Facebook広告のターゲティング

松葉駿平

Facebook広告のターゲティングは緻密な設定が可能です。実名登録が基本となっているSNSであるため、オーディエンスから正確性の高いデータ収集が可能であり、的確な絞り込みに繋がる設定に活かせます。的確な絞り込みが成功すれば、広告の情報発信効果が大きくなることが期待できます。

ターゲティングの種類と特徴

ターゲティングは大きく分けて3種類があります。「コアオーディエンス」「カスタムオーディエンス」「類似オーディエンス」の分類です。それぞれの特徴によって、絞り込みを行います。的確なセグメントにより、さらに広いユーザーへのリーチが実現します。

コアオーディエンス

利用者本人の個人的なデータを使った分類です。位置情報、性別や年齢、学歴や職場・職位など、facebookに登録してあるデータがセグメントの基本になっています。また、本人がプラットフォーム上に表示させる情報や「いいね」した対象なども利用されます。ほかにも、過去の購入履歴のような消費行動やデバイスの利用の仕方、他のユーザーとのつながりがセグメントデータとして利用されます。

コアオーディエンスのグループが作成されるときは、1つの条件だけで絞り込みが行われるわけではなく、複数の条件を掛け合わせての作成になります。たとえば「住所・東京×年齢・30歳×趣味・フットサル」のような条件を掛け合わせると、かなり緻密なセグメントが実現します。情報配信をするターゲットとして、より的確な設定が可能になるのです。

コアオーディエンスの項目は多数用意されています。実に500種類を超えているほどです。スマートフォン1つを例にとっても、メーカーや機種の世代での分類まで可能です。ここで的確なターゲットを分類することができれば、広告効果の大きな向上が期待できるでしょう。

カスタムオーディエンス

連絡先から分かるCRMシステムやメールアドレスを利用し、オンライン・オフラインですでにつながりを持っている顧客です。プライバシーを守りながらのリーチが可能であるため、個人情報を気にするオーディエンスに対しても有効性が期待できます。ほかにも、webサイトの訪問履歴や特定アプリの使用状況、動画閲覧の傾向からカスタムオーディエンスにセグメントすることもあります。

広告配信プラットフォームではFacebookピクセルを設定することにより、webサイトを訪れたときの特定の行動で、そのビジターに適した広告の表示も可能です。カスタムオーディエンスは「既存の顧客」が基本的なセグメントになり、リピーターとしての期待を持つ企業に向いていると考えるかもしれませんが、実際はそれよりも大きなセグメントに影響を与えています。

カスタムオーディエンスと類似オーディエンスは切っても切れない関係です。カスタムオーディエンスを持っていると、類似オーディエンスで大きな成果が期待できるようになります。

類似オーディエンス

既存の顧客と類似性のある行動をするオーディエンスです。SNSを利用した配信プラットフォームでは、もっとも注目するべき特徴です。

類似オーディエンスは、カスタムオーディエンスから作成されるグループです。既存の顧客と趣味や嗜好、職業などが共通し、デバイスから分かる動向が類似していることが特徴です。類似性があることから対象への心理的ハードルが低く、興味を持ちやすくなり、発信側とつながりを得る可能性が高いと言われています。

たとえば、自社製品を購入したことがある、または問い合わせをしてきたことがあるオーディエンスで、カスタムオーディエンスのグループ(ソースオーディエンス)を作成します。そのソースオーディエンスをもとに類似オーディエンスを作成すると、SNS上にいる似たような傾向のオーディエンスに対して広告配信をすることができるのです。既存の顧客と類似した属性を持っているオーディエンスとつながりを持ち、各種ファネルに訴求しやすいセグメントです。

それぞれの設定方法

オーディエンスごとに効果的な設定をするためにはコツがあります。

コアオーディエンス設定方法

コアオーディエンスは主にユーザーのプロフィールから収集できる情報を用いて設定を行います。前述の通り、500項目から選択が可能なため、かなり詳細な設定にチャレンジできるでしょう。

項目も掛け合わせが可能です。しかし、闇雲に掛け合わせるのではなく、「OR」「AND」の設定を使いこなすと絞り込みの効果が上がります。

たとえば「3歳の子どもがいる」という設定にしたければ、「子どもがいる人」「0~3歳の子どもがいる」を「AND」で結びます。対して、「4歳以上の子どもがいる」としたければ、「OR」で結ぶと「0~3歳の子どもがいる」というターゲットを除外することができます。

対象とするユーザーを具体的にイメージして設定できるため、「OR」「AND」を的確に使うと良いでしょう。ただ、「OR」「AND」を頻繁に使い過ぎると、ターゲットの幅を狭めてしまうこともあります。

しかし、ターゲットの幅を狭めることを逆手に取り、コアオーディエンスの中でもさらにコアな条件を設定できるのもまた確かです。ピンポイントでターゲティングの広告を出稿したいときなどには有効に活用しましょう。

たとえば、地域密着型で展開している店舗の情報を発信するとき、「AND」を活用して「東京都大田区に住む30代女性で0~3歳の子どもがいる」とまで絞り込めば、店舗側が顧客としてターゲットにしたいオーディエンスだけに情報を配信することができます。

予算の都合であまり大がかりな範囲への発信ができないというときにも、この絞り込み方法によるコアオーディエンス設定が有効です。

カスタムオーディエンス設定方法

カスタムオーディエンスは4つの方法で設定が可能です。

ウェブサイトカスタムオーディエンス

「Facebookピクセル」を使った設定方法です。Facebookピクセルを自社のwebサイトに埋め込みます。サイトビジターとユーザーを自動的に照らし合わせ、カスタムオーディエンスとして分類します。

特徴としては、この方法で分類されたオーディエンスに配信される情報は、再度の訪問を促すものだということです。リマーケティング効果が期待できる方法です。

モバイルアプリカスタムオーディエンス

ユーザーが使うモバイルアプリを利用した設定方法です。アプリの中でユーザーに期待するアクション(購入する、問い合わせをするなど)を定義として先に設定します。そして、ユーザーが定義のアクションを取ることによってリーチを実行します。

カスタマーリストを利用したオーディエンス

オフライン・オンラインですでに獲得しているデータ(カスタマーリスト)を基に、オーディエンス設定をします。カスタマーリストをアップロードすると、記載されているユーザーがカスタムオーディエンスとして設定されます。

アップロード形式はテキスト形式かCSV形式です。facebookでは専用のテンプレートを用意していますので、そちらを使うとあとの作業がしやすくなるでしょう。

エンゲージメントカスタムオーディエンス

Facebookのアプリ、サービスへのアクションを利用した設定方法です。フィードに表示される動画の再生やリンククリックのようなアクションが、エンゲージメントとして反映されます。

類似オーディエンスの設定方法

類似オーディエンスはカスタムオーディエンスを利用して設定します。この設定は基本的に自分で行うのではなく、facebook側が自動的にセグメント化します。

類似性があるとしても、類似性の幅によっては配信する人数が多くなりすぎたり、または少なくなりすぎたりする心配が出てきます。予算を圧迫してしまうことにも繋がりますので、この辺りは手動で絞り込みを行う必要があります。

類似性はパーセンテージで調整が可能です。1%~10%のパーセンテージのうち、自由に数値を設定します。数値が小さければ類似性が小さく、大きければ類似性が大きくなるため、配信先の人数を調整しやすくなります。

また、カスタムオーディエンスを基本としたソースオーディエンス1つにつき、500個の類似オーディエンスを作成することが可能です。

しかし、ソースオーディエンスは「1つの国につき最低100人の国民が含まれているものでなくてはならない」と規定されています。作成時にはソースオーディエンスの人数を必ず確認しておくと良いでしょう。

効率的な運用方法とは

オーディエンスの種類と特徴、設定方法を見てみると、最重要視されることが多いのは類似オーディエンスであることが分かります。類似オーディエンスを使いこなすことは、情報配信の成果を上昇させる結果に直結するでしょう。

カスタムオーディエンスを充実させる

類似オーディエンスはカスタムオーディエンスをソースとしてセグメント化するため、カスタムオーディエンスの充実度が最重要だと考えるべきです。ソースオーディエンスの精度が上がれば上がるほど、類似オーディエンスもまた精度が上がり、より効果的なターゲティングに繋げることができます。ソースオーディエンスの精度を上げて的確なターゲティングを行うためには、小まめでスピーディーなPDCAを心がけると良いでしょう。

最初は類似性を広めに設定する

類似性を広くしすぎると、予算の関係で思うような情報発信ができなくなる可能性があります。しかし、無理のない範囲内で最初に広めの設定をすると、のちのちコストパフォーマンスが良くなる傾向も見受けられます。

類似性の設定を狭くしすぎると、その分、対象となるユーザーが絞り込まれることになります。極端に絞り込まれる可能性も否定できず、そうなると「ほとんど配信されなかった」という結果に繋がりかねないのです。

このため、まず始めは広めの設定を行い、クリック効果や成果をもとに少しずつ狭くしていくことをおすすめします。幸い、facebook広告は同内容の他社サービスと比較して低予算でも運用できるというメリットがあります。最初は投資と考え、コストパフォーマンスを過剰に意識することはやめておくと良いでしょう。

ターゲット間におけるオーディエンスの重複を避ける

複数の広告を出稿する場合、気を付けておきたいこととして、オーディエンスの重複があります。重複は絶対禁止!というわけではないのですが、出稿内容が酷似しているのであれば注意が必要です。

内容が酷似した広告はオークションの対象になります。この際、コストパフォーマンスが悪いと判断されたほうの出稿は削除が行われ、配信されないのです。配信数が下がる結果に繋がり、オーディエンスへのリーチに失敗することになります。

出稿前にオーディエンスの重複率を把握しておくと、このような事態を防ぎやすくなります。管理画面から確認することができます。

管理画面にある「ビジネスツール」から「オーディエンス」へ行き、「オーディエンスの重複を表示」を選択します。比較したいオーディエンスのセグメントにチェックを入れると、重複率が表示されます。重複率が高いと感じたときには、オーディエンスの調整を行うと配信数の確保に役立ちます。

また、出稿後にも重複率を確認することが可能です。管理画面の「広告セット」のタブから出稿している広告の一覧を表示し、「確認」をクリックすると重複率が表示されます。複数の出稿をしているのに結果がかんばしくない、いまいち想定外の成果しか出ないな、と感じたときにはチェックしてみると良いでしょう。

facebook広告ではツールの使いこなしも重要なスキル

facebook広告はターゲティング機能に優れているため、情報配信の効果が上がりやすい特徴を持っています。管理や運用も難易度がそれほど高いというわけではなく、比較的多くの人が使いやすいものだと言えます。

しかし、詳細なオーディエンス設定や効果的な配信手段を適切なPDCAでこなすためには、ビジネスマネージャのようなツールを使いこなすことも重要なスキルになるでしょう。

的確なターゲティングとオーディエンス設定は情報配信効果の上昇に繋がります。各種の段階のファネルに効果的な配信スタイルを確立するのも大切でしょう。それぞれのセグメントの性質を理解し、活用することが大切です。

事業会社でSaaSのWebマーケティングに1年間携わったのち、デジマールに入社。TableauとIllustrator勉強中。趣味は料理。

松葉駿平

事業会社でSaaSのWebマーケティングに1年間携わったのち、デジマールに入社。TableauとIllustrator勉強中。趣味は料理。

広告運用代行や各種支援について、
お気軽にご相談ください。
デジマールのマーケティングノウハウをご提供します。

お問い合わせはこちら