LINE公式アカウントの複数運用、設計から代行まで一気通貫で支援します

複数アカウント運用は「分けるべきか」「料金プランをどう組むか」「KPIをどう見るか」で成果が大きく分かれます。デジマールは業種別の最適なアカウント分割パターン、配信設計、効果測定ダッシュボード構築までを一貫してご支援します。アカウント数が増えて運用が回らない/効果測定ができていない/拡張ツールとの組み合わせに悩んでいる——そんなときはお気軽にご相談ください。

「LINE公式アカウントは何個作れる?」のタイトルと、複数アカウント管理をイメージした管理画面風イラストを配置したブログアイキャッチ画像

結論:LINE公式アカウントは1IDで100アカウントまで複数作成できる

まず最も多くの方が知りたい結論からお伝えします。LINE公式アカウントは、1つのLINEビジネスIDにつき最大100アカウントまで作成でき、作成自体は無料です。未認証アカウント・認証済みアカウントいずれの種別でも、上限は同じ100アカウントです。複数のスマートフォンや端末を準備する必要もなく、同じビジネスIDでログインしている限り管理画面の切り替えだけで運用できます。

2026年5月時点・公式仕様の要点

  • 作成可能数:1つのLINEビジネスIDで最大100アカウント(未認証・認証済み共通)
  • 作成費用:作成自体は0円。メッセージ配信が一定数を超えた場合のみ有料プランへ移行
  • 管理:同じビジネスIDで一括管理可能。アカウントごとに権限・運用者を分けることも可能
  • 料金プラン:コミュニケーション(0円)/ライト(5,000円)/スタンダード(15,000円)の3段階(税別)
  • 出典:LINE for Business 公式ヘルプ/LINEヤフー公式(2026年5月確認)

個人用LINEの場合と業務利用のLINE公式アカウントでは、複数作成の考え方が大きく異なります。次章でその違いを整理します。

個人用LINEと業務用LINE公式アカウント:複数作成の考え方の違い

「LINEを複数作りたい」という相談には、個人用LINEを複数持ちたいケースと、業務用のLINE公式アカウントを複数運用したいケースの2種類があります。両者は仕組みも上限も大きく異なるため、最初に整理しておきましょう。

個人用LINEを複数アカウント運用する場合

個人用LINEは、原則として1台のスマートフォンに1つのアカウントしか紐付けられません。電話番号認証が必須であるため、2つ目のアカウントを作るには別の電話番号もしくは別の端末が必要です。プライベートと仕事を切り分けたい個人事業主・フリーランスの方は、以下の選択肢から検討するのが一般的です。

  • サブ用のスマートフォン(または格安SIM)を別途用意してアカウントを分ける
  • iPad など複数台のデバイスで同一アカウントにログインし、利用シーンを使い分ける
  • 仕事用は「LINE公式アカウント」を作り、個人LINEとは完全に切り分ける(推奨)

これまでの支援を通じて、フリーランス・個人事業主の方ほど個人用LINEで仕事をしようとしてトラブルになるパターンを多く見てきました。顧客の個人情報が個人LINEに混在することはセキュリティ・プライバシー両面でリスクが高く、屋号・サービス名で「LINE公式アカウント」を1つ作るほうが、無料の範囲内でもメッセージ配信・予約受付・1対1チャットすべてが整います。

業務用LINE公式アカウントを複数作成する場合

企業や店舗が公式アカウントを複数運用するケースは、LINEビジネスIDを用いた管理画面上の操作だけで完結します。電話番号は1つあれば十分で、同一の管理者が100アカウントまで紐付けて運用できます。本記事の以降は、この「業務用LINE公式アカウントを複数作成・運用する」前提で解説します。

LINE公式アカウントを複数運用する4つの代表パターン

実務では、複数のLINE公式アカウントを使い分ける動機は大きく以下の4パターンに分類できます。自社のケースがどれに当てはまるかを最初に整理しておくと、後の権限設計やプラン選定がスムーズです。

  1. PATTERN 01
    多店舗運用:飲食・美容クリニック・小売など、エリア・店舗ごとに友だちリストを分けて運用するパターン。来店促進・予約導線が店舗ごとに最適化できます。
  2. PATTERN 02
    ブランド別運用:1社で複数の商品ブランド・サービスブランドを抱える企業。ブランドごとに世界観・ターゲットが異なるため、配信内容を完全に分離します。
  3. PATTERN 03
    顧客ステージ別運用:見込み顧客向け・既存顧客向け・VIP顧客向けなど、購買ステージごとにアカウントを分け、配信頻度・特典内容を最適化します。
  4. PATTERN 04
    事業部・施策別運用:BtoB/BtoC事業を併営する企業や、キャンペーンごとに短期アカウントを立ち上げるケース。施策単位でPDCAを回せるのが利点です。

4つのパターンのどれを採用するかで、権限設計・配信量の見積もり・料金プラン選定が大きく変わります。本記事の後半(複数作成すべきケース・すべきでないケース)でも触れますが、まず自社の使い分け方を1つに絞ることが重要です。

LINE公式アカウントを複数作成する具体的な手順

実際に2つ目以降のLINE公式アカウントを作成する手順は、既にビジネスIDがある状態であれば3分程度で完了します。PCの管理画面(LINE Official Account Manager)から作成する手順を中心に解説します。

  1. STEP 1
    LINE Official Account Manager にログイン
    PCブラウザで manager.line.biz にアクセスし、既にお持ちのLINEビジネスID(またはLINEアカウント)でログインします。
  2. STEP 2
    アカウントリスト画面から「作成」をクリック
    管理画面トップに表示されているアカウントリストの上部から「作成」ボタンをクリックします。既存のアカウントを編集するのではなく、新規アカウントの追加であることを必ず確認してください。
  3. STEP 3
    アカウント名・業種カテゴリー・所在地(任意)を入力
    新しく作るアカウント名は後から変更できますが、検索性に直結するため最初から正式名称で登録するのが望ましいです。業種カテゴリーは登録後の認証申請時にも影響します。
  4. STEP 4
    プロバイダーを選択 or 新規作成
    複数アカウントを束ねる「プロバイダー(事業者単位)」を選びます。同一企業内のアカウントであれば既存プロバイダーへの追加が原則。1つのビジネスIDで作れるプロバイダーは10個までです。
  5. STEP 5
    利用規約に同意して「作成」を押下
    入力内容を確認し、利用規約への同意にチェックを入れてアカウント作成を完了します。直後から該当アカウント専用の管理画面に切り替わり、メッセージ配信や友だち追加用URL・QRコードの発行が可能になります。

スマートフォンの「LINE公式アカウント」アプリからも、ほぼ同じ手順で新規作成が可能です。管理画面右上のアカウント切り替えメニューから「+アカウントを作成」を選択するだけで、PCと同等の項目を入力して追加できます。

LINE公式アカウントの料金プラン3種(2026年最新)

複数作成自体は無料ですが、実際に配信できるメッセージ数はプランごとに上限が決まっています。2026年5月時点の最新3プランを整理します。配信通数の単位は「メッセージ通数(1人に1通配信したらカウント1)」です。

プラン 月額固定費(税別) 無料メッセージ通数 追加メッセージ 想定ユーザー
コミュニケーション 0円 200通/月 追加不可 小規模・お試し運用
ライト 5,000円 5,000通/月 追加不可 中小規模・定期配信
スタンダード 15,000円 30,000通/月 従量課金で追加可 大規模・本格運用

料金プランはアカウントごとに個別設定できます。例えば、本社のメインアカウントだけスタンダードプランにして、店舗別の100アカウントはすべてコミュニケーションプラン(0円)で運用するといった構成も可能です。「全アカウント一律で有料化される」と誤解されている方が多いのでご注意ください。

注意:メッセージ通数の数え方

無料200通/5,000通/30,000通という上限は「メッセージ吹き出し数」ではなく「配信した人数×配信回数」で計算されます。100人に1回一斉配信すれば100通、同じ内容を月3回送れば300通という換算です。複数の吹き出しを1つの配信に含めても1通カウントとなる点も合わせて把握しておきましょう。

LINE公式アカウントを複数作るメリット

複数のアカウントを使い分けることで、1アカウントだけでは到達できないマーケティング効果が得られます。代表的なメリットを4つに整理しました。

POINT 01

ターゲット別に配信を最適化できる

既存顧客と見込み顧客では、訴求すべき内容も配信頻度も大きく異なります。アカウントを分けることで、購買ステージごとに「響くメッセージ」だけを届けられ、ブロック率の低下と開封率の向上が同時に実現します。

POINT 02

店舗・ブランドごとに完全な独立運用が可能

飲食チェーン・美容クリニックチェーンなど店舗ごとに友だちリスト・配信内容・クーポン・予約導線を分けたい場合、複数アカウント運用が最適解です。1店舗ごとの効果測定も明確になり、KPI管理が圧倒的にしやすくなります。

POINT 03

配信コストを抑えながら大規模展開できる

アカウントごとにプランを変えられるため、ヘビーに配信するメインアカウントだけスタンダードプラン、サブアカウントはコミュニケーションプラン(0円)という階層構成が可能です。100店舗を全社一括の有料プランで運用するより、大幅にコストを抑えられます。

POINT 04

権限を分散し、運用責任を明確化できる

アカウントごとに「管理者」「運用者」「閲覧者」など権限レベルを設定できるため、店舗スタッフは自店舗のアカウントのみ編集権限を持つといった運用が可能です。誤配信・情報漏えいリスクの軽減にも直結します。

LINE公式アカウントを複数作る際の注意点・デメリット

メリットが大きい一方で、複数運用には特有の落とし穴も存在します。これまでの運用支援を通じて、現場で繰り返し見てきた失敗パターンを4つにまとめました。事前に把握しておけば多くは回避できます。

失敗パターン

運用工数が想定の2〜3倍に膨らむ

アカウントを増やすと、配信原稿の作成・配信予約・効果測定・友だち増加施策がアカウント数に比例して増えます。「分けたほうが効果が出る」というメリットの裏で、運用リソース不足で更新が止まり、結果として全アカウントが休眠状態になるケースが少なくありません。立ち上げ前に必ず工数試算をしてください。

失敗パターン

友だち数が分散して有料プランの恩恵を得にくくなる

1アカウントに10,000友だちを集めるのと、5アカウントに2,000友だちずつ分散させるのとでは、1配信あたりのインパクトもブロック率の許容範囲も大きく違います。分けたほうが良いのか1つに集約すべきなのかは、配信内容の差分が「ターゲット別に意味があるか」で判断してください。

失敗パターン

同一ユーザーへの「重複配信」によるブロック増加

同じ顧客が複数アカウントに友だち登録しているケースは想像以上に多く、配信が重複した結果ブロックされる事例が頻発します。アカウント間の連携が取れない(友だち情報を共有できない)仕様であるため、配信タイミング・配信内容の重複を運用ルールで防ぐ必要があります。

失敗パターン

アカウント認証・公式バッジ申請の管理が煩雑になる

認証済みアカウント(青バッジ)の取得には個別に申請が必要で、店舗ごと・ブランドごとに書類提出・審査対応が発生します。複数同時申請で書類不備が起きやすく、認証取得までの期間が長期化する場合があります。事前に一括で申請計画を立ててから動くのが現実的です。

複数作成すべきケース・すべきでないケースの判断基準

結局のところ「複数作るか1本でいくか」は、自社の運用リソース・顧客特性・施策方針によって変わります。判断軸を2軸4象限で整理しておくと、迷いません。

◯ 複数作成を推奨するケース

  • 複数店舗(5店舗以上)を持つチェーン展開企業
  • 1社で複数ブランド・サービスを展開している
  • BtoB/BtoC事業を併営し、配信内容が大きく異なる
  • 既存顧客・見込み顧客のステージ別に配信を最適化したい
  • 運用担当者を店舗・部門単位で配置できる体制がある

△ 1アカウントに集約すべきケース

  • 担当者が1〜2名で、複数運用の工数を捻出できない
  • 店舗数・ブランド数が少なく差別化メリットが薄い
  • 友だち数がまだ1,000人未満で分散させると効果激減
  • 「とりあえず分けたほうがよさそう」だけで判断している
  • セグメント配信機能で代替できる差分しかない

特に最後の「セグメント配信で代替できる差分しかない」パターンは要注意です。スタンダードプランのセグメント配信(属性・行動データに基づく配信)を使えば、1アカウントの中でも複数ターゲット向けの最適化配信は十分に可能です。アカウントを分ける前に、まずセグメント配信で目的が達成できないかを必ず検討してください。

複数LINE公式アカウントの業種別運用事例

業種ごとの典型的な複数運用パターンを4つご紹介します。自社が同じ業種でなくても、構造を理解すれば応用が効きます。

CASE 01|飲食チェーン(多店舗運用型)

全国20店舗を展開する飲食チェーンで、本部1アカウント+店舗別20アカウントの計21アカウントを運用。本部からは新商品・キャンペーン告知(全国共通)を、店舗からは来店促進・予約導線・地域限定クーポンを配信。店舗の友だち数の合計が本部の3倍に達し、来店動機への直接的な貢献も店舗アカウント側で起きやすい構造です。

CASE 02|美容クリニック(施術別運用型)

脱毛・美肌・痩身など施術メニュー別に5アカウントを運用するクリニック。メニューごとに来店動機・客単価・配信頻度の最適解が異なるため、それぞれ独立したコンテンツ設計で運用しています。LP単位でCV計測ができるため、広告投資の配分判断が明確になる利点があります。

CASE 03|EC・D2Cブランド(ブランド別運用型)

化粧品・健康食品・サプリなど複数ブランドを抱えるD2C企業の事例。ブランドごとにターゲット顧客層と世界観が完全に異なるため、独立した3アカウント体制で運用。LTV計測も各ブランド単独で実施でき、ブランド単位の経営判断(広告投資・在庫戦略)にダイレクトに直結します。

CASE 04|不動産(顧客ステージ別運用型)

注文住宅メーカーの事例。「資料請求段階の見込み客」「来場予約済みの検討層」「既存契約者(メンテナンス・紹介促進)」の3ステージで完全にアカウントを分離。配信内容・配信頻度・キャンペーン特典がステージごとに最適化され、購買サイクル全体での歩留まりが大きく改善した事例です。

BtoB企業におけるLINE複数アカウント活用

BtoCに比べて利用が遅れがちなBtoB領域でも、LINE公式アカウントの複数活用が広がっています。BtoCのような友だち数の規模感には到達しなくても、リード育成・営業支援・既存顧客のサポートなど、用途ごとにアカウントを分ける構成が有効です。

リード育成用アカウントと既存顧客アカウントの分離

展示会・セミナー獲得の見込み客と、既に契約済みの既存顧客では、欲しい情報が大きく違います。リード育成用アカウントでは「業界トレンド・事例紹介・ホワイトペーパー案内」、既存顧客アカウントでは「サポート情報・新機能リリース・契約更新案内」など、コンテンツを完全に分離することで、ブロック率の低下と読了率の向上が同時に実現します。

営業担当者ごとのLINE運用

属人的な営業色を出したい中堅BtoB企業では、営業担当者ごとに専用LINE公式アカウントを発行する事例も増えています。商談中・商談後のフォローを担当者個人のアカウントから配信することで、信頼関係を維持しながらリピート・紹介促進につなげる狙いです。退職時の友だち情報引き継ぎなど運用面のルール化は必須ですが、リード単価が高いBtoBでは投資対効果に見合いやすい手法です。

業種特化アカウントによる専門性訴求

建設・製造・金融・医療など特定業界に強みを持つBtoB企業では、業界別にアカウントを分けて専門コンテンツを発信する事例があります。1アカウントで「全業界向け汎用情報」を発信するより、業界別アカウントで深い専門情報を発信したほうが、リード品質・商談化率ともに向上するケースが多く確認できています。

複数作成が難しい場合の代替サービス・関連ツール

「複数アカウントを運用したいが、自社では工数が捻出できない」場合の代替策として、LINE公式アカウント連携の外部ツール(拡張ツール)を活用する選択肢があります。代表的なものを4つご紹介します。

ツール 主な特徴 複数アカウントに向く理由
Liny タグ・属性別の配信、ステップ配信、流入経路分析が強力 アカウントを増やさずにセグメント配信で代替できる場合に有効
L Message 無料プランあり。シナリオ配信・予約管理が手軽に作れる 小規模事業者が低コストで個別最適配信を実現できる
Lステップ ステップ配信・CRM連携が強力。マーケ自動化を重視 アカウントを分けずに顧客ステージ別フォローを自動化できる
Messaging API 自社開発でLINE連携機能を構築する公式API 自社CRM・基幹システムとLINEを密に統合したい大企業向け

弊社では「まず複数アカウント運用を試したい中小企業」にはLINE標準機能+Lステップを、「全社統合のCRM活用を志向する大企業」にはMessaging APIによる自社開発統合を推奨することが多いです。ツール選定はアカウント数の規模ではなく「データ統合の深さ」で判断するのがおすすめです。

よくある質問(FAQ)

Q. LINE公式アカウントは本当に100個まで無料で作れるのですか?

A. はい。1つのLINEビジネスIDにつき100アカウントまでの作成自体は無料です(2026年5月時点・LINE for Business公式ヘルプ確認済み)。ただし、各アカウントでメッセージ配信を行う際は、無料配信通数(コミュニケーションプラン200通/月)を超える場合に有料プランへの移行が必要です。「作成は無料、配信量が増えると有料」と理解しておけば間違いありません。

Q. 複数アカウントの友だちを統合することは可能ですか?

A. 残念ながら、LINE公式アカウント間で友だち情報を統合・移管する機能はありません。別アカウントとして登録された友だちは、別ユーザーとして扱われます。1人のユーザーがアカウントAとアカウントBに登録しても、それぞれ独立カウントです。事業統合などでアカウントをまとめたい場合は、移行案内を配信して新アカウントへ再登録してもらう必要があります。

Q. 1人の担当者が複数アカウントを同時に管理することはできますか?

A. はい、可能です。LINE Official Account Managerの管理画面右上から、自分が権限を持つ各アカウントへワンクリックで切り替えができます。1人で20〜30アカウントを管理する事例も少なくありません。ただし、運用品質を担保するには1人あたり5〜10アカウント程度が現実的な上限と弊社では考えています。

Q. アカウントごとに料金プランを変えることはできますか?

A. はい、可能です。アカウントごとに独立して料金プラン(コミュニケーション/ライト/スタンダード)を選択・変更できます。例えばメインアカウントだけスタンダードプランで運用し、サテライト用の店舗別アカウントはすべてコミュニケーションプランで運用する、といった構成が一般的です。

Q. 複数アカウントを作るとSEO・公式アカウント認証に影響はありますか?

A. アカウント数自体がSEO評価や認証審査に影響することはありません。ただし、認証済みアカウント(青バッジ)はアカウントごとに個別申請が必要で、書類提出・実在確認のプロセスを各アカウントで通す必要があります。店舗ごとに登記情報や運営者情報が分かれる場合、書類準備の段階で工数が発生します。一括で計画的に申請する体制を組むのがおすすめです。

Q. プロバイダーは何個まで作れますか?

A. 1つのLINEビジネスIDで作成できるプロバイダー(事業者単位)は最大10個までです。同一企業内であれば1つのプロバイダーに100アカウントすべてを束ねるのが基本構成です。グループ会社・関連会社が複数ある場合のみ、プロバイダーを分けて運用してください。

複数アカウントを立ち上げる前のチェックリスト

複数アカウントを実際に立ち上げる前に、必ず確認すべきポイントを8項目に整理しました。立ち上げ後のリカバリーは想像以上に重く、最初の設計でほぼ運用の成否が決まります。

  • 運用目的の明文化:「なぜ複数にするのか」を1〜2文で説明できるか
  • 運用工数の見積もり:アカウントごとの月間配信本数×制作工数を試算済みか
  • 権限設計:各アカウントの管理者・運用者・閲覧者を事前に決めているか
  • KPI設計:各アカウントの「友だち数」「ブロック率」「配信からのCV」など評価指標を定義済みか
  • 料金プラン試算:配信通数の月次予測からプラン選定が完了しているか
  • 友だち追加導線:QRコード・URL・店頭ポップなどアカウントごとに導線を分けているか
  • 配信ルール:重複配信を避けるためのアカウント間連携ルールを策定済みか
  • 認証申請:認証済みアカウント取得の必要性と申請計画が立っているか

このチェックリストの8項目すべてに「Yes」と答えられる状態を作ってから運用を開始すると、立ち上げ後3ヶ月以内に運用が止まる確率は大幅に下がります。逆に、1項目でも不明確なまま見切り発車すると、半年経ってから「何のために分けたのか分からない」という事態に陥りやすいです。

複数LINE公式アカウント運用のKPI設計

複数運用で最も多い悩みは「どのアカウントがうまくいっているのか分かりにくくなる」ことです。これはアカウント単位のKPI設計が曖昧なまま運用を始めてしまうのが原因です。最低限押さえるべきKPIを3階層に分けて整理します。

アカウント単体のKPI

個々のアカウントが健全に運用できているかを示す指標群です。アカウントごとに月次でモニタリングするのが基本です。

  • 友だち数:累計と純増(ブロック数を差し引いた実質値)の両方
  • ブロック率:累計ブロック数 ÷ 累計友だち数。健全ラインは20〜30%以下
  • 配信ごとの開封率(インプレッション率):配信メッセージが開かれた率
  • 配信からのCVR:クーポン使用・予約・購入など、配信を起点としたコンバージョン率
  • 1配信あたりの収益貢献:配信コスト÷配信由来の売上で算出する投資効率指標

ポートフォリオ全体のKPI

複数アカウントを横並びで比較し、どこに投資を集中すべきか判断するための指標です。全アカウントを集計した上で、相対比較できる形でダッシュボード化するのが理想です。

  • アカウント別貢献度マップ:友だち数×配信効率×CVRの3軸で各アカウントをプロット
  • 重複友だち率(推定):同一ユーザーがN個のアカウントに登録している割合の推定値
  • LTVへの貢献度:LINE経由で獲得した顧客の年間LTV/非LINE顧客のLTV比較
  • 運用工数あたりのROI:アカウントごとの工数(時間)あたり収益で投資判断

事業KPIへの接続

LINE運用がただの「友だち集め」で終わらないためには、経営指標との接続が必須です。CRMやMA、基幹システムとの連携を視野に入れ、LINE経由のリードがどう売上・利益に結びつくかを可視化していきます。

事業指標との接続例

  • 新規顧客獲得コスト(CAC):LINE友だち1人あたりの獲得コスト、その内CV顧客の獲得コスト
  • 顧客生涯価値(LTV):LINE経由顧客の年間購買金額・購買回数・継続率
  • リテンション率:LINE登録顧客/非登録顧客の継続率比較
  • クーポン回収率:配信クーポンの実際の使用率と売上貢献

複数LINEアカウント運用の月次フロー

立ち上げ後の運用が止まらないようにするには、月次の標準オペレーションを最初から設計しておくことが重要です。多くの企業で機能している標準フローを4ステップで示します。

  1. PHASE 1
    月初:配信計画とトーン統一会議
    全アカウントの担当者が集まり、当月の配信スケジュール・キャンペーン連携・トーン&マナーをすり合わせます。ここで重複配信や時期被りを潰しておくのが鉄則です。
  2. PHASE 2
    月中:配信実施と即時モニタリング
    予定通りに配信を実施しながら、ブロック率・開封率を週次でチェック。異常値が出たアカウントは原因(配信頻度過多/訴求ミス/時間帯不適切)を即座に分析し、翌週の配信に反映します。
  3. PHASE 3
    月末:実績レポート作成と次月への反映
    アカウント別のKPI実績を統一フォーマットでレポート化。アカウント間の優劣ではなく「学び」をチーム内で共有し、好調アカウントのTipsを他アカウントに展開します。
  4. PHASE 4
    四半期ごと:ポートフォリオ見直し
    3ヶ月単位で各アカウントの貢献度を再評価し、運用継続・統合・休眠化の判断を行います。低貢献アカウントを温存し続けると全体の運用品質が落ちるため、撤退判断も必要です。

このフローを最初の3ヶ月で型として定着させると、後は担当者が変わっても運用が止まりません。複数アカウント運用の本当の難所は「立ち上げ」ではなく「3ヶ月以降の継続」にあります。

まとめ:複数運用は「目的」と「工数」で意思決定する

本記事のポイントを最後に整理します。

この記事のポイント

  • LINE公式アカウントは1つのLINEビジネスIDで最大100アカウントまで無料作成可能(2026年5月最新仕様)
  • 料金プランは3種(0円・5,000円・15,000円)でアカウントごとに個別設定可能
  • 複数運用のメリットは「ターゲット別最適化」「独立した効果測定」「コスト抑制」「権限分散」
  • 失敗パターンは「運用工数の増加」「友だち分散」「重複配信」「認証申請の煩雑化」
  • 分けるかどうかは「セグメント配信で代替できない差分があるか」で判断する
  • 運用リソースがない場合はLINE標準のセグメント配信・Lステップなど外部ツール活用も検討

LINE公式アカウントを複数運用するかどうかは、「分けたほうが効果が出るか」だけでなく、「分けた後の運用を継続できるリソースがあるか」を含めて判断するのが正解です。弊社では多店舗チェーン・複数ブランド企業のLINE複数アカウント運用設計から実運用まで一貫してご支援しています。複数運用の設計に迷われている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

著者情報

細田 和宏
Kazuhiro Hosoda

細田 和宏

【代表取締役】

デジマール株式会社 代表取締役。広告運用・デジタルマーケティング業界歴17年。
大手プラットフォームをはじめ、BtoB・BtoC問わずEC・人材・不動産・SaaS・美容クリニック・教育・金融・アパレルなど幅広い業種で累計200社以上の集客・売上改善を支援。
Google 認定パートナー、Meta Business Partner所属。HubSpot・Looker Studio・CDPを活用したデータドリブンマーケティングの実践。
「マーケティングの未来を、つくる。」をテーマに、戦略立案から現場実行まで一気通貫で担う。デジマール公式メディア「シラバス」の監修責任者。

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