全世界で最も多くのユーザー数を持つSNSのFacebook。
そんな、FacebookにはFacebook広告と呼ばれる様々な広告が掲載されています。
Facebook広告は、画像とテキストを用いた視覚に訴えるフォーマットとFacebookの利用履歴や登録情報に基づくターゲティングが特徴です。
また、連携しているサービスとしてInstagramやMessengerにも同一の広告管理画面から広告配信が可能です。
本記事ではFacebook広告について分かりやすく体系的にお伝えしながら、その仕組みなども詳しく解説します。
そもそもFacebookとは?
はじめに、Facebook広告を出稿するにあたってFacebookの概要について解説します。
Facebookの特徴は「実名登録」「InstagramとMessenger」にあります。
それでは、各々見ていきましょう。
Facebookの特徴「実名登録」
Facebookの特徴の一つは、実名登録にあります。
ユーザーは、登録情報や行動履歴をもとに、所属している会社や学校、住んでいる地域、現在どのような仕事をしているのか、何に関心があるのか、どのようなライフステージにあるのかといったデータをFacebookに提供しています。
Facebook広告では、このデータをもとにターゲティングを行うことができます。
ユーザーが投稿や広告に、「いいね!」「コメント」、「シェア」を行った場合、友達のユーザーに実名でその行動が知らされるため、拡散力が高いSNSと言えます。
参考:Facebookヘルプセンター|Facebookではどんな名前が認められますか。
Facebookは「Messenger・Instagramと連携している」
Facebookのもう一つの特徴はメッセージアプリであるMessengerを提供していること、Instagramと連携していることです。
これら2つのサービスはFacebook広告と繋がっており、Facebook広告のプラットフォームを用いてこれら2つのサービスにも広告配信をすることができます。
参考:Messenger広告
参考:Instagram広告
Facebook、Instagramの規模
Facebook、Instagramは日本でも多くのユーザーを抱えるSNSです。
以下は現在公式に公開されている時点でのFacebook、Instagramの利用者数のデータです。
月間アクティブユーザー(日本) | 月間アクティブユーザー(世界) | |
2,600万人 | 28億人 | |
3,300万アカウント | 10億アカウント以上 |
参考:Facebook NewsRoom|Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破
FacebookやMessengerはビジネスの場面で利用されることが多く、Instagramは趣味やファッション、インテリア、美容といった衣食住に関する情報収集に使われることが多いという特徴を持っています。
それぞれの媒体と親和性の高い商材で出稿を行えば、効果の高い広告配信を行うことが出来ます。
Facebook広告とは?
そこで、Facebook広告とはFacebookおよびInstagram、Messengerなどに広告配信が可能な広告プラットフォームです。
Googleの検索広告やディスプレイ広告のように、特別な広告掲載枠が準備されているわけではありません。
「インフィード広告」、すなわち通常の投稿と同じフォーマットで広告が掲載されます。
参考:Facebook広告|潜在顧客と潜在ファンにリーチする
Facebook広告が掲載される場所はどこ?
Facebook広告では、広告が掲載される場所のことを、「配置」と呼びます。
Facebook広告の配置は、Instagram、Messengerを含めて以下のようになります。
Messenger | ||
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Facebookか、Instagramか、Messengerか、媒体の違いはありますが、例えばFacebook広告のストーリーズ、Instagramのストーリーズ、Messengerのストーリーズのように各媒体の同じ機能においては、同一フォーマットで広告が掲載されます。
このように、Facebook広告は、複数の媒体に同じフォーマットで広告掲載できるという特徴があります。
Audience Network(オーディエンスネットワーク)はFacebookアプリ以外の広告掲載枠
Facebookは、Audience Network(オーディエンスネットワーク)という、Facebook以外のアプリへの広告掲載枠も保有しています。フォーマットは限られますが、それらのアプリにも広告掲載が可能です。
ネイティブ広告、バナー広告、インタースティシャル広告、動画リワード広告の4種類のフォーマットを利用可能です。
インタースティシャル広告は、画面に覆いかぶさるように掲載される広告のことです。動画リワード広告はインタースティシャル広告と似ていますが、広告を見終わることでアプリ内の報酬がもらえるという違いがあります。
Facebookの調査によると、Facebookだけで広告を見た人に比べて、FacebookやInstagram、Audience Networkなど様々な場所で広告を見た人のコンバージョン率が8倍であったという結果も出ています。
Facebookだけにこだわらない幅広い広告配信が効果を発揮しそうです。
参考:Facebookビジネスヘルプセンター|Audience Networkについて
Facebook広告の広告フォーマットの種類とは?
それでは、広告の配置がわかったところで広告のフォーマットをご紹介します。
フォーマットによって利用できる画像や動画の要件が異なることはもちろん、広告配信できる配置にも制限があります。
Facebook広告の画像広告
FacebookやInstagramは、フィードであれ、ストーリーズであれ、画像を用いた投稿であふれています。
画像広告は「Sponsored(広告)」という表記は付きますが、通常の投稿と同じフォーマットで広告掲載することができます。
クオリティが高い画像や、人の興味を惹く画像であれば、拡散、シェアされて広告費以上の効果を発揮する可能性もあります。
参考:Facebook広告|簡単に作成できるFacebook写真広告で想像をかきたてましょう
画像広告が掲載できる配置は以下のようになっています。
Messenger | ||
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Facebook広告の動画広告
FacebookやInstagramでは、スマートフォンの普及によって画像だけでなく動画も投稿することが当たり前となりました。
広告という観点でいえば、動画は画像以上に情報を凝縮して発信することができます。FacebookやInstagramでは動画広告も簡単に投稿することができます。
参考:Facebook広告|動画を使ってターゲットにリーチする新しい方法を考えましょう。
動画広告が掲載できる配置は以下のようになっています。画像広告より少し掲載範囲が狭く、Facebookの右側広告枠やMessenger受信箱、Messengerの広告メッセージでは動画を使うことができません。
Messenger | ||
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Facebook広告のカルーセル広告
カルーセルとは、メリーゴーラウンド(回転木馬)のことで、カルーセル広告は、複数の画像を1連の流れで掲載できる広告のことです。画像それぞれに違う遷移先URLを設定できます。
例えば旅行会社が様々な旅行先のプランをカルーセル形式で掲載したり、ソフトウェア会社が商品の様々な機能をカルーセル形式で掲載したりと、利用方法は多岐にわたります。
参考:Facebook広告|広いスペースでアクションを促しましょう
カルーセル広告が掲載できる配置は以下のようになっています。
Messenger | ||
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Facebook広告のコレクション広告
カバー画像と4点の商品画像を掲載できる広告です。直接購入に持ち込むことができるので、購買までのスパンが短いファッションや食関連の商品と相性がいいでしょう。
参考:Facebook広告|利用者が商品を簡単に閲覧できるようにしましょう。
コレクション広告が掲載できる配置はかなり限られています。
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Facebook広告のバナー画像・動画のサイズは?
Facebook広告、Instagram広告は
- 1.91:1(1,200×628)
- 16:9(1,920×1,080)
- 1:1(1,080×1,080)
- 4:5(1,080×1,350)
- 9:16(1,080×1,920)
これらのサイズの画像・動画を作成すれば、すべての配置に掲載可能なため、効果を最大化するにはこれら5種類のサイズを作成するとよいでしょう。
それぞれの画像・動画がどのように表示されるのか、どの配置に表示されるのかは以下の記事よりご確認ください。
Meta広告(Facebook広告とInstagram広告)で利用できるバナーサイズ・テキストの要件をご紹介していきます。
Facebook広告ではどのようなターゲティングができる?
Facebook広告の特徴は前述した多様なフォーマットに加えて、精緻なターゲティング機能にあります。
このターゲティングが可能なのは、実名登録で、様々なステータスについて記入ができるプロフィールや、Facebook、Instagram上の行動履歴からユーザーの興味関心が把握できるからです。
また、Facebookピクセルタグを自社サイトに設置すれば、自社のウェブサイトに訪れたユーザーをリスト化することができ、リターゲティングが可能となります。
Facebookでは、同じような性質を持ったユーザーのまとまりのことを「オーディエンス」と呼びます。オーディエンスには3つの種類があります。
コアオーディエンス |
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カスタムオーディエンス |
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類似オーディエンス |
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コアオーディエンスは、Facebookが取得したデータを用いてターゲティングします。カスタムオーディエンスは、広告主がすでに持っているデータ、例えば顧客データや、Facebookピクセルで取得したす、Webサイトに訪れたことがあるユーザーのデータを用いてターゲティングします。
類似オーディエンスは、カスタムオーディエンスをソースオーディエンスとし、ソースオーディエンスとの類似度を1%~10%で選んで、その範囲に該当するユーザーに広告配信を行います。
参考:Facebookビジネスヘルプセンター|広告マネージャでコアオーディエンスを作成する方法
参考:Facebookビジネスヘルプセンター|カスタムオーディエンスについて
参考:Facebookビジネスヘルプセンター|類似オーディエンスについて
Facebook広告の広告掲載の仕組みとは?
Facebook広告で広告が掲載されるかは、
- 入札価格
- 推定アクション率
- 広告品質
の3つの指標をもとしたオークションによって決まります。同じユーザーに広告を掲載したい2社以上が存在するときに、このオークションが行われます。
Facebook広告の広告オークション
Facebookの広告オークションが実施されるタイミングは、あるユーザーが2社以上の広告主のターゲットオーディエンスになった場合です。
スキー好きの女性のオーディエンスに広告配信をしたいA社と、ある地域のスキー好き全員に広告配信をしたいB社の例を考えます。以下の図のように、「ある地域に住むスキー好きの女性」Cさんは両社のターゲットオーディエンスになります。
A社とB社のどちらがCさんに広告掲載できるかは、広告オークションによって決まります。
広告オークションは次の3つの要素で総合的に評価されます。推定アクション率と広告品質を管理画面で直接確認することはできません。
入札単価 広告主がその広告に対して設定した入札価格(つまり、広告主が目的達成のために支払う用意がある金額)です。広告オークションで入札を管理するにはいくつかの方法があります。詳しくは、入札戦略をご覧ください。 推定アクション率 特定の利用者がその広告でアクションを実行するか、その広告経由でコンバージョンに至る可能性(つまり、その利用者に広告を表示することが広告主の目的達成につながる可能性)を示す推計値です。注: クリックベイトやエンゲージメントベイトは、広告パフォーマンスの向上につながりません。 広告品質 広告を見た人や非表示にした人からのフィードバックや、低品質とみなされる広告の特徴(情報の隠ぺい、扇情的な表現、エンゲージメントベイトなど)といったさまざまな要素から判断された広告の品質指標です。
推定アクション率と、広告品質を直接確認することはできませんが、管理画面から「エンゲージメント率ランキング」「コンバージョン率ランキング」「品質ランキング」を確認することができます。
それぞれの指標は以下のような関係性にあります。
広告の関連度 | 推定アクション率 | エンゲージメント率ランキング |
コンバージョン率ランキング | ||
広告品質 | 品質ランキング |
これらの指標と、広告関連度診断を用いることで、現在のFacebook広告運用の問題点を探ることができます。
参考:Facebookビジネスヘルプセンター|広告オークションについて
Facebook広告の費用はいくら?
Facebook広告は、認知からコンバージョンまで幅広い用途で目的で利用できることが特徴です。目安となる広告費用も、その目的によって異なります。
Facebook広告では、予算額に対してどれくらいのリーチやクリック、コンバージョンが見込めるかシミュレーションすることができます。
購入タイプごとのシミュレーションの方法を見てみます。購入タイプは、自由度高く入札価格を設定できる反面、成果が予測しにくい「オークション」タイプと、予算ごとの成果が約束されているものの、入札価格は設定できない「リーチ&フリークエンシー」タイプの2種類あります。
「オークション」購入タイプでシミュレーションを行う
「オークション」購入タイプでは、予算や入札価格を自由に設定できます。100円/日から掲載を始めることが可能です。
「オークション」購入タイプで、ターゲットの設定や、予算による成果の違いを確認するには、広告セットで「1日の推定結果」を確認します。
上記は、予算金額やターゲティングを変更してシミュレーションしてみた値です。なおこの値はキャンペーンごとに異なるため、必ずしも同じ値になるとは限りません。
「リーチ&フリークエンシー」購入タイプでシミュレーションを行う
購入タイプ「リーチ&フリークエンシー」を選択した場合も、予算額とターゲットの設定を行い、シミュレーションを行います。広告セットで「リーチ&フリークエンシーの推定数」の項目を確認します。
ターゲティングや予算を変更すると、リーチ、ターゲット層でのリーチ割合、CPM、フリークエンシーの値が変化することがわかります。
購入タイプ「リーチ&フリークエンシー」の場合、ここで表示されるCPMがそのまま支払い時に適応されます。
シミュレーション方法について、詳しくは以下の記事を参照ください。
Facebook広告で選択できるキャンペーン目的の種類とは?
Facebook広告では、広告配信の目的に合わせて、キャンペーン目的を選択することができます。
選んだキャンペーン目標によって利用することができる広告フォーマットや、配置、機能に違いがあります。
選択できるキャンペーン目的は以下です。
- ブランドの認知度アップ
- リーチ
- トラフィック
- エンゲージメント
- アプリのインストール
- 動画の再生数アップ
- リード獲得
- メッセージ
- コンバージョン
- カタログ販売
- 来店数の増加
参考:Facebookビジネスヘルプセンター|適切な広告の目的を選択する
まとめ
ここまで、Facebook広告の概要を見てきました。ターゲティング、広告フォーマットどれをとっても多様で、それゆえに数多く設定するものがあるということがわかりました。
Facebook広告でまず大事なことは、適切なオーディエンスに対して広告配信することです。そしてオーディエンスを設定するうえで必要なことは、自社のビジネスを理解し、どのようなターゲットにどのような広告を掲載したいのかを明確にすることです。
その意味で事前準備がものをいう広告です。
配信設定の準備をしたうえでクオリティの高い画像や動画を用いたプロモーションを行うのが、Facebook広告といえるでしょう。