1.マイケル・ポーターとは?
マイケル・ポーターはハーバード大学の経済学博士号を持つアメリカの経営学者です。企業戦略・国際競走などの競争戦略に関する研究者としては第一人者として知られ、世界各国で彼の概念が経済政策の指針とされています。
「戦略とは何をやらないかを決定することである」「『人を喜ばせる』という思いは資本主義の真髄」といった名言でも知られます。
2.マイケル・ポーターの競争の戦略
マイケル・ポーターの競争戦略論のうち、特に知られているのは彼の著書である『競争の戦略』に記されている「5つの競争要因(5つの力・ファイブフォース分析)」と「3つの基本戦略(コストリーダーシップ戦略・差別化戦略・集中戦略)」でしょう。
「5つの競争要因」(ファイブフォース分析)とは事業環境の分析を行うためのフレームワークです。マイケル・ポーターは経営戦略を立てる上において「業界の競争状態=競争要因」を把握することが重要であるとし、5つの「競争要因」として「新規参入者の脅威」「売り手の交渉能力」「買い手の交渉能力」「代替品・代替サービスの脅威」「競合業者」を上げています。
また、競争に対するアクションの基本として「自社の防衛力を強化する」「他社の業界に効果的に参入する」を挙げています。
顧客・市場に対する自社の商品・サービスの位置づけ(ポジショニング)や、商品やサービスが顧客に届くまでにそこに付加される価値の連鎖を示す「バリューチェーン」、営利会社が社会のニーズに対応することで経済・社会両側面の価値を創造するアプローチである「共有価値の創造(Creating Shared Value:CSV)」の提唱も行っています。
3.3つの基本戦略
マイケル・ポーターは企業が競争優位性を打ち立てるために重要となる基本戦略を「3つの基本戦略」としてまとめています。「3つの基本戦略」とは競争戦略の類型に基づいて考えられており、具体的には「コストリーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」が挙げられます。
コストリーダーシップ戦略
「コストリーダーシップ戦略」とは、圧倒的な低コストを武器として業界で競い合う、コストを優位として展開する戦略のことです。ここで言う「低コスト」とは、「低い費用」と「低い原価」のことを指しており、一般的に考えられる「安売り」「低価格戦略」という意味ではないことに注意する必要があります。
具体的に「低い原価」によるコスト優位の戦略を行う方法としては、大規模な設備投資などで「規模の経済」「オペレーションの改善」といった経験曲線効果を追求し、製品の生産にかかるコストを大幅に引き下げるといったことを挙げることができます。
製造業のみならず、原材料の調達から始まり、最終顧客への商品・サービスの提供に至るまでに商品に付加される価値の連鎖(バリューチェーン)を一体化することでコストの削減を目指す取り組みをおこないます。
こうしてコストを下げることで発生する「利益(マージン)」を元に、更に大幅な投資と効率化を図ることで他社が追随できない優位性を獲得することを目指すのが「コストリーダーシップ戦略」です。
差別化戦略
「差別化戦略」とは、商品に対して顧客に、競合他社よりも高額な価格を支払ってもらうことにより、利益を生み出すことを目指す戦略です。自社製品の価格を維持、もしくは上げることにより競合他社製品との差別化を図ります。
マーケティング用語における「差別化」には、同じものを競合する別製品と区別させる行為を含みます。
競合他社と商品の差別化を図ることにより、先に述べた5つの競争圧力である「新規参入の脅威(差別化された商品が十分供給されることで価格がさがらない)」「代替品の脅威(代替品が別の商品・サービスと認識され価格競争が起こらない)」「顧客の交渉力(唯一の商品であるので価格交渉に応じる必要がない)」「供給業者の交渉力(原材料費の高騰に合わせて値上げが可能となり利益が確保される)」「競合他社とのポジション争い(価格競争に巻き込まれない)」に対し優位に立つことができます。
集中戦略
「集中戦略」は上述の「コストリーダーシップ戦略」や「差別化戦略」と合わせて行われるものです。
「コスト集中戦略」は市場セグメントを絞り込み、特定ターゲットに対して集中的にコストリーダーシップ戦略を行う方法です。この「コスト集中戦略」は経営資源が限られているような場合に、特に有効な経営戦略として機能します。ニッチな市場に対して圧倒的なコストの優位性を確保することができる戦略として働きます。
「差別化集中戦略」は市場セグメントを絞り込み、特定ターゲットに対して差別化戦略を集中的に行います。「コスト集中戦略」と同様、経営資源が限られる商品・サービス市場に対して有効な戦略で、やはりニッチ市場において他社の追随を許さない商品やサービスの提供が可能です。
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