HubSpotは、CRMツールとして名高いですが、その中身は「Marketing Hub」「Sales Hub」「Service Hub」の3製品に分かれます。これら3製品に契約することで販売活動全般を包括するようなCRMツールとして利用が可能です。
また、現状使っているツールと組み合わせたい場合には、3つのうち1つだけ契約をするといった使い方も可能です。いずれにせよ各製品でできることを抑えることで、HubSpotを最大限活用することができます。
今回は3製品のうち、HubSpot Service Hubについて解説していきます。
HubSpotの全体像を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
※本記事はHubSpotパートナー認定のデジマール株式会社が監修・執筆しています。
HubSpot Service Hubの概要
HubSpot Service Hubを一言で表すと、「カスタマーサービスソフトウェア」です。
商品購入後や、サービスの開始後に顧客をサポートするための機能が備わっています。顧客の満足度や、維持率の向上に寄与します。
単一のプラットフォームでカスタマーサービスの案件を管理できるため、重要度の高いものから対応が可能という強みがあります。
HubSpot Service Hubの主な機能|サポートチームの処理能力を高める
案件振り分けの自動化でサポートチームの対応力を強化したり、ナレッジベースの作成によって顧客自身で問題解決しやすくしたりすることで、サポートチームの処理能力を高めることができます。
ヘルプデスクとチケット管理の自動化
HubSpotでは、顧客からの問い合わせのことを「チケット」と呼びます。
すべての問い合わせをチケット単位で管理できるため、サポートの抜けを防ぎ、また優先順位をつけて対応することができます。担当者ごとの、応答時間やチケットの処理件数を把握することもできるため、サポートチームの対応力強化を図ることができます。
また、フォームやEメールやライブチャット、から問い合わせが入ると、送信者の情報や問い合わせ内容に基づいて自動的にチケットが作成され、チーム内の適切な担当者に割り当てられます。
チケットのワークフローを作成すれば、これらのフローを自動化することも可能です。
参考:HubSpot|チケット
ナレッジベース
ナレッジベースとは、「業務や製品に関する知識や情報がまとまった媒体」のことです。特にカスタマーサービスの場合、よくある質問や要望をもとにヘルプ記事やドキュメントを作成し、それらをまとめます。
顧客はわからないことがあったときに検索することが多いため、検索エンジンにインデックスされた記事を作成することで、顧客自身で問題解決しやすくなります。
ナレッジベースがあることで、サポート担当者内での知識の共有も進み、初めて見る問い合わせ内容にも適切に対応することができます。
ウェブチャット
カスタマーサービスにおいてウェブチャットの活用は想像しやすいのではないでしょうか。わからない問題について何回も検索してやっと情報にたどり着くことは、顧客にとってストレスとなります。
より製品やサービスに最適化されたチャットボットを作成することで、顧客の悩みを最短、かつサポートチームの時間を使わず効率的に解決することができます。
HubSpot Service Hubの主な機能|チームとチャネルを一元管理
コミュニケーション経路が多いと、その情報を管理するだけで多くの時間が必要になります。HubSpotはあらゆるコミュニケーションを一元管理できる受信トレイを提供しており、わざわざツールを切り替えて対応する手間が省けます。
コミュニケーションの受信トレイ
チームの共有アドレス、ウェブチャット、Facebook Messengerなどを共通の受信トレイと接続し、すべてのコミュニケーションの管理と返信を一元化します。
チームの共有アドレスを利用している場合、割り当ての設定をすることで、特定の担当者に返信を割り当てたり、均等に割り当てることが可能です。
返信の際は、HubSpotが提供しているテンプレートやシーケンスを用いてメール作成を効率化できます。
チャットボット経由であれ、Facebook Messenger経由であれ、HubSpotと連携しているツールからの問い合わせは同一の受信トレイに蓄積されていくので、わざわざツールごとに管理したり、担当者が変わるときに情報共有したりする必要がありません。
参考:HubSpot|多くの顧客に対しても1人ひとりに合わせたコミュニケーションを図り、関係を深めることができます。
HubSpot Service Hubの主な機能|先を見越したカスタマーサービス
丁寧な顧客対応は、顧客のロイヤリティー化を加速させます。また、顧客が求めるサービスを見つけ出し、それに対応することもカスタマーサービスには求められます。
これらを実現する機能もHubSpot Service Hubには搭載されています。
顧客アンケートによるフィードバック収集
Eメールやウェブサイトで回答が可能なアンケートを配信することができます。
調査の目的に応じたアンケートも作成可能です。
NPS ®(顧客ロイヤルティー指標)調査では、経時的な顧客ロイヤルティーを測定できます。CES (顧客努力指標)調査では、顧客がどれだけ手間をかけずに必要なサポートを受けられたかを把握できます。さらにCSAT (顧客満足度指標)調査では、カスタマージャーニーのタッチポイントごとの満足度がわかります。
顧客からのフィードバックをもとに、サービス内容や顧客とのかかわり方を改善していきます。アンケート結果はダッシュボードで確認可能で、各指標の推移を確認したり、業界平均と比較しながら改善の成果を追っていきます。
1:1動画の作成
文章や図表だけでは伝わらない情報や、熱意を伝える媒体として動画は効果的です。HubSpotに動画をホスティングすることで、ウェブサイトやナレッジベース、Eメールに動画を掲載することができます。
ウェブサイトのよくある質問や、ナレッジベースに動画を掲載することで、カスタマーサービスが同じような質問に何度も丁寧に回答する必要がなくなります。
また、Eメールに動画を挿入すれば、メールの内容で目を惹きやすくなるだけでなく、1:1の情報提供の質も高くなり、見込み顧客の興味関心を高めることができます。
HubSpot Service Hubのプラン
価格プランの概要
HubSpot Service Hubには、「Starter」「Professional」「Enterprise」の3つのプランがあります。
上位のプランと契約することで、自動化や、利用可能人数の増枠が可能です。
プラン |
月額料金 ()内はキャンペーン価格 |
年間料金 ()内はキャンペーン価格 |
利用可能なユーザー数 |
Starter |
6,000円 (5,400円) |
72,000円 (64,800円) |
2人 |
Professional |
43,200円 (48,000円) |
576,000円 (518,400円) |
5人 |
Enterprise | 144,000円 | 1728,000円 | 10人 |
どのプランを選べばいいの?
まずは、Service Hubを使う人数に応じてプランを検討してみましょう。Starterなら2人、Professionalなら5人、Enterpriseなら10人の制限があります。
コミュニケーションの受信トレイはStarterまでは1件ですが、Professional以上だと最大100件まで利用可能で、製品・サービス別に受信トレイを分けるなどの運用が可能です。
コミュニケーションの自動割り当てや、チケットのパイプライン管理は有料のStarter以上から、ナレッジベースや顧客アンケート機能はProfessional以上のプランで利用可能となります。
HubSpotのバンドルについて
バンドルとは、束という意味の英単語です。文字通り、HubSpot製品「HubSpot CRM」「HubSpot Marketing Hub」「HubSpot Sales Hub」「HubSpot Service Hub」「HubSpot Operations Hub」のセットを割安(単体購入の合計の25%OFF)で利用できるのが、HubSpotのバンドル、「Growth Suite」です。
HubSpot製品は統合型マーケティングプラットフォームと謳っているように、各製品を組み合わせることで真価を発揮します。そのため各製品のセットを割安で利用できるバンドルは、HubSpotを使いこなす上で便利です。
「Growth Suite」にも「Starter」「Professional」「Enterprise」の3種類のプランがあります。
プラン |
月額料金 ()内はキャンペーン価格 |
年間料金 ()内はキャンペーン価格 |
Starter Growth Suite |
9,000円 (8,160円) |
108,000円 (97,920円) |
Professional Growth Suite |
213,600円 (192,00円) |
2,563,200円 (2,304,003円) |
Enterprise Growth Suite | 480,000円 | 5,760,004円 |
まとめ
ここまで、HubSpot Service Hubについて、できること、料金体系、バンドルについてみてきました。
HubSpot Service Hubは、カスタマーサービス対応を自動化したり、ナレッジベースの作成で対応する問い合わせを減らしたりすることで、カスタマーサービスの効率化が可能です。
また、アンケート機能や動画機能を使えば、より顧客の要望に寄り添ったサービス運営が可能になります。
購入までのスパンが長く、継続利用によって利益が見込めるBtoBサービスでは利用の価値が高い製品と言えるでしょう。