今回は、デジマールで実際に作成しているレポートのサンプルを用いながら、代理店の業務の一つ、「レポート作成」について解説していきます。

リスティング広告について、基礎を知りたい方は「リスティング広告とは?」の記事をご覧ください。

※本記事は、Googleパートナー・Yahoo!認定パートナーである、デジマール株式会社が執筆・監修しているものです。

リスティング広告の月次レポート

代理店の作成したレポートは必ずしも代理店とコミュニケーションをとっている担当者のみが見るわけではないでしょう。決裁権を持つ上司や同じチームの方も見る可能性が高い物です。ただ数値を羅列するだけでなく、それら数値からどのようなことが読み取れるのか、簡単にでも示してあるとレポートは多くの人にとって見やすいものとなります。

リスティング広告の月次レポートは、Google広告、Yahoo!広告と分けたうえで、アカウント全体、キャンペーン、広告グループ、広告、キーワードといった単位で作成していきます。それぞれのレポートについてその形式や内容、そこからわかることについて見ていきましょう。なお、今回レポート内で使用されている数値は実際の運用実績を一部改変したものです。

実施概要

まず、どのような運用方針で、いくらの予算を、どのようなターゲットに対して充てているのかを簡単に明記します。基本的にこの内容は、運用前にお客様にヒヤリングした内容と同じです。
月次レポート-実施概要

全体サマリー

次に、リスティング広告、及び運用していればディスプレイ広告を媒体ごとにまとめた全体サマリーを作成します。このページでは、おおまかにリスティング広告とディスプレイ広告のどちらで成果が上がっているのか、Google広告とYahoo!広告で成果が上がっているのはどちらなのかを確認することができます。
月次レポート-全体サマリー

全体サマリー

前述の「全体サマリー」のなかでもリスティング広告部分を切り取り、さらに詳細な数値を並べたレポートです。運用開始時との差分や、MoM、YoYがわかるような形式で数値を並べます。
月次レポート-全体サマリー(検索)

リスティング広告で重要な指標はいくつかあります。表示回数、クリック数、コンバージョン数とそれらに関わるインプレッションシェア(広告が表示された回数/広告が表示される可能性があった回数)、CTR(クリック数/広告表示回数)、CPC(クリック単価)、CVR(コンバージョン数/クリック数)、CPA(コンバージョン単価)の各数値を最低限抑えたレポートが望ましいでしょう。
このサンプルだと、2020年3月と比較して、2020年9月のCTRやCVR、CPAが改善していることが分かります。また、Google広告とYahoo!広告の成果も比較が可能です。

ディスプレイ広告を運用していれば、同じように全体サマリーレポートを作成します。

キャンペーン別レポート

リスティング広告全体での成果が分かったところで、キャンペーン別に成果を見ていきます。デジマールでは、リスティング広告運用において、指名キーワードキャンペーンとミドルキーワードキャンペーンの2種類を作成することが多く、これらのキャンペーンにおけるCPAが、お客様の期待CPAを上回っていないかをチェックします。また、基本的に媒体間で同じキャンペーン構造を採用するので、Google広告とYahoo!広告のどちらの費用対効果が高いのかも比較することができます。
月次レポート-キャンペーン別レポート

ディスプレイ広告を運用していれば、同じようにキャンペーン別のレポートを作成します。

広告グループ別レポート

キャンペーンはさらに広告グループに分類できるので、広告グループ単位でも成果を確認します。ターゲットごとにキーワードや広告を切り分けたものが広告グループです。広告グループ間で成果が異なれば、広告グループのターゲットや、登録しているキーワード、広告を改善するという見通しを立てることができます。

なお、サンプルは、1キャンペーンに1広告グループを作成した場合の例のため、数値はキャンペーン別レポートと相違ありません。

キーワード別レポート

リスティング広告でもっとも改善の必要があるのは、キーワードです。

レポートでは、広告配信期間中、どのキーワードでコンバージョンが発生したのか、費用がどれくらいかかったのかなど、分かりやすく作成します。

Googleは1つの広告グループに5~20程度のキーワードを登録することを推奨しており、これらすべてについてレポートを作成すると膨大な量となってしまいます。月次レポートでは取り逃したくない指名のキーワードや、代表的なミドルワードについて成果が確認できるよう、キーワードを厳選してレポートを作成します。すべてのキーワードの情報は、広告の管理画面で、見たい指標と共に確認するとよいでしょう。
月次レポート-キャンペーン別レポート
月次レポート-キーワード別レポート(Yahoo!)

クリエイティブ別レポート

リスティング広告において、クリエイティブは顧客の目に触れる最も重要な要素の一つです。特に同じ広告グループ内で複数クリエイティブを作成し、どちらの成果が高いか検証することを、ABテストと呼びます。運用初期のABテストが必須な時期には、キャンペーン別レポートと同じように、クリエイティブ別レポートも重視して、最適なクリエイティブを模索していきます。これはもちろん、ディスプレイ広告でも同様です。
月次レポート-クリエイティブ別レポート

日別レポート

ここまで解説してきたレポートは、管理画面上で数値を確認すればいつでも作成することができます。1か月単位のレポートのみだと、日々どのような運用をしていたのかまで読み取ることはできません。ひょっとすると月初に予算を使い切っていたり、ただ予算をつぎ込んで特に施策は打っていなかったりと、実際には広告運用とはいえないような予算の使い方をされているといった可能性もあります。デジマールでは、日々の運用を可視化するため、広告グループ別の日別レポートを添えることで、そのような情報の隠蔽を防いでいます。
日別レポート-Google-指名
日別レポート-Google-ミドル
日別レポート-Yahoo!-指名
日別レポート-Yahoo!-ミドル

まとめ

最後のまとめには、1か月の施策の振り返り及び今後1か月の動きについてまとめます。
月次レポート-まとめ

まとめ

ここまで、代理店が月ごとに作成する、リスティング広告運用レポートについて見てきました。Google広告やYahoo!広告は支払いが月ごとにあり、予算も月ごとに組むことが多いため、このようなレポートは運用を改善していくうえで最良の判断材料です。リスティング広告は検索動向や競合の入札によって順位が変動しやすいため、日々成果をチェックすることもまた欠かせません。

代理店が、どれだけ誠実に運用をしてくれるのか。その指標の一つにレポートの内容の充実があり、目に見える数少ない指標でもあります。代理店を選ぶ際にはぜひこの観点でも精査してみてください。

デジマールでは、リスティング広告運用の無料相談を実施しております。

「リスティング広告を始めてみたい」

「見た目だけでなく、中身があり自社で共有しやすいレポートを作成してほしい」

といったリスティング広告のご相談については、「リスティング広告運用代行」をご覧ください。