントをためるたびに、購入内容や履歴がシステムに蓄積されクーポン送付や店内広告の参考にされています。新商品の開発にもポイントカードの利用から得られるデータが使用され、成功しています。

まとめ

日本の市場は成長社会から成熟社会に入っています。それで、ビジネスにおいて新規顧客を大幅に増やすということは現実問題として見込みがほとんどないでしょう。それで、今現在抱えている既存顧客の満足度を高めて引き続き自社の商品やサービスを長く利用し続けてもらうことに力を入れていくべきでしょう。そこで効果的なのが、フリークエント・ショッパーズ・プログラム(FSP)なのです。